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紙の上のスクリーンーー鳥取の映画館と「読む」メディア④ 『moimoi』
2023年1月30日(月)~2月5日(日)にかけて、Galleryそらにて開催する展覧会「見る場所を見る2」の第2部「紙の上のスクリーンーー鳥取の映画館と「読む」メディア」の解説文(会場に設置予定)を、5回に分けて掲載します。
前回(第3回)の記事は以下のリンクからお読みください。
また、展覧会の第1部「米子市内の映画館&レンタルビデオショップ史」の解説文は以下から読むことができます。
第1章「密集する劇場、度重なる火災」
第2章「最盛期の7館体制」
第3章「映画館の減少、スクリーン数の維持」
『moimoi』
◆『moimoi』
発行元:鳥取シネマ(2006年~現在)
調査状況:2010年5月のVol.2、2010年7月のVol.3までの発行を確認(Vol.1は欠号)
鳥取東映シネマは、2006(平成18)年11月に鳥取シネマに改称して、現在に至るまで営業を続けています。2010年になると当時の映画館スタッフによって『moimoi』という印刷物が発行されることになりました。三つ折りのコンパクトなサイズで、写真も数多く掲載されているため、非常に読みやすくなっています。
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ここでユニークな企画として挙げたいのが、「no movie no life 解体cinema書」(Vol.2)です。鳥取シネマの全貌を明らかにすることを目的としたコーナーで、配給会社からフィルムが送られてから上映に至るまでの流れが写真付きで詳しく掲載されています。日本でも2000年代中頃からデジタルシネマ(DCP)への移行が進みつつありましたが、2010(平成22)年当時の鳥取シネマではまだフィルム映写機でスクリーンに作品を投映していたことが分かります。
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他にも、最大300円の割引クーポンや、携帯・スマートフォンから読み取ることでブログに遷移できるQRコードなど、今までの印刷物にはない特徴がありました。ブログは不定期の更新でしたが、『moimoi』のウェブ版として機能していました。2023年1月現在、2009(平成21)年12月末から2011(平成23)年10月までの投稿が確認できます。リアルタイムの映画情報はもちろん、ブログ担当者による鳥取シネマスタッフの紹介コーナーもありました。
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『moimoi』が紙媒体として発行されていた期間やブログが活用されていた期間は短いものでしたが、そこには、映画館情報を発信するメディアがアナログからデジタルに転換していく時代の変化がありありと記録されています。