見出し画像

0910 コナンの実写化について語る回(2006・2007年ver)

1.はじめに

こちらの記事はいくつかの注意点があります。

・Chat GPTから文言等の修正を受けながら執筆します。
・2006年、2007年のSPドラマのみを取り扱うため、それ以降のドラマの話はまだ出て来ません。

この2点をご了承いただける方はどうぞ続きを読んでください。

……金田一みたいに連続して書いているわけじゃないからこれだけだと不親切ですよね。ですので、2006年と2007年verのみを取り扱う理由をきちんと説明してから記事に入ろうと思います。

まず、前提として名探偵コナンの実写ドラマは5作品あります。
つまり、これをすべて取り扱うのは、『金田一少年の事件簿』の実写化作品のほぼすべてを取り扱うことと同義なので、一度に全部カバーするのは困難と判断しました。(厳密にはSPドラマも含めると8作品ありますが。)

ですので、今回は小栗旬さんが主演を務められた2作品に絞って話を進めていきたいと思います。そのため、今回では2007年以降に放送された溝端淳平さんverのドラマは取り扱いませんのでご了承ください。

これらのドラマでも、新作のトリックや魅力的な俳優さんなど、見どころがたくさんあります。まずはそこから話をしていきましょう。

2.各ドラマの見どころ

(1)工藤新一への挑戦状〜さよならまでの序章(プロローグ)〜

(概要データ)
2006年10月2日放送、SPドラマ。
『名探偵コナン』の前日譚として描かれているため、主人公は工藤新一。
工藤新一役は小栗旬さん、毛利蘭役は黒川智花さん。
2006年9月にドラマノベライズ作品を刊行。

(あらすじ)
新一の学校では、3日間の修学旅行の計画が進んでいた。その前日、新一の元に1通の挑戦状が送られる。そこには、「修学旅行中、クラスメートの誰かを誘拐する。もし、守れなかったら『高校生探偵』の名前を返上してもらう。」と書かれていた。そして当日、新一のクラスは遊覧船に乗って湖上クルージングをしていた。そんな中、激しい水音が響き、船上は大混乱になる。それと同時に園子の姿が消えていた。
(出典:Wikipedia)

概要説明だけで長くなりましたが、ここから見どころ解説に入ろうと思います。

見どころ1.キャスト陣の演技が光っていること

キャスト陣の演技が光っている点は、本作の最大の見どころの一つです。特に、毛利小五郎を演じた陣内孝則さんの再現度は見事でした。

あらすじには書かれなかった部分ですが、本作では園子が誘拐された後、蘭も姿を消します。この事件を知った小五郎が新一を殴りつけるシーンは、特に強烈な印象を残しました。

新一「おっちゃん…消えたのは蘭なんだ。」
小五郎「何い!?……新一、てめえ!(ここで殴る)…蘭を頼むって言っただろう!……言っただろうが!」

普段はのんだくれのダメ親父である小五郎ですが、身内が絡むと一転して感情を爆発させる「肝心な時にはやる男」です。陣内さんのこのシーンでの演技は、まさに目の前に小五郎が存在しているかのような迫力がありました。

本作は、陣内さん演じる小五郎と新一が共に犯人に立ち向かう構成になっています。
ですので、陣内さんの演技を楽しみに、本作をご覧になると満足すること間違いなしかと思います。

見どころ2.新作密室トリックが秀逸だったこと

新作密室トリックの秀逸さが、本作の大きな見どころの一つです。園子と蘭がそれぞれ姿を消した際、その両方が完全な密室で起きたことから、新一は「どのようなトリックで、犯人は二人を連れ去り、部屋を密室にしたのか」という前提で推理を始めます。しかし、新一はそれが解明できず迷走してしまいます。

そのとき、新一にヒントを与えたのが、姿を消した蘭でした。彼女がどのようにヒントを出したのかは伏せますが、それに気づいた新一との会話は、信頼と絆が凝縮されていたため、極めて感動的でした。

新一「気づいてやれなくてごめんな…これは、お前の精一杯のSOSだったんだな?」
蘭「違うよ…信じてるって合図だよ。来てくれるって、思ってた。」

このやり取りから分かるように、今回の密室トリックは、新一一人では解決不可能なものでした。そして、トリックを解くためのヒントは、新一と蘭の間に存在する特別な信頼関係にあったのです。これぞ「殺人ラブコメ」というコナンの作風に見事にマッチしたトリックだと感じました。

まとめ

このように魅力的な本作ですが、以下のような改善点も上げられます。

  1. 小栗旬さん演じる工藤新一像が原作よりも、大人すぎたこと。もともと新一は「頭のいいクソガキ」なので、事件を追う際の無邪気さや蘭ちゃんに対するヘタレな一面が彼の魅力でもあります。そのような少年っぽさがなかったことを物足りなく感じました。
    ですので、小栗旬さんは『ピアノソナタ月光殺人事件』以降の大人になったコナン(新一)のほうが似合っているかもしれません。

  2. 放送時間帯が夜だったこと。21時放送開始なので、生活習慣等を鑑みると、ターゲット層の子どもが生で見ることに障壁が上がる結果になってしまいました。
    ですので、夏休み特番などで昼や夕方ごろに放送していれば、もしかしたら人気が出ていたかもしれません。

この作品では、新一、蘭、小五郎の見事なチームワークで事件が解決されており、脚本自体も非常に魅力的な内容になっています。『名探偵コナン』では新一がコナンとして行動しているため、3人が揃って活躍するシーンは描かれにくいのが特徴です。そのため、こうした展開は貴重で、多くの方にぜひ見ていただきたい作品だと感じました。もし興味を持ってくださる方がいれば、このブログがきっかけとなり、コナンのドラマにも関心を持っていただけたら嬉しいです。

さて、次に取り上げるのは2007年に放送されたスペシャルドラマ『工藤新一の復活! 〜黒の組織との対決〜』です。こちらの作品もまた、小栗旬さんが主演を務め、さらに緊張感あふれる展開が魅力です。それでは、次のドラマの見どころや評価について、さらに詳しく見ていきましょう。

(2)工藤新一の復活! 〜黒の組織との対決(コンフロンティション)〜

(概要データ)
2007年12月17日放送、SPドラマ。
題名に『復活』とあるため、本作の主人公も工藤新一。
工藤新一役は小栗旬さん、毛利蘭役は黒川智花さん。
同月にドラマノベライズ作品を刊行。

(あらすじ)
コナンは蘭と阿笠博士と灰原と共に鈴木財閥の高級ホテルのオープニングセレモニーに招待された。だが、そこでミス・ジャパネスク受賞祝賀パーティーが行われる直前、ミス・ジャパネスクに輝いた寿かれん宛に脅迫状が届いた。そんな中、コナンと灰原の身体に異常が起こった。パーティーで出されたケーキには、パティシエのミスで必要以上のアルコールの成分が含まれており、それが作用してコナンは新一に、灰原は宮野志保に戻ったのだ。その後、セレモニーの休憩時間中にかれんが行方不明となったが、本番3分前に無事に見つかり、彼女によるピアノリサイタルが無事に始まったかのように見えた。だが、かれんの姿は操り人形のように宙吊りになり、胸にはナイフが突き刺さっていた。さらに突如糸が切れ、かれんはステージ上にたたきつけられ、会場は騒然となる。新一と志保は殺人事件の捜査を始めるが、彼らの背後には黒の組織の影が迫っていた。
(出典:Wikipedia)

知らない方のための概要説明。本作は『名探偵コナン』連載開始後の後日譚ですので、コナンが新一に戻ったところから話が始まる構成になっています。灰原哀が登場しているため、本編軸から考えるに彼女が初登場する18巻以降とお考えいただければと思います。本作も多くの見どころがあるため、個人的に重要なところを絞って解説していきたいと思います。

見どころ1.新一と蘭のかけあいが進化していたこと

前作と同様、本作でもキャラクターを実写に落とし込む際の再現度は高く、小栗旬さんが演じる少し大人になった新一役は、前作以上にキャラクターとマッチしていたと感じました。特に、黒川智花さん演じる蘭との掛け合いは、二人の間にある緊張感や感情の変化がしっかりと描かれており、見応えがありました。

新一「僕は……毛利探偵の助手です。」(ここで蘭にウィンクで合図)
蘭「え、ええ……本当に父の助手なんです。」

上記の会話は、カレンさんが姿を消した際に、名前を出すわけにはいかない新一が蘭とアイコンタクトを取って小五郎の助手を名乗るシーンです。この際の大人びた話し方はコナン後の新一らしいなと思い、紹介しました。(原作新一が作中で何回ウィンクしたかはひとまず置いておくとして。)
これ以外の蘭との掛け合いでも原作の『名探偵コナン』らしい微笑ましさがあり、ドラマならではの魅力を引き出しています。このように、キャラクター同士のやり取りが一段と進化し、前作以上に楽しめる部分が増えています。

見どころ2.時間制限式のシナリオになっていること

本作の見どころは、制限時間内に達成しなければならない数々のミッションが作中に登場する点です。コナンが新一の姿でいられるのはわずかな時間しかなく、その間に「殺人事件の解決」「誰にも見つからずにコナンの姿に戻る」「黒の組織の目をすり抜ける」といった難題に挑む必要があります。

このように、常に時間との戦いが強調されているため、観る者に緊張感を与える脚本に仕上がっています。視聴者がハラハラしながら次の展開を待つ感覚が、作品全体を通して強く感じられました。前作よりもストーリーのテンポや緊迫感が向上しており、最後まで目が離せない展開が続きます。

まとめ

前作と比較しても、本作の完成度は確実に向上していると感じました。前作の強みをしっかりと引き継ぎながら、さらにそれを強化する努力が見られ、個人的には本作の方が一層楽しめました。しかし、改善の余地がある点もいくつか存在します。

  1. 小説版に比べてトリックの数が不十分だったこと。ドラマ版では時間との戦いが強調され、アリバイトリックのみが採用されています。ですが、小説版ではこれに加え、凶器に仕掛けられたトリックも存在していました。伏線もしっかりと張られていたため、これが削られてしまったのは非常に惜しかったです。

  2. ジンとウォッカの演技から、恐怖感が十分に伝わってこなかったこと。ウォッカの小物感は良かったものの、ジンの表情や存在感にインパクトが欠けていたため、後半のアクションシーンでの緊張感がやや弱まってしまっていたように感じました。

このように、脚本の出来に対して放送時間やキャストが追い付いていないという弱点が露見してしまったのが本作の欠点と言えます。それでも、全体的には見応えのある作品に仕上がっており、このドラマを楽しめた方は、ぜひ小説版も手に取ってみてください。ドラマと同じ題名で、Amazonなどで入手可能です。

3.総括

小栗旬さん主演の『名探偵コナン』実写ドラマは、原作ファンにとっても新たな魅力を提供する作品です。原作に忠実でありながらも、実写化ならではのアプローチで、キャラクターやストーリーに新しい息吹を吹き込んでいます。特に、滅多に見られない新一の活躍が描かれる点は、ファンにとって貴重な体験となるでしょう。

とはいえ、やはりアニメの声優陣によるキャラクター表現が圧倒的にしっくりくるという点も否めません。山口勝平さんの新一、山崎和佳奈さんの蘭といった、アニメで培われた演技のクオリティは、ドラマでは完全に再現しきれない部分もあると感じました。ドラマがアニメに勝ることは難しいと感じつつも、実写版としての新しい魅力も確かに存在することを認識できる作品でした。

今回の記事が、これまで『名探偵コナン』のドラマに触れたことのない方にとって、興味を持つきっかけになれば幸いです。

この記事を読んでくださり、ありがとうございました。

4.おまけ(声優別おすすめ回の紹介)

先ほど、「山口勝平さんの演技」と「山崎和佳奈さんの演技」がすごいと言った件について。これに関しては、うまく説明できる自信がないので、以下の話をご覧いただくことを強く推奨します。百聞は一見にしかず、ですね。
ちなみに、選定基準は作画の好みです。コナンはS3(1999年)からS6(2001年)くらいの頃の作画が1番好きなんですよね。

(山口勝平さん部門のおすすめ回)
・S4第162話『空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件』
コナン前の新一くんが主人公です。ちょっと声が高く、蘭ちゃんとのかけ合いが完全に高校生のガキのノリで面白いです。
・S5第193話『命がけの復活 帰ってきた新一…』・第194話『命がけの復活 約束の場所』
コナン後の新一くんが出てきます。ま、「復活」て書いてあるからお察しか。こちらは声が低く、犯人にカマをかける狡猾さも身についてるので、大人っぽい探偵に徹してます。ですので、コナン以降の成長を感じました。その一方、クラスメートや蘭ちゃんの前での態度がガキっぽいところも面白いです。

(山崎和佳奈さん部門のおすすめ回)
・S3第96話『追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件』
正体バレ回パート2です。(パート1はS1第7話『月いちプレゼント脅迫事件』。こっちの蘭ちゃんも怖い。)
コナンくんを「この子新一なんじゃ…?」と疑っている不気味さと疑いが晴れたかのように晴れやかな表情をする可愛らしさのギャップが半端ないです。まさしく天真爛漫な切れ者って感じで好きです。
・S5第196話『見えない凶器 蘭の初推理』
蘭ちゃんがアニメオリジナル展開で事件を解決した話です。この回の見どころは、不安な表情を常に浮かべながらも、被害者を守るために犯人に挑む蘭ちゃんの姿が見れることです。何度も試行錯誤して不安になり、犯人を確信しててもまだ声が暗い蘭ちゃんの人となりを山崎さんが見事に演じられた回です。

以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集