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あなたの隣に、わたしはいない。【純猥談風】

※浮気表現を含みます。苦手な方はブラウザバックを推奨します。









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世間はクリスマス。

浮かれたカップルや楽しそうな家族の姿を見ると、孤独感が一層増すように感じる。

チキンやケーキのボックスを持ち、いそいそと帰路に付く彼らを見ていると、誰も待っていない小さな自分の部屋に向かう足取りはどんどん重くなっていった。


キミは今頃、何をしているのだろうか。

…考えなくてもわかる。


キミは、彼女といるんだってこと。


わざとらしく付けられたキスマーク。

情事の最中には、たくさんの着信履歴。


そんなの、聞かなくたってわかる。

彼女だって、このことに気づいていないわけがない。


それでも、私は彼が好きだった。

愛おしく頭を撫でてくれるところも、熱っぽく求めてくるところも。

少し掠れた声で、大好きって囁いてくれたあの日から、私の心は彼に侵食されてしまった。


おかえりが返ってこない家に、一人寂しく帰る。

冷え切った室内に、自分の心も更に冷たくなっていく。


せめてものつもりで買ったチキンは、冷たくてなんの味もしなかった。

今頃、彼女と温かい家で、温かいチキンを頬張る彼の姿を想像したら、涙が止まらなくなってしまった。


ひとしきり泣いた私は、寒くなった心と身体を温めるのと、涙を洗い流すためにシャワーを浴びる。

お風呂から上がるころには、もうクリスマスが終わろうとしていた。



日付が変わる1分前。不意にスマホの画面が点灯する。


『今から行っていい?』


その一言だけで、嬉しくなってしまう自分を何度も呪う。

キミとクリスマスを過ごすような日が来るのは、やってくるのだろうか。


キミに返信するスマホの時計表示が、静かに26日の0:00に切り変わる。

私はまた、キミという毒に侵されていく。





※アイキャッチ画像は素敵なお写真をお借りしています。ありがとうございます。




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