表現再考:穀雨 4月19日
今日から二十四節気で穀雨です。これは、百穀春雨からきていて、雨降って百穀をうるおすという意味です。すでに春も土用に入っていますから、これが終われば立夏、夏です。
旧暦で、三月というのは、穀雨の時期に満月がくる月です。
本朝の七十二候では、葭始生(あしはじめてしょうず)、霜止出苗(しもやんでなえいづる)、牡丹華(ぼたんはなさく)寒気が完全に抜けて、葦や苗が伸び、植物が生き生きとし始めるということでしょう。
宣明暦では、萍始生、鳴鳩払其羽、戴勝降于桑となるのです。鳴鳩は、斑鳩につながるイカルという鳥、戴勝はヤツガシラという鳥です。
萍始生の萍は浮き草のことで、水のあるところに、浮き草が増え、イカルが羽を整える、そしてヤツガシラという鳥が桑の木に止まる頃、蚕が増えるのを、蚕を生むというふうに表しているようです。動物に対する親しい感じがここにもでています。