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2020.05.28 参議院法務委員会 嘉田由紀子議員質疑

今回も嘉田由紀子議員が共同養育やADRの活用等について質疑をしてくれましたので文字に起こしました。

https://www.youtube.com/watch?v=pRQs0Zj1zSA&feature=youtu.be


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嘉田由紀子議員

前回、ずっと離婚制度の話を質問しておりますが、前回の5月26日、日本では離婚の9割近くが協議離婚で、そして子どもの養育条件など義務化せずに離婚を認めているのは今回調査をした24カ国の中で日本だけだとゆう事がわかって参りました。この離婚が容易であるのは、ある意味で日本の歴史的背景がございます。元々明治民法のもとでは結婚は家の跡取りを確保するための手段であり、跡取りが産まれない場合には素早く離婚をして女性を解放し、また女性も再婚し易いと言う背景があったと。ですから、女の腹は借り物という言い方もされますけれども、子どもは家に帰属する、夫側に帰属すると言う事で、家族法の研究者たちも、この離婚制度の背景の説明をしてくれている訳でございます。まぁキリスト教国では、特にカトリック系の国では夫と妻の夫婦関係、永遠のものとして離婚への社会的歯止めが強かったと言う歴史が御座います。それがここニ三十年、ヨーロッパでも大きく変わっている訳ですけれども、その時にヨーロッパ諸国でも子どもの事は大変重視しているというのが今回の24カ国調査で御座います。そして戦後は男女同権になって大きく民法変えられたんですが、単独親権は残りました。その上、近年は女性団体の一部が、DVから逃れるためにと言う事で、単独親権制度を共同養育や共同親権に変える事に強く反対をしておられます。確かに、DV被害は壮絶です。いろいろ私も具体的に知り合いもおりますし、それから色々なケースを読ませていただいております。内閣府の調査で平成26年の調査が御座いますけれども、まぁ夫婦の中のDVで、男性側から女性側が24%、逆に女性側から男性側が17%。これ以外と社会的に知られていないんですが、男女双方が加害者になり得ると言う事で、その為にDV防止法があるというわけです。これを出来るだけ実行かすることが先ず法務行政として必要だろうと思います。一方でDV防止法が有効に機能していないからと言って、子どもにとって最善の利益を実現するための共同養育や共同親権に反対すると言う事は社会的に説明がつかないと思っております。特に今や子どもはかつて家の所有物と思われていた、今は母親の所有物になっているんじゃないのかと言う懸念さえあります。子どもの最善の利益は何処にいったんでしょうか。言うまでもなく先程の高良議員も言って下さいましたけれども、日本の子ども達がおかれている状況、面会交流も含めて大変大事な局面に達していると思っております。協議離婚であっても離婚要件として未成年の子どもが居る場合には共同養育計画を義務化する提案させていただきました。前回答弁いただいております。日本では今までこれ議論されていないんですけれど民法877条には直径血族には扶養の義務があると、これ離婚をした後も父子、母子の関係は変わらないわけですから、直径血族には扶養の義務がある、それは生きている訳で御座います。まぁそういう中で前回明石市の事例詳しくご紹介させていただきましたけれども、あの、森法務大臣が紹介をして下さったホームページ、法務省のホームページじっくり見せていただきました。あの大変わかりやすい呼びかけで、離婚を考えている方へ、離婚をする時に考えておくべき事、あなたは今、不安、怒り、恐怖、悲しみ等の色々な感情のために将来の事を考える事が難しいかもしれません。また自立していない子どもが居る場合には、その子の将来のために考えていきましょうと言う事で、一人で悩まないで、専門家に相談してくださいと呼び掛けていただいて大変丁寧なホームページを作っていただいております。そして5月26日私は、その時に大事なのは裁判外紛争解決手続、ADRですね。これがこれからの時代大事ではないかと申し上げました。と言うのは弁護士の場合には、ある意味でクライアントの利益を重んじて、勝つか負けるか、或いは、結論を出さなければいけないんですけれども、このADRですと養育費の額や支払い方法など含めて共同養育計画同意書を作ることが出来ます。この合意書を作るのにあたって公正証書に、公証役場に出して、公正証書として法的な効力を持たせることも出来ます。今日皆さんにお配りしたのは、この解決サポートと言うものですけれども、こちらも、あの、この3月に法務省が作っていただきました。見ていただきますと、裁判によらずに話し合いによって円満な解決を目指すパンフレット、大変わかりやすいと思います。そして法務大臣にお聞きしたいんですが、長々とすみません。前振りが長くて、共同養育計画に向けてADRの活用について法務省の取り組み状況をお尋ねいたします。また今後の課題について法務大臣の御認識をお聞かせください。

森法務大臣

子どもの利益の観点から未成年の子がいる夫婦父母が離婚する場合に、子どもの養育に関する事項について、必要な取り決めを行う事は重要であります。その取り決めを行うには、父母間の協議や裁判手続きの他、委員が今、お触れになりました、ADR手続きを活用する事が考えられます。法務省ではこれまでも法務大臣の認証を取得した民間ADR機関を紹介するパンフレットを配布するなど、ADRの活用に向けた周知広報に取り組んできたところです。法務省の担当者も参加する、家族法研究会においても未成年の子がいる父母が協議離婚する場合に、養育費や面会交流の取り決めを含む、養育計画の作成を促進する事や、その際にADRを活用する事が検討されていると承知しています。今後とも離婚問題を取り扱う民間ADR機関の更なる周知等について検討をするとともに、父母の離婚後の養育の在り方についての、様々な課題について、しっかりと検討を進めて参ります。

嘉田由紀子議員

ご丁寧に有難うございます。このADRの中はあまり直接家族や離婚と言うところが無いんですけれども、全国で民間事業者の一覧が御座います。法務省の認証を受けた、この中で東京都の小泉道子さん

個人名でやっていただいていますけれども、家族のためのADRセンター、直接お話しをお伺いしました。小泉さんの基本的な考えは離婚の考え、或いは離婚に直面している夫婦と言うのは、どっちにしろ、大変葛藤が高くて、中々両方一緒に話がし難いけれども、その両方の意見を聞きながら出来るだけ、纏める方向でいくと。共同養育が出来るようにと言う事を子どもの為にと言う事で大変緻密に丁寧に仲裁をしていただいております。どこの国でも勿論、夫婦が離婚すると言う事は高葛藤です。日本だけが高葛藤なのではない。それも今回24カ国の調査でわかった事だと思いますけれども、この、夫と妻が対立しているのに、子どものために対立を超えて、戦いを超えて、フレンドリーに、子どものための養育計画を作り、実践しようと言う試みが世界的にも見えますけれども、それを各国で法制化しているわけです。共同養育をとっている今回の22カ国の中で、父母が対立する場合の対応にはどのようなタイプがあるのでしょうか。タイプ別の国名などお教えいただけますでしょうか?

小出民事局長

お答え致します。あの今回の海外法制調査の結果によりますと、離婚後の子どもの養育について父母の意見が対立する場合の対応といたしまして、例えばイギリス、イタリア、オーストラリア、韓国、スエーデン等、多くの国では裁判所が判断すると言う回答で御座いました。またこれらの国につきましては、あのイギリス、イタリア、オーストラリア、スエーデン等では裁判所が判断するにあたりまして、外部の専門家や関係機関の関与が認められている。また韓国では当事者があらかじめ裁判以外の紛争解決方法を決めておくことが出来るといった、付加的な情報もいれられているところでございます。

嘉田由紀子議員

有難うございます。今回の24カ国の調査の中に、離婚後に子を監護する親が転居する場合の、制限の有無とその内容について質問項目があります。実は離婚した後、子が何処に住むかと言うのは、かなり海外では重要な問題になっているんですが、日本では、まだあまり、ここのところの重要性が知られてないと思うんですけれども、この制限がある場合、その内容について、24カ国調査からお教えいただけますか?

小出民事局長

お答えいたします。今回の海外法制調査の結果によりますと、離婚後に子どもを監護する親が転居する場合の制限の有無につきまして、例えば、アメリカ、イタリア、オランダ、韓国、スペイン、ドイツなど、転居に裁判所の許可または他方の親の同意などを要すると回答した国が多かったと言うところでございます。その他、例えば、イギリスでは原則として他方の親権者の同意が必要ありませんが、1ヶ月以内の旅行を除いて、子どもを外国に連れていく場合には他方の親権者の同意を必要、同意を得る必要があるとか。アルゼンチンでは子どもと同居している親は、同居していない親が子どもと円滑にコミュニケーションをとる権利を害さないように配慮する事が求められております。またブラジルでは、転居先が子どもの利益の観点から制限され得るといった回答が御座いました。

嘉田由紀子議員

有難うございます。お答えのように、子どもの居住地を移動する事は共同養育の中で大変大事な事柄なので、相手の了解を得ずに監護親が勝手に居住地を移動する事は禁止、或いは制限されている国が多い事がわかります。特に海外への移動などは、大変大きな制限をされているこれが実はハーグ条約の問題に繋がってくるわけで御座います。今日はもう時間切れですので、ここで終わらせていただきますけれども、この片親親権制度、ハーグ条約、そして何よりも子どもの最善の利益を目指すような民法改正について、また今後も続けていきたいと思います。有難うございました。

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今回もとても具体的で良い質疑応答でしたね。私は調停中に400km離れた場所に引越しをされてしまっていますので、子の居住地の移動については多変参考になりました。中々突破口は見えませんが、子どもの「パパに会いたい、遊びたい」と言う気持ちに応えられるよう、諦めずに頑張りたいです。

サポートは別居や離婚を経験した子どもの支援に活用させていただきます。宜しくお願い致します。