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何段階も上を行く【感謝の箱根駅伝】

箱根駅伝第99回大会、往路は駒澤大学が優勝しました。
・1区、飛び出すことの難しさ
・2区、駒澤田澤君、青学近藤君、中央吉居大和君の競り合いなどなど
・4区、青学太田君と3年連続区間賞のヴィンセント君
・5区、城西山本君のキャラクター

上記に限らず、印象に残った点をあげたら100カ所くらいあげられるんじゃないかと思う往路でした。

1区は昨年の吉居大和君の飛び出しが凄かったですが、あんなふうに飛び出すことは普通はできないことなんだなぁ、やっぱ吉居君はとんでもないな…と思ったところでの2区。

2区は、96回大会の相澤選手と伊藤達彦選手の並走以来の、とんでもない2区になりましたね!
後続の選手も、もっともっと観たかったですが、1位争いが熾烈過ぎてあまり映らなかったことだけは残念でした(が、仕方ない)。

吉居君が飛ばすことは予想できましたが、中学時代同じ陸上クラブで過ごした近藤幸太郎君の走りも素晴らしく(走り終えた後の態度も素晴らしく)、本当に凄いものを観させてもらったなぁと。
1学年先輩である近藤君が吉居君に「ついて来いよ」と言っているかのような走りだったなぁと感じました。

藤原監督から「世界で走るんだろ⁉」と声を掛けられ、吉居君が俄然元気を取り戻す様子は、確固たる目標を持つ大切さを思い出させてくれました。

そして学生長距離界日本一、レン・タザワ。
2区が始まる少し前、中継所の様子が伝えられ田澤選手が深刻な面持ちだと聞き、ひょっとして調子が悪いのでは… と思ったら、田澤選手はコロナ明けで2週間の調整で当日を迎えたことを後から知りました。
大エースという使命感、大八木監督へ三冠をプレゼントするんだという想い… 不安が凄く大きかっただろうと思います。

それでも、あの走り。あの走りですよ!!!
レンタザワは間違いなく、学生日本一だなぁと思うのです。

大八木監督、往路優勝のインタビューでも心なしか元気がないように見えました。田澤選手を走らせてよいのか、悩んだのかもしれません。選手生命に関わるかもしれない… 葛藤の中、本人とも話し合っての決断でしょう。
全日本では吉居君が帯状疱疹明けの万全ではない中走って、それでも区間賞を獲りました。
一流の選手というのは、自分の体調の波すらも乗りこなして試合で結果を出せる人なのでしょうか。

田澤選手、レース中と走り終えたあとは凄く苦しそうでしたが、5区の選手を迎える際には「給水係姿」でテレビカメラに映るふざけた姿もあって、本当に今の駒澤大学は良いチームなんだろうなぁと思いました。きっと、信頼できる仲間と充実した4年間を過ごしたことでしょう。
田澤選手が、これから先、世界で活躍する選手になることを心から願っています。

レースで田澤選手を常に追いかけ続けてきた近藤選手も卒業です。とても心と体が強くて、大好きな選手なので実業団でも長く、活躍してほしいなぁと心から思います。 

そして今回、吉居大和君が多分すごく良い状態で走って、それでも相澤選手や伊藤達彦選手、そして昨年の田澤選手の記録には届かなかったことを思うと、これからの1年の成長が楽しみで仕方ないです。

第99回箱根駅伝往路の最後は、5区・区間新を出した城西大の山本君。
ものすごー----く楽しそうに、心から嬉しそうに山を登り、純粋そのものな様子でインタビューに答えていました。それがとっても清々しくて、あたたかい気持ちになりました。城西大学、シード権を獲得して来年も山本君の走りを観せてもらいたいです!