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育休復帰。キャリアコンサルタント視点で振り返る【望まぬ仕事で手に入れたモノ】

育休復帰をしてもうすぐ1年。SNSには毎日のように「育休復帰不安」というハッシュタグを見かけ、わたしもそうだったな…と思い返し、キャリアコンサルタントの視点で、自らの育休復帰を振り返ってみることにしました。

1.育休で失うものが多いと思っていた

「役職、やりたい仕事」これはわたしが育休を取ったことで、手放さざるを得なかったモノ。育休明けに時短勤務になるにあたり、配属先変更、異動となり、責任者の立場から事務職になりました。

当時は悔しくて悲しくて、望んでいなかった異動に退職も考えましたが、今となっては「得たモノ・気付き」もたくさんあり、仕事復帰して良かったと感じています。

2.やりがい

「望んだ仕事を手放して望まない仕事を始めたら、自分の強みを見つけ、新たなやりがいを手に入れた!」

自分のしたい仕事ができること、これは多くの人にとって、大きな仕事のモチベーションだと思います。わたしもそうでした。

しかし、育休明けの異動により望まない仕事をしなくてはならなくなった時、わたしは仕事のやりがいだけでなく、自分のキャリアさえも見失いそうになりました。

新たなやりがいに気づいたのは、育休復帰をして半年ほどした頃。新たな仕事の中で「幾つかの仕事」を自分が気に入っていることに気づきました。新しい仕事に出会ったことで生まれた、新たな発見でした。

仕事を分かりやすくシンプル化すること、誰かのサポートにまわること、書類や書面をまとめること、マニュアルや指示書の作成、データの管理、…前の仕事ならきっと気づかなかっただろう自身の得意分野とやりがいに気づいたのです。

3.目標と評価

「自分にしかできない仕事をつくるのをやめて、誰にでも対応できるように仕事をアレンジしたら、自分の存在価値を得られた!」

この十数年、わたしは「自分にしかできない仕事を増やすことでこそ、自分の価値が生まれる」、「開拓こそ会社のレガシー(財産)だ」と思っていました。

しかし、時短勤務且つ新しい職場に来たばかりだど、自分にしかできない仕事をつくることは能力的に難しく、また、子育て中で急に休むことがあるため、自分にしかできない仕事というのはリスクが高すぎました。

そこで、自分の担当の仕事をシンプル化し、誰でも対応できるようにアレンジしました。それを増やしていくと、わたしの仕事だけでなく、他の人の仕事も円滑に回るようになりました。

会社には、道を切り開いていく人も必要ですが、切り開かれた道をみんなが歩けるように舗装していく人も必要です。今、わたしが会社に貢献できることがそれであり、仕事における自分の存在価値を再び感じられるようになりました。

4.定時に帰るという時間術

育休復帰において1番気をつけたのは、時間の使い方です。「定時には帰る!」この誓いを守れないなら辞めるしかないと思っていました。

定時に帰らないと、保育園のお迎えが間に合わないのです。絶対に定時には帰る!そのためにどうすべきかというのは本気で考えました。

常に80%の自分で働く

これは、サボりを推奨しているわけではなく、突然の依頼業務など予期せぬ仕事が舞い込んだ時のために、常に備えておくということです。

具体的には、仕事は締切3日前には絶対に終わらせるスケジュールで動き、気持ちはフラットに保っておきます。

身体の空き、能力の空き、気持ちの余裕、この3つを常に20%持っておくつもりで働きます。

②やりたい仕事は5分前まで

当たり前のことのようで、実はなかなかできないのがこれです。「定時になっちゃった。でももうちょっとこれをやりたいな、あと少しで終わりそうだからここまでやってしまおう…」これを完全に辞めました。

毎日、定時5分前に自分に一言。「今日の作業はここまで。明日と明後日のTO DOを確認しよう。」

作業は定時5分前で終了し、残りの時間は明日以降のスケジュール管理に費やします。

③見栄を張るのを辞めて素直に

「どうにか頑張ればできるかも…は、結果、誰かの迷惑になるから、不安ならすぐに言って」わたしが育休復帰した時、前任者に言われてショックを受けた言葉です。

保育園の呼び出しや急な休みを取るかもしれないワーキングママは、頑張ることすら求められていないのか…と。

しかし、実際仕事をはじめると、なるほどなと思い知らされました。自分が見栄や意地を張っていると、対処できないことが多いと気づいたからです。

頑張る姿勢は必要ですが、素直に周りに感謝して、サポートやフォローをお願いすることも大切です。子育てしながら仕事を続けたいのであれば、周りとの関係性を改める必要があるのかもしれませんね。

5.時間と気持ちの余裕

仕事に復帰したら、当然子どもと過ごす時間は減りました。初めは、子どもとの貴重な時間を削ってまで仕事をすべきなのか迷いもありました。

しかし、子どもがお友達をつくったり、新しい遊びを学んだり、様々な物を食べさせてもらったりと、親子生活だけでは得られない経験を積み重ねているのを見ていると、預けて良かったと思えるようになりました。

また、保育園では親の交友関係も広がり、子育てにおける大きな支えになっています。

最後に、仕事という自分のための時間が得られたことで、子どもに対する良い意味での気持ちの余裕ができました。

24時間、子どものことを考えて生活することは、とても幸せなことである一方、責任や不安も付き纏います。それから解放される時間があることは、新米ママのわたしには必要だったと思います。特に、お昼ごはんをゆっくり食べられることは忙しい毎日の中で大きな癒しになっています。

6.最後に

振り返ると、子育ても仕事も思い通りにいかなくて、泣いたり悩んだりを繰り返した育休復帰でした。ただ、人生でいちばん自分のキャリアを真剣に考えた1年でした。

人として、子として、妻として、母として、会社人として、「自分の意思や頑張りだけでは、どうにもならないことも世の中にはある」と知れたことは、人生で大きな意味があったと思います。


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