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モーツァルトの遺作は、私が解剖するしかないのか…(その10)

前回の続きが今回です。なんて論理的な前口上なのでしょう。「コンフターティス」の分析です。

前にざっとやってるのかな。あれを書き上げたときは少しばかり高揚感がありました。しかし数日を経て、さらに進化というか進展している今の自分が再度目を通すと、どんな分析をすることになるやら、こうやってタイプしながら不安がないでもないです。なにしろひとのあら捜し大好き人間なので数日前の自分にも容赦がない。のび太くんが数日前ののび太くんを「しっかりしろこのうすのろ!」と叱り倒すようないい味出していくことになるかもしれない。



以下、すべての ♪ に階名を書き込んでみると――


ここをコードネームで表わすと… うーん F△7 でしょうか。サブドミメジャーセヴンス和音。


ここは G7 かな。ひとつ前の拍で鳴る「F」がここでも残響しているから⑦の音ということで、ドミナントセヴンス和音。


ここは C つまりトニック和音で…


ここも C ですか。「F」の音も混ざるのが興味深いです。いわゆる藝大和声においては禁則とされる混ぜ合わせ。


ああやっぱり D7 か。現代的に見るとダブルドミナント。


E7 ですか、すると短調におけるドミナント和音。


Am っぽい。しかし⑤の音は避けられる。


Gdim(no E) ですね。いうまでもなく「ド♯」と「レ♭」は異名同音です。


ここまでの和声進行、こんな風です。

F△7 → G7 → C → C$${_4}$$ → D7 → E7 → Am → Gdim(no E)


この進行、実際に鍵盤で弾いてみると、なんか気持ちいいんですよ。F△7 → G7 → C は長調における王道の進行ですし D7 → E7 → Am は旋律的短音階の上昇それもドミナントセブンス二連発だから、馬がギアチェンジ加速してモーツァルトの短調は疾走する涙は追いつけなくなって、そこにさらに Gdim(no E) でアクセルの踏みが一時緩んで、この後もっとアクセル踏み込むぜって感じ。


この Gdim(no E) 和音の、とりわけここに注目です。「ソ」が「ド♯」(異名同音の「レ♭」)と増四度音程を形作っていますね。この音程が、もうちょっと後の小節で、「ラ」と「レ♯」のペアで再登場。(次回取り上げる)


詳しいことは次回説明するよ青木くん、ひかり109号は、さらに加速していくんだ…



つづく ⇩


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