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しつこく「アマデウス」を語る

有名な映画の、有名なシーン。この動画はどなたが作られたのか、解説用の楽譜付。前に貼ったことがあると思います。

こんな風に口述筆記させられたら私の耳と頭では途中でダウン必至。しかしアントニオは(一度はパニックに陥りつつも)付いてくる。

ウォルフガングが和音を指定するのですよ。トニックとドミナントだよって。これでアントニオが、ウォルフィーが口ずさむ旋律の和声的位置づけをつかみだす。

作り話と分かっていても、わくわくします。

二人の会話のなかには出てこない、増四度という隠し味。アントニオは鍵盤楽器をいっさい弾かないでそれを理解しているようです。
5:43 からウォルフィーが半ば心神喪失状態になって、曲の続きを歌い続ける。これを筆記は実際には無理。アントニオは書き留めていく。音楽の神様から砂金を授かっていくかのようのに…

減七和音が出てきます。ウォルフィーは指示していなくてもアントニオが理解して筆記している。脳内で音楽が鳴っているから。

「ラストエンペラーのテーマ」イントロ冒頭と、あの美しい旋律が無調っぽくなるところが、八音音階で構成されていることを作曲者は意識していなかったのを思い出します。この音階の発見は20世紀に入ってからですが減七和音を使いこなすひとなら体感で掴んでいたと思います。セバスチャン・バッハ等。

それから「スター・ウォーズ」一作目で、帝国軍の威圧感を音楽で描くとき、減七和音(の分散和音)が使われていますね。あの映画、短調を使わないよう、必死に避けながらサウンドトラックが書かれている気がしています。二作目からです短調を堂々と使い出すの。(♪て~いこっくわ~とっても~つ~よい~♪ のあの曲)

「アマデウス」は高校生のときから何度も何度も視聴してきました。おかげで英会話の教材として、そして音楽理論への関心のきっかけとして、私の血肉となっています。「ラストエンペラー」や「スター・ウォーズ」の音楽とも、思わぬ繋がりがあることに気づいては心がエキサイトするこの頃です。


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