緊急事態宣言のインフレ
2021年4月末、3度目の緊急事態宣言が発令された。日本国民はもはや緊急事態だとは思っていないだろう。それは「緊急事態宣言のインフレ」が起こっているからに他ならない。
そもそもインフレとは、経済学の用語であり「物価が継続的に上昇する状態で、通貨の価値は下がる」という意味である。
経済学以外にもインフレはある(と思う)。
特急のインフレ。特急は「特別急行」だが、特別とは思えない頻度・スピードで運行されていて、特別じゃない急行が滅多にやってこないこともよくある。つまり特急のインフレで、もともと特別だったはずの特急の価値がとても下がっている。
ゼウスのインフレ。ここでいうゼウスとは一世を風靡したパズルアンドドラゴン(通称パズドラ)に出てくる初期の最強キャラである。リリースから数年は堂々たるラスボス的なキャラだったが、気がつけばゼウスを倒すダンジョンがたくさん出て簡単に倒せる雑魚キャラへと変貌を遂げた。これがゼウスのインフレ。
火災警報のインフレ。個人的なことだが高校時代に学校にあった火災警報器が故障し1ヶ月間に10回以上も鳴った。最初こそ生徒は真面目に避難をしたが、3度目にもなると誰もそのサイレンが鳴っても気にしなくなった。これが火災警報のインフレ。
このようにインフレはもともと価値が高かった存在が、さまざまな原因で大量に供給することで価値を下げる。人間は価値のあるもの・特別なものに最初こそ反応するが、すぐに慣れてしまうので大量に供給してしまうと特別じゃなくなってしまう。
まさに今回の緊急事態宣言はインフレが起こっている。もし3度目が明けて、さらにひどい第六波(もはや何波なのか覚えてすらないが)がきたら政府は何を出すのだろうか?
特別緊急事態宣言という名にしてさらにインフレを加速させるのか?はたまた価値のなくなった緊急事態宣言をゴリ押しするのか?
新型コロナウイルスの政府の対応をどうこういうつもりはない。危機的な状況が滅多に起こらない平和ボケの日本では誰が首相でも同じことが起こったと思うし、そもそも自分は選挙に行ってないので、何も言うつもりはない。
何が言いたいかというと、新入社員の自分が何でもかんでも飲み会に参加してしまうと、自分の価値が下がってしまうので、「本当に行きたい人以外とは行きたくありません。」ってことですね。飲み会に参加するインフレを起こしたくないのでね。