アインシュタイン論文(1916年)の日本語訳・試験運転中
[以下は私が「十年早すぎた論文」と称賛するところのアインシュタイン論文の日本語訳です。ドイツ語原文の英訳版をもとに、生成AIを使って試訳しました。「共振器」とあるのは「振動子」ですね。試験運転なので今は大目にみてちょ]
アルベルト・アインシュタイン - 量子論における放射の放出と吸収
(「Strahlungs-emission und -absorption nach der Quantentheorie」、『ドイツ物理学会の議事録』18巻、pp.318–323、1916年 - 1916年7月17日に受理。注:この短い論文は、より広く引用される「放射の量子論」として拡張されたが、ランダムな放射線崩壊法則におけるチャンスに関する重要な記述を含み、プランクの法則とボーアの第2法則の両方を導出している。
$${\epsilon_m - \epsilon_n = h\nu}$$
16年前、プランクが量子論を創始し、放射の公式を導出した際、彼は次のようなアプローチを取った。彼は、自ら発見した量子論的な基本原則に従い、共振器の平均エネルギー $${ \bar{E} }$$ を温度の関数として計算し、これを基に放射密度 $${ \rho }$$ を周波数 $${ \nu }$$ と温度の関数として求めた。彼は、電磁気学的考察に基づいて、放射密度と共振器エネルギー $${\bar{E} }$$ の関係式を導出することに成功した:
$$
\bar{E} = \frac{8 \pi \nu^2}{c^3} \rho \quad (1)
$$
この導出は比類のない大胆さであり、見事に確認された。放射の公式が適切であり、その中で計算された基本的な量子の値が確認されたのみならず、量子論的に計算された $${\bar{E}}$$ の値も後の比熱の研究によって検証された。このように、もともと電磁気学的な理由で見出された式(1)も確認された。しかし、(1)に至る電磁気学的・機械的解析が量子論とは矛盾している点は依然として不満足であった。このため、プランク自身やこの問題に取り組むすべての理論家は、矛盾のない基礎に基づく理論の修正を絶え間なく試みてきた。
ボーアのスペクトル理論が大きな成功を収めたことを鑑みると、量子論の基本的な考え方は維持されるべきであることはもはや疑いの余地がないように思われる。理論の統一性は、プランクが式(1)に至るために用いた電磁気学的・機械的な考察を、物質と放射線の相互作用に関する量子論的な考察に置き換える形で確立されなければならないと考えられる。この試みにおいて、私はその簡潔さと一般性において魅力的である次の考察に刺激を受けている。
§1. 放射場におけるプランク共振器
放射場における単色共振器の挙動は、古典論において簡単に理解できる。これは、ブラウン運動の理論で初めて使用された取り扱い方法を思い出すとよい。共振器のエネルギーを $${E}$$ とし、ある時点でのエネルギーから時間 $${\tau}$$ が経過した後のエネルギーを求める。ここで、$${\tau}$$ は共振器の振動周期に比べて十分大きいと仮定し、かつその期間中の $${E}$$ の変化が微小であると仮定する。二種類の変化が区別される。まず、放出によって引き起こされる変化
$$
\Delta_1 E = - \frac{A E}{\tau}
$$
があり、次に
$$
\Delta_2 E
$$
が共振器に対する電場による仕事によって引き起こされる変化である。この第二の変化は放射密度に依存し、「チャンス」に依存した値と符号を持つ。電磁気学的な統計的考察から、次の平均値関係が得られる:
$$
\langle \Delta_2 E \rangle = - B \rho \tau
$$
定数 $${A}$$ および $${B}$$ は既知の方法で計算できる。$${\Delta_1 E}$$ を放出された放射によるエネルギー変化、$${\Delta_2 E}$$ を入射した放射によるエネルギー変化と呼ぶ。 $${E}$$ の時間に依存しない平均値が多くの共振器にわたって一定であると仮定すると、次の関係が成り立つ:
$$
\langle E + \Delta_1 E + \Delta_2 E \rangle = \bar{E}
$$
または
$$
\bar{E} = - \frac{A}{B} \rho
$$
このように、電磁気学および機械学を用いて単色共振器に対する $${B}$$ と $${A}$$ を既知の方法で計算すれば、式(1)が得られる。次に、我々はこれに相当する考察を、量子論的基盤に基づき、放射と「分子」と呼びたい構造との相互作用に関して特別な仮定なしで行おうとする。
ここからが本題
Markdown という記法を使って、上の論文中で、数式を表示させています。
こんな風に。
以下は実際の表示。
$$
\bar{E} = - \frac{A}{B} \rho
$$
こういう特別な記法は、 ChatGPT にお願いすると自動的にやってくれるのですが――
インライン(文中)の数式については、人間が補正していかないといけないようです。
例えば画面上はこんな風に映っているものも…
実際にはこんな風に当ブログには入力されています ⇩
赤でマークした部分、私がこつこつ整えていったものです。
生成AIがやってくれるのは、以下のところまで(青でマーク)。
これを手作業で、赤マークしたように整えていきます。
これでようやく、皆さんがご覧になっている、こういう画面になってくれます ⇩
分かりやすい解説をめざして
これまでいろいろな名作論文を取り上げて、自分としては精一杯かみくだいて解読・解説してきました。しかし先日再読してみて、あまり分かりやすくないなーとひとり吐露してしまいました。
理由?いろいろ挙げられます。
そのひとつは、やはり原論文をとおしで掲載していないことです。
日本語訳ですね。それがないまま、あーだこーだと熱く語っても、読む側にすれば置いてきぼりです。
➀ 原文(かその英訳)を読み取る
② それを生成AIにコピペして再出力させる
③ 正しく出力されているかチェック
④ 日本語訳させる
⑤ 正しく訳されているかチェック
⑥ ブログへコピペするために Markdown記法で再出力
⑦ ブログに貼る
⑧ きれいに映るよう、手作業で整えていく
本当はもっといろいろ細かい作業がこれらのナンバーとナンバーのあいだにあります。
*
今回前半部分を紹介したアインシュタイン論文は、過去に取り上げて解読解説したものです。これを使って、もっと平明で論文も全文目を通せるような解説ができるか、やってみようと考えています。