見出し画像

Occupational Therapy(作業療法)のOccupationalを再考してみる。

「世界は言葉でできている」って思ってます。
つまり世の中の理は、その言葉の持つ意味からひも解くってプロセスが必要かなと。
作業療法士をしていると、この作業って言葉をよく考えます。
あとOccuupational TherapyのOccupationalもね。

ちょっと考えてみました。

Occupational Therapyの「Occupational」の意味を考える

「Occupational」は日本語に直訳すると「職業の」という意味ですが、「Occupational Therapy(作業療法)」で使われる場合、単なる職業という枠を超えた意味を持ちます。
この言葉が示すのは、「活動」や「役割」、さらには「個人にとって意味のある体験」そのものになるんですよね。

OccupyとOccupationの語源から見る広がり

「Occupy」と「Occupation」の語源をたどると、これらの言葉はラテン語の「occupare」に由来しているようです。
「occupare」は「oc(~に向かって)」と「capere(つかむ、取る)」を組み合わせた言葉で、「何かをつかみ取る」や「占有する」という意味を持つんですと。
この語源は、現代英語での「Occupy」と「Occupation」の使い方にも深く影響しているんですね。

たとえば、「Occupy」は具体的には物理的な空間を占めることを表しますが、そこから派生して、時間、心、注意など目に見えないものを「占める」という抽象的な意味も含むようになりました。
同様に、「Occupation」は「占領」や「占有」という意味に加えて、「職業」や「活動」といった人間の行動や役割を示す言葉として使われるようになったようです。

作業療法における占有の視点

そうなると作業療法の文脈では、「Occupy」という概念を「人が時間や空間、心をどのように占有するか」と捉え直すことが重要になるのかなと。
人は生活の中で多くの活動を通じて、自分自身の時間や環境、役割を占有しています。
これらの活動や役割は、その人の人生における価値観や意味を反映して、社会的なつながりを形成する重要な要素になりますからね。

例えば、リハビリテーションの場面では、クライアントが日常生活の中で「占有」している活動が再び可能になることを目指すことと解釈しなおせます。それは、食事や着替えといった基本的な生活動作かもしれませんし、趣味や仕事といった生きがいに関連する活動かもしれません。

占有から見る支援の可能性

Occupyの語源的な意味を深探すると、作業療法士が提供する支援の幅が広がります。たとえば、以下のような視点を考えることができます。

  • 時間の占有: クライアントが1日の中でどのように時間を使いたいかを支援する。

  • 心の占有: クライアントが何に関心を持ち、何を達成したいかを明確化する。

  • 空間の占有: クライアントが物理的な環境をどのように活用し、快適に生活できるかを考える。

作業療法士の役割は、クライアントがこれらの「占有」を取り戻し、再構築する手助けをすることにあります。
この視点は、リハビリテーションだけでなく、社会参加や地域づくりの場面でも応用可能になります。

作業って手段ですからね。。

「作業療法士の臨床では作業を中心に考えるべき」って言われます。それはもちろんそうです。でもこの場合の「作業」って手段になりますからね。もっとその作業の先にある目的へも視点を向ける必要があるんだと思うんです。


いいなと思ったら応援しよう!