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[韓国論文]韓国語学習者みんなのための学習用の韓国語外来語リストを作ろう



1.今使っている韓国語教材は正しく表記している?

時代の流れでどんどん新しく登場する言葉が外来語です。
外来語は新しい言葉であるので、外国語として学んでいる学習者にとっても教える教師側にとってもどのように勉強したり教えるべきなのか悩ましい単語です。
特に、学習者にとって外来語は意味がなんとなく分かっても、原語や自国での発音と紛らわしく、正しいつづりで書けるように覚えるのに苦労します。

今回は、教える側が統一した学習用の外来語リストを用意して、少しでも韓国語学習者の混乱を避けながら効果的に学べるようにしようとした研究を紹介します。

共有する報告書: イ・ソヨン「韓国語学習用‘標準外来語目録’選定のための研究」


2.海外学習者も視野に入れたリスト作成

報告書の筆者は、この研究の目的を韓国国内外の韓国語教材に載せるための体系的な学習用標準外来語目録選定に必要な基礎資料を作るところにあるとしています。
資料を作るために、すでに韓国国内外で出版されている韓国語教材に掲載されている外来語を分析していきます。

報告書では、次の3点を問題視しています。

  1. 教材に収録する外来語をどの基準で何を選んで入れるべきなのか、についた多様な研究が行われていない。

  2. レベルが高くなっている学習者のリクエストに教材が対応できていない

  3. 比較的に韓国語教育のための外来語研究が、韓国内外で活発に行われてこなかった。

韓国語教育用の外来語目録選定に関した先行研究を分析した結果、韓国外で編集された教材を分析した研究が無く、韓国内の教材を対象にした研究においても研究者ごとに選定された目録が異なることが明らかになりました。
また、これらの外来語目録には、昔ながらの韓国語表現に言い換えしたものが示されていませんでした。

報告書は、以上の問題意識から次の研究目標を立てました。

  1. 2000年以降に韓国内で編集された韓国語教材を対象に、外来語収録の現状を時期別、レベル別に分析して資料整理する。(2000年に韓国で大学用韓国語教材編纂が急増したため)

  2. 韓国内で作られた教材と同時期に作られた中国と日本で出版されている韓国語教材を分析して、韓国語外来語収録の現状を時期別、レベル別に整理して、表記の間違いを探す。

  3. 学位論文などの研究や報告書に収録された外来語目録や教育方案を分析してデータベースを作る。

韓国外の韓国語教材分析のために、相当数の比重を占めている日本と中国で出版された教材各20種を分析した結果、間違った外来語表記が収録されていたり同じ教材の中でも表記にブレがあったりすることが分かりました。
例えば、見つかった表記の間違いは次ようなものがありました。

1. サンプル 샘풀(×)→ 샘플(〇)
2. ロボット 로보트(×)→ 로봇(〇)
3. テレビ 테레비(×)→ 텔레비전(〇)
4. ワイシャツ 와이샤쓰(×)→ 와이셔츠(〇)
5. チョコレート 초코렛(×)→ 초콜릿(〇)

pp. 8-10

報告書の筆者は上記のようなことが起こるのは、韓国の外来語表記法の内容が熟知されておらず、この表記法に合わせるべきだと言う意識が不足してるためだと考察しました。

報告書では、これまでの分析資料から韓国語学習のための標準外来語目録で韓国語外来語を選定するときの基準を整理しました。

この研究は、外国語としての韓国語教育分野で外来語教育の研究が韓国外の資料へ幅が広がることが期待され、研究結果の教育的活用と教材開発活用方案が考えられる点で意義があります。
また、この研究結果で示された外来語目録を基に、韓国語レベル別で外来語の種類や分量が同一の範囲の目録で選別されて、韓国内外の韓国語教材が開発されることができるようになることを今後の展望としました。


3.一度覚えた単語を覚えなおさせないようにするために 

論文の筆者も言及しているように、韓国外の教材も分析して表記のエラーがあることを発見した点に研究の意義があると思います。
韓国語の外来語の表記は、現地の人の間でもズレがあり表記法の周知が徹底されていないようにも見えます。
今回抜粋された表記が違っている事例は、その教材が出版された国の言語の発音の影響を受けていたりその言語の外来語表記をハングルに書き直しただけのものもあります。

もし、学習者が日本などの自分の国でこのような教材で独学してから韓国に来たり現地の人とコミュニケーションをとるようになると、うまく伝わらなかったり覚え直さないといけなくなったりと学習者の負担になります。
韓国内の韓国語教育に関する研究は主に韓国内の教材を対象としていますが、韓国外の教材にも関心を向けて韓国内の教材開発と連携する必要性があるのではないでしょうか。

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資料

イ・ソヨン(2014)「韓国語学習用‘標準外来語目録’選定のための研究」『韓国研究財団』、NRF KRM(Korean Research Memory)
이소영(2014)「한국어 학습용 ‘표준 외래어 목록’ 선정을 위한 연구」『한국연구재단』, NRF KRM(Korean Research Memory).


私が今回読んだのは研究報告書の方ですが、同じ研究が2017年に論文として発表されています。

イ・ソヨン(2017)「韓国語学習用‘標準外来語目録’選定のための研究」『ヨンジュ語文』Vol.36、ヨンジュ語文学会、pp.239-276
이소영 (2017)「한국어 학습용 `표준 외래어 목록` 선정을 위한 연구」『영주어문』Vol.36, 영주어문학회, pp.239-276.

外来語に関する記事はこちら↓

↓偶然にもコロナ流行中に留学してきた時の話はこちらにまとめてます。↓


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