展示感想:「境界」Gallery FACE TO FACE正月企画 38人のグループ展 前半その1
「境界」Gallery FACE TO FACE正月企画 38人のグループ展 「境界」に行ってきました。
今回は、それぞれが受け止めた〈お題〉の解釈が、作品の内的な統一を生んでいるので、ひとりひとりの作品が、他のものと異質になり、境界を感じるところも少なくないです。
山内さんの作品は、ミリタリーフィギュアと赤瀬川原平のトマソンの組み合わせで、戦争にたいする見事な風刺画になっています。
山内さんの二重構造の作品は、そとづらと内面、嘘と本音、不審感と依頼心など分離できないのに存在する二面性があります。
兵士とフィギュア、そして意味をもつ建物と意味を失ったトマソン、それがリアルな戦禍と遠い異国の出来事である日本の世相とよく絡まってます。
北嶋さんは、刷ったものをカットして貼り付けるのですが、隙間から顔をだすカエルなど、これまでのカットとは違う切れ目をいれていて新鮮でした。
石塚さんの作品に、彼女の説明があって、そこに蒸留という言葉がありましたが、凝縮的な彼女の作品を眼にすると、強い蒸留酒を思い起こしました。
まだ、会期は続きます。