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彼は「戦メリ」をどうやって作曲したのか?(その4)
その3からの続きです。
今回分析するのは、間奏部。
♪ ラソラソ、ラ、ラーソラソ、ラソファ
ミレミレ、ミ、ミーレミレ、ミファ
イントロで繰り返される「ミ ↘ レ」の動きが、ここで再登場しています。4度上の調で。つまり、上に並ぶ「ラソラソ」は4度上の調における「ミレミレ」なのです。
面白いですね「ミ ↘ レ」というたったひとつのモチーフに、転調をふりかけると、もうひとつ旋律フレーズが生まれてくるのだから。
作曲者は小学生のときにバッハの技法を教わってとても面白がったといいます。ひとつのモチーフが、いろいろ配置を変えながら繰り返し現れるのです。「戦メリ」にも同じものを感じるのですが、彼はさらに上手をいって4度上転調→元の調の流れで同じ音型を繰り返しています。
今回の分析はここまで。次回から和音の話をします。この曲のイントロ冒頭から現われ、主旋律冒頭でも現れ、そしてこの曲を締めくくる、ある一和音について、です。
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