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表現再考:寒露、10月8日

今日から、二四節気は晩秋です。今年は暑い、暑いと言っていましたが、朝、晩の冷えが目立ってきました。

 本朝の七十二候は、鴻雁来(こうがんきたる)、菊花開(きくのはなひらく)蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)で、渡り鳥が飛来し、菊という秋の花が咲き、活動していた虫たちが見えなくなるという形です。

 宣明暦では、鴻雁来賓 雁が多数飛来して客人となる、雀入大水為蛤 雀が海に入って蛤になる、
菊有黄華 菊の花が咲き出すです。初候と末候は、鴻雁来、菊花開が対応しています。次候の雀が海に入って蛤になる、雀入大水為蛤の形式は、鷹化為鳩 鷹が鳩に姿を変えるや、田鼠化為鴽 田鼠が鴽になるなど全く違うものがメタモルフォーゼを起こすという形です。

 中国の思想には、陰陽の二元論があります。これは、交わらぬ二つでなく、陰が陽となり、陽が陰となることで、その属性が、変化することです。
 上、空、陽の世界の雀が、下方へと沈んで陰の世界の蛤に移る、そんな陰陽のあり方をあらわしているようにも思います。

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