見出し画像

0121 おすすめ映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事 THE MOVIE』

1.はじめに

60分で最高の感動と興奮を味わえます。これはそういう作品なのです。DVDやBlu-rayを買ってほしいくらいの傑作映画なので、ネタバレする箇所は選びますが、ぜひ読んでいってください。

2.この作品のあらすじ

(あらすじ)
宇宙警察総裁ウィーバルの指令を受け、ゴーカイジャーを逮捕した宇宙刑事ギャバン。しかし、この指令はザンギャックの罠だった。ギャバンはゴーカイジャーを救おうとして、魔空空間へと引きずり込まれてしまう。ゴーカイジャーはギャバンを助けるため、突入したら二度と戻れないかもしれない魔空空間へ。果たして宇宙海賊たちは、ギャバンを無事に救出することができるのだろうか?そして、初めて明らかになるマーベラスの"原点"とは!?
(2012年1月全国劇場公開作品)

知らない人のために先に伝えておくと、この作品は『海賊戦隊ゴーカイジャー』の映画になります。彼らは35周年記念作品なので、戦隊ヒーローシリーズの「お祭り作品」なのです。例を挙げると、ウルトラマンメビウス、仮面ライダージオウが当てはまるでしょうか。とにかく、先輩全員が出てくる作品で、彼らの力を使いこなすことができる設定というところを理解していただければ大丈夫です。
対して、『宇宙刑事ギャバン』は1982年放映スタートした特撮ものと刑事ものを融合させた特撮ドラマになります。彼は「宇宙連邦警察」という架空の警察組織に属する刑事で、マクーという宇宙犯罪組織と戦っているという設定なのです。最終的に、ギャバンはマクーの首領である「ドン・ホラー」を倒し、その組織を壊滅させています。ここまで理解してもらえればこちらも大丈夫です。
なぜこんな長い説明をしたか?これを知っているか、知っていないかで、映画への感動がかなり変わってくるからです。

3.宇宙刑事ギャバンの感動ポイント

1.80年代の懐かしアクションを持ち込んでいること

最初の感動ポイントは、最初の戦闘シーンなのです。どういう経緯か説明すると長くなるので省きますが、ギャバンの動きが80年代とほぼ変わっていません。ですので、「ここにいるのは、間違いなくあのギャバンだ」とここで涙がほろりと流れます。
また、今回の敵は「ザンギャック」の怪人なのですが、なんとギャバンの偽物ロボット「ギャバン・ブートレグ」も立ちはだかります。
ギャバンは当初このブートレグに苦戦します。なぜなら、性能や能力をすべてコピーされているから。つまり、このままでは勝ち負けがつきません。これは特撮における偽物あるあるですね。
では、彼はブートレグに敗れたか?いいえ、とんでもない、勝ちましたよ。なぜだったと思いますか?新技を編み出した?それとも自爆覚悟の体当たり?いいえ、勝因はこのセリフに集約されているのです。

「ただ能力を複製しただけのブートレグが人間の心を持った俺に勝てるわけがない!」

いや、どんだけギャバンをかっこよくすれば気が済むんだよ!!と心拍数が一気に上がるほど興奮したセリフでした。

2.戦隊のきずなが敵の罠を打ち砕く展開

次は、あらすじに書かれた「魔空空間からの脱出シーン」ですね。なぜそれが感動的か?簡単に言うと、ギャバンは魔空空間に引きずり込まれた後、「魔空監獄」という場所に幽閉されるのです。ゴーカイジャーはその監獄から出る際にこのような離れ業を見せるのです。

「ほぼ同時に、床の場所のうち同じ場所を銃でぶち抜いて1個の穴を作る」

想像つかなさそうなので、わかりやすく言うと、「穴あけパンチ」を想像してください。4枚の紙を穴あけパンチにはさむと、4枚の紙から1つの穴を作ることができますよね?この紙を「魔空監獄の床」と想像してください。
では、問題です。あなたは穴あけパンチを使わずに手動で4枚の紙から1つの穴を作ることができますか?
しかも、連絡を取る余裕などないので、あなたは「(仲間)ならこの位置からこのタイミングで床をぶち抜けば穴になるはず」と推測しないといけません。

穴あけパンチで開けた穴のイメージ図

ゴーカイジャーはどうだったか?それをやってのけたのです。それだけではありません。魔空空間に突入する際に、ゴーカイジャーのリーダー(レッド枠)のマーベラスはひとりでそこに突入しようとしました。そこで仲間たちが「マーベラスの原点なら私たちの原点だ」と言ってのけ、脱出できないリスクを知りながらも彼と一緒に魔空空間に進んでくれるのです。彼らの絆を物語る涙腺崩壊ポイントですね。

3.ギャバンとマーベラスの絆

実は、このお話には一つだけ謎があるのです。それは何か?
「なぜ、宇宙海賊であり戦隊ヒーローのゴーカイジャーが、宇宙刑事であるギャバンを助けたのか」
これは見てのお楽しみですが、とにかく胸が熱くなり、涙なしには見られない展開が待っています。キーワードは「よろしく勇気」ですね。ちなみに、このキーワードの元ネタは『宇宙刑事ギャバン』という曲の歌詞から来ています。震えるほどかっこいいので、聞いてください。
それに、歌つながりだともう一ついいのがこの映画の主題歌『JUMP』です。サビで「Let's JUMP! 勇気に乾杯 Let's JUMP! 勇気をありがとう」という歌詞があります。この英語の部分、聞きようによっては「烈っちゃん」と聞こえるのですが、この「烈」という名前はギャバンが地球で活動していた時の名前なのです。つまり、「烈っちゃん(ギャバンのこと) 勇気に乾杯 烈っちゃん(ギャバン) 勇気をありがとう」という風にも聞こえるんですよね。計算された歌詞は最高の芸術と言えますね。

4.このお話は見てのお楽しみ

最後の最後で、80年代が一度は見て見たかっただろうサービスシーンがあります。もしその世代の親からギャバンを教えてもらった方がいれば、親孝行のつもりでレンタルビデオ屋に向かいましょう。

4.まとめ

個人的には傑作と感じた作品です。一つの大きな謎を解き明かしながら、巨大な敵の罠をぶち破り、敵を打ち倒す。こんなに抽象的だとありきたりに見えますが、「ギャバン」と「ゴーカイジャー」にしか出せない言葉や展開を組み込むことで、ファンの心をグッとつかんでいるのです。また、この映画には「仲間の絆」、「親子の語らい」、「勇気」という3つのテーマも用意されており、学ぶところも多い作品だと感じました。
ただ、ファンじゃないとわからない要素が多いので、特撮初心者がどれほどいるかわからないここに投下するには少し難易度の高い映画だと感じたのがこの作品の唯一の短所でしょうか。つまり、めっちゃ尖っているってことですね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?