妻の入院2日目

先ほど、昨日から妻が入院している病院へやって来て、10分ほど手術前の面会をした。妻は昨晩21時から絶食で、代わりに栄養剤入りの点滴をしていたそうだ。妻との会話は基本的に一問一答式で話す。まるで堅苦しい小説中の会話のように。

Q.子供たちの様子はどうだった?
A.保育園に迎えに行った時はいつものように元気だった。スーパーで晩ご飯で食べたい物はないか?と聞いて買い物した。菓子パンと味付け海苔、それにピカチュウのカップ麺、乳酸菌飲料を買ったよ。お菓子は1人1個まででね。

Q.カップ麺は栄養が無いから野菜をもっと食べさせないとダメだ。
昨日帰り道でスーパーに寄りフルーツを子供たちに買うように指示していたが、何のフルーツを買ったのか?
A.オレンジとバナナとドラゴンフルーツ、あとカットスイカかな。さすがにスイカ1玉は多過ぎるかなと思って。

Q.オレンジは冷蔵庫に前買ったのがあるでしょう。見てから買うべきだ。ドラゴンフルーツは少なめで良い。スイカは水分を多量に含むから毎食食べさせても良い。
私がもし死んだら私の銀行口座残高は全て子供たちに使ってね。絶対ね。

という具合に。

前にも書いた事だけれど、相変わらず僕には妻が乳がんになり今日乳房全摘の手術をするのだ、という実感がまるで無い。超発達をした近未来のVRゲームがあるのなら、きっと今の僕のような感じなのだと思う。

病院へ行き、看護師さんや妻と話す。手術中は待合室で待つ。自販機で飲み物を買い、飲む。この日記を書く。視覚や味覚は全て正常に感じられているはずなのに、悲しい嬉しいと言った感覚が欠如している。

あまりにも何も感じないので今日の日の事をこうやってメモする事にした。いつか僕が正常になった時に読み返して後悔をする為に。

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