表現再考:雀入大水為蛤 雀が海に入って蛤になる
寒露も次候に入りました。本朝七十二候では、寒露の次候は、菊花開ですが、宣明暦では、雀入大水為蛤、チラホラみかけていた雀が海に入って蛤になるということのようです。
これは、中国の古い言い伝えをもとにしているようですが、宣明暦の七十二候では、「田鼠化為鴽(田鼠が鴽になる)」、「戴勝降于桑 (戴勝が桑の木に止って蚕を生む)」、「腐草為蛍(腐った草が蒸れ蛍となる)」、「雉入大水為蜃(雉が海に入って大蛤になる)」など、変身譚のようなものが、幾つもあります。
風景の変化を、このような形で表現する精神性も興味深いものです。