2020.11.13_法務委員会_串田誠一議員
法務委員会の串田誠一議員の質疑を文字起こししました。
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串田誠一議員
次に子どもの親権問題。これも大臣の所信に書かれているところでございます。特にですね、面会交流についてお聞きをしたいんですが、今日は養育費に関して色々ご意見がございました。私は養育費についてはしっかりと支払いがなされる制度が作られるべきであるという風に考えています。
内閣府の調査によりますと、子どもの育児は父親が1母親が9これが31%。2:8が24%、3:7が17%、0:10と言うのが9%もあるわけですね。今圧倒的にやはりこれは女性が育児をしているというのが現実的なことでございまして、離婚であろうと、別居であろうと、子どもを養育をしているという実態にあわせ、収入を得ている側が養育費を払うというのは、これは当然のことであるという風に私は思っております。
養育費が成人年齢で影響を受けるのではないかと2018年の時に、小野瀬民事局長と散々私やらさせていただきまして、2018年の前に協議離婚だとか、あるいは調停離婚だとか、成人に達するまでと書いてあるのが多いんですね。その時に成人年齢が18歳になったならば、18歳で打ち切りになるという風に国民が大変心配すると。だから法律でこれは20歳なんだと書いてくれと小野瀬民事局長に言ったんですけれども、どうしても法律に書いてくれなかった。だったらしっかりと公布をしてくださいとお願いしましたところ、法務省がですね、成人年齢引き下げに関する養育費の影響についてと言う公布を書いていただきまして、これは20歳までなんだよと書いていただいたんですね。2022年4月1日から、あと1年ちょっとで御座いますけれども、こういう混乱が起きないような事はしっかりとですね、これからも公布をしていただきたい。また公布をしていただいた事に対して感謝を申し上げたいと思います。
一方で、今日資料をお配りさせていただきましたが、資料1は、これは昨年の国連の勧告でございます。質問通告でも、正確に引用をさせていただきましたが、この中で、(B)のところですね。「児童の最善の利益である場合に外国籍の親も含めて、児童の共同養育を認めるため、離婚後の親子関係について定めた法令を改正し、また非同居親との人的な関係及び直接の接触を維持するための児童の権利が定期的に行使できることを確保すること」と言うことで、これは国連が勧告をしている訳でございます。で、このFのところの家庭環境及び代替的監護の後ろについている条文と言うのは、子どもの権利条約の条文を引用されています。要するに子どもの権利条約を日本は1994年に批准しながら、この部分について十分で無いと言う事で勧告がなされていると言う事実が現実に去年行われていると言う事でございます。
法務大臣このような国連の勧告に対して、大臣としては、どのように受け止め、どのような政策をこれから展開するのかご説明いただきたいと思います。
上川法務大臣
昨年の2月に児童の権利委員会の総括所見の内容について、ただいま委員からご指摘があった点については承知をしているところでございます。その趣旨についてはしっかりと受け止めるべきではないかと言う風に認識しているところでございます。我が国は児童の権利条約の趣旨に照らし、子どもの最善の利益を確保するという観点から、これまでも必要な対応を講じてきたところでございまして、児童の権利条約につきましても、誠実に順守してきたと言う風に認識している事であります。たとえば平成23年の民法改正におきまして、離婚後も適切に親子の面会交流が行われることを促進する趣旨で、離婚の際に子どもの利益の観点から定めるべき事項の一つとして、面会交流を条文に明記するなどの、法改正をしております。このような法改正の趣旨につきましては、先程委員がご指摘になられました通り、広く周知するという事が、何よりも大切でありますので、そういった点も含めまして、広報にも努めているところでございます。もっとも父母の離婚に伴う、子どもの養育の在り方についてでございますが、制度及び運用の何れにつきましても、子どもの利益の観点からは、必ずしも十分なものとなっていないとの指摘がされるなど、様々な意見があると言うことも確かなことでございます。その上でございますが、父母の離婚後の子の養育の在り方につきましては、現在法務省の担当者も参加しております、家族法研究会におきまして民事法制の観点から、幅広く検討が進められているという事でございます。私といたしましても、国際的な潮流を踏まえたうえで、また各方面の方々からのご意見も十分に伺いながら、チルドレンファーストと言う視点で父母の離婚後の子の養育の在り方につきまして、しっかりと検討を進めて参りたいと言う風に考えております。
串田誠一議員
はい、先程子どもの権利条約と言う話がありまして、今大臣から研究会というのがありました。9月に最新版と言うのも出ているんですけれども、残念ながらここに一言も子どもの権利条約と言う言葉がないんですよ。双方の議論と言うのは、これ各国が30年ぐらい前に終えているんですね。例えばアメリカも単独親権でした。ドイツも単独親権でした。それがアメリカは共同監護に変わり、ドイツでは最高裁が違憲判決になって、そして共同配慮という、まぁ同じなんですけれども、改正されてきて、もう30年前なんですね。ですからこの30年前の事をいくら議論してもね、各国はもうずっと経験している訳なんですよ、それをどうやって子どものために乗り越えるのかって言う事を実は調べなければいけないんじゃないだろうかと。そのためにはアメリカやカナダや、ヨーロッパではフランスやイタリアやドイツや、そういった中国や韓国もそうなんです。日本以外は全部ほとんど共同親権ですから、そういう他の国がどうやって乗り越えてきたのかと言う論点整理が必要なんであってね、各国の30年前の事を議論して、子どもの権利条約が一言もないような研究をしてもね、これは各国が子どもの権利条約を前提にして非難しているのに、ずれちゃっている訳ですよね。
次資料2をお見せしたいと思いますが、これは今年の7月、欧州議会が、賛成686票、反対1票、棄権8票で日本に対する非難決議が行われたものであります。2月にですね、フランスの上院議会で全会一致で避難決議が行われた。その時に質問させていただいたんです。これに対して対応をしないと、次もっと強いものが来ますよと。そしたら欧州本会議でこういう事になってしまった。で、この後どうなるかと言うと、昨日の本会議で山尾議員が、マグニッキー法と言う人権問題について仰っておられました。私もその議連に入っているんですが、制裁規定で考えられるのはビザとか資産凍結ですよ。考えられるのは、ビザのシェンゲン協定と言うのが、今協定されていて、ビザが免除されている訳ですけど、これが日本の国民に対しては欧州の旅行に対して、ビザが免除しないと言うような事も十分考えられるんですよね。次が必ず来る訳ですから。
この国連の勧告の時にも外務省が何か言ったのかと言ったら何も言わなかったらしいんですよね。何かね、日本は今こういう風にやっていますよと言うんだったらいいんですけど、無視なんですよ。2月のフランスの上院議会の時にも無視で、今回の7月の時にも恐らく無視なんです。こうやって無視していくと、どんどんどんどん、その圧力と言いますか、制裁が強まっていくと言う事になって全国民にも影響してくる訳ですから、法務省としては本当に真剣に考えていただきたい。特にですね、資料2で見ていただきますと、下から3行目なんですが、迅速に対処する必要があるというのは、子どもの連れ去り問題なんですね。これは子どもの権利条約があげられて、「全ての子どもは、子の利益に反するものでない限り、両方の親との関係や直接的な交流を維持する権利があるとされている」と言う事で、欧州議会は子どもの権利条約をあげながら、連れ去り問題を問題視していると。これヨーロッパにいる日本人の子どもは連れ去られない、要するに子どもの権利条約を守られているんですよね。ところが、日本にいる外国人の子は連れ去られたまま、放置されているから、これ怒るにきまっている訳ですよ。やっぱりこういったようなところも、ちょっとこう、法務大臣として、真剣に取り組んでいただかないと国際問題として、ここにも書いてあるように、国際ルールを守らないと、遵守していないように見受けられると言う事でありますので、是非ですね、これはしっかりと検討していただきたい。先程、大臣が申し上げられました民法766条には監護者の決定の次にね、面会及びその他の交流、その後に監護にようする費用の分担、養育費ですよ。面会交流の方が実は条文上先にあるんですよ。先にあるから優先されるという訳じゃないですよ。だけど平行して、車の両輪としてやっていかないと、一方だけどんどん進めていってしまうという事になれば、これはやっぱり国際問題としてどうなんだろうかと言う事を真剣に検討していただきたいと思います。
今日は所信に関してなので、この問題は続けさせていただきたいと思うんですが。
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