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モーツァルトの遺作は、私が解剖するしかないのか…(その9)
「コンフターティス」分析続けるよ。前回は省いた、階名書き込み、今回やるのだ。
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一番下の段の デレレンレンレン、デレレンレンレン が途中で長調から短調に切り替わっています。
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この後も デレレンレンレン、デレレンレンレン が、こんな風に長調/短調のチェンジを繰り返しながら駆けていきます。
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すべての音符に階名を付けていくと…
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ああ、こうしてみるとどの和音にも⑦の音がないのですね。G7 と思い込んでいたのが正しくは G で、E7 と思っていたのも本当は E だ…
ぼくは才気がありすぎて少々先走る癖があるのだが、今回もそのようだワトソンくん。反省しないと――
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前回ぶんのおさらいも兼ねて和声進行を振り返ると…
C → Cm → G → Gm
→ D → Dm → A → Am
→ E → Em
全体として C ↗ D ↗ E つまり ド↗レ↗ミ と調がせり上がっていくようにできているのがわかるとおもいます。
馬がさらに加速していくかのように。
大発見!パッヘルベルのカノンと血縁?
この和声進行、根音を追っていくと…
C → G → D → A → E
五度進行やないですか。四度進行の連続なら「ラテン進行」といって定跡ですが、五度の連続進行についてはどうだったかな。
弾いてみると「パッヘルベルのカノン」っぽいかな。そのまま同じではなくて、重なるところがあるというところですが。
神童の技を見抜くのは天才のあかし
五度進行の連続のなかで、長調/短調のチェンジが繰り返される…
C → Cm → G → Gm → D → Dm → A → Am → E → Em
これに乗って、男性合唱(バス&テノール)が完全五度違いの音程で輪唱していく…
をを、神童の遺作分析、さらにつづく!
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