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40歳ワーママと小1の壁-フリーランスか社員か、わたしはこう決めた-
こちらの記事は、小1の壁を4ヶ月前に控えた40歳の地方在住ワーママがフルリモート転職を1ヶ月で完了させた"裏側公開noteシリーズ" のひとつです。
小1の壁を前にフリーランスと社員転職どちらが良いか悩んだ経緯と、最終的に”フルタイム正社員転職"に決めた理由を実体験をもとにまとめました。
4,000字程度ですので、8分前後でお読みいただけます。気になる項目だけ読み飛ばしていただいても構いません。
小1の壁と社員転職かフリーランスか
社員としてフルコミット転職するのか、フリーランスとして働く量をコントロールできる形をとるのか。この選択に悩んだ大きな理由は、子どもが4ヶ月後に小学校1年生になるタイミングだったから。
学童を利用するとはいえ、親類が近くにおらず頼れる人がいない状況に加えて小学校が少々遠いこともあり、親としてどのように生活スケジュールを組み立てるべきなのか、よくわからなかったのです。
また、わたし自身に不登校経験があり、我が子が「学校に行きたくない」と言ったとき、「どっちでも良いよ」と言ってあげられる親でいたい。この想いがフリーランスに揺れた理由でもありました。
結局、社員転職に着地したのですが、理由は「働き方」「ジェネラリスト」「40代」の3つの視点からフリーランスではない方が良いと感じたからです。
✳︎フリーランス転向でも社員転職でも、フルリモート以外は考えていなかったため、以下にでてくる話は全てフルリモート前提となっています。
フリーランスと働き方
まず、働き方について。
フリーランスは仕事を選ぶ自由はあるものの、仕事探しから稼働調整まで全て自分で都度行う必要があります。わたしの性格上ですが、社員として仕事を固定してしまった方が生活スタイルを組み立てやすく、仕事にも集中できそうだと結論づけました。
元々フリーランス経験があったので、4年ほど前にフリーランスとして働いていた時のことを思い出して整理しました。
【仕事内容】
・SEOライター
某ビジネスSNSオウンドメディアにて人事系記事構成作成及び執筆
・キャリアコンサルティング
提供会社に所属および自身でもサービス提供
・採用代行
採用関連の仕事を請け負い(戦略設計〜運用まで)
「仕事を取捨選択できる自由はあったが、一般的な社員以上の稼働時間だった月も多くあった。報酬を求めると、稼働時間はそれなりに増えるものである。」
これが振り返りです。稼働時間が増えた背景としては、仕事オファーが嬉しくて引き受けすぎたことが大きな要因なので、この辺りはもちろん自分次第と言えます。他にも次の3点が懸念に感じました。
・代わりがいないプレッシャー
業務委託だからこそクオリティや締切に言い訳はできない。助言を求める相手や自分の代わりがいない分、心理的負担は社員より大きいかもしれない。実際、夜中に必死でパソコンに向き合った日々もあった。
・即時で業務量調整はできない
請け負った仕事を途中で放棄できないため、業務完了するまではやり切るしかない。調整を申し出るにしても即時変更ではなくバッファが必要。複数の仕事を請け負う場合、自分にとって稼働量が適切かを定期的に振り返りをしながら調整・交渉をしなければならない。
・報酬を求めると稼働時間はふえる
単価をあげる戦略が必要なのはもちろんだけど、基本的には報酬は稼働量に比例しがち。新たな仕事オファーをチャンスと思って飛びつくのを繰り返しているとキャパオーバーになる。稼働量と収入計画のブラッシュアップが必要。
フリーランスとジェネラリスト
次に、ジェネラリストであるという視点。
わたしは職種横断が得意なマルチプレイヤータイプです。営業、人事、キャリア支援、事業立ち上げ、サービス開発…一般的な職種名では整理しきれない経験を積んできました。
自分の性格上、職種やポジションを固定することはあまり合わないと思っています。次のキャリアもジェネラリストを欲している会社やマルチタスクが活きる事業フェーズで働くことを考えたときに、社員の方がフィットしそうだと考えました。
わたしのフリーランスシミュレーションは次の通りです。
業務委託「タスクベース」を受けるフリーランスになった場合
・ライティング、採用面接官、キャリア支援など技能や技術を売る
・切り分けられた業務を遂行する「受動要素」強め
【ジェネラリストとしての懸念】
「この職種を極めたい」という思いが強くない中で、切り分けられた業務をタスクベースでこなすフリーランスになることは、単に"できることをやる"という消化試合になってしまわないか。数年後、その経験はわたしの糧になるのだろうか。
業務委託「ミッションベース」を受けるフリーランスになった場合
・BizDev、コンサルなど、事業を率いる総合力を売る
・課題が与えられてそれを解消する「能動要素」強め
【ジェネラリストとしての懸念】
タスクベースより価値発揮しやすいが、仕事領域の線引きが難しく、気づいたら社員レベルでコミットしてしまうパターンが容易にみえる。最初から社員コミットした方が動きやすいとも言える。
結論、タスクベースの業務委託はわたしのキャリア観と合わないので無し、ミッションベースの案件をやるなら業務委託ではなく社員の方が良いというまとめになりました。
フリーランスと40代
最後に年齢について。
正直、今わたしが30代半ばであればフリーランスを選んだかもしれません。しばらくタスクベースの業務委託を複数受けながら、小学校の新生活を整え、生活に慣れてから社員転職する方法もあったでしょう。
ただ、今40代に入っている自分が働き方のブレーキを踏むことは避けたいと考えました。
30代後半はスタートアップにて、フルスロットルで駆け抜けてきました。今ここで働き方を緩めてしまうと、そのまま気持ち的にコンフォートモードに入ってしまい、次にアクセルを踏もうと思った時は40代後半になっているかもしれないと思ったからです。
社員転職を決意するまでにやったこと
フリーランスより社員転職が良いと心から納得して結論づけられたのは、両方の可能性を残して仕事を探してみたからです。
実際に仕事を探してみることで、フリーランスとしての自分の価値や市場感を確認したり、今後のキャリアをリアルにシミュレーションができたことは良かったと思っています。
また、社員ポジションの面接時にある方(内定を受けた会社)に次のように言われたことも、社員転職を決心できた理由のひとつです。
「うちの子も小学校1年のとき、行き渋りで大変な時期があって…」と経験を語ってくださり、「子どものことをいちばんに考えたいのは当然なんだから、困ったらいつでも相談してください。働き方はその時の良いようにしたらよいですから。」と声をかけてくださいました。
起こるか起こらないかわからないことに対して、今先回りしすぎてブレーキを踏むのは勿体無い。起こった時に対処していけばよい。
その方はパパさんでいらっしゃったのですが、小学生生活の大変さを経験されていたたこともあり、子育ての先輩が転職先にいるという安心感も入社の後押しとなりました。
家庭内調整と転職先調整を両方やる
どのように働くか…雇用形態の選択は悩みますよね。働く時間はより短く、報酬はより高く。これは誰しもが望むことでしょう。
ただ、今回小1の壁を前にフリーランスなのか社員転職かを色々な角度から考えてみて思ったのは、その仕事をやりたいかどうか次第かなと。
フリーランスなのか社員なのか…というより、どのくらいその仕事がやりたいかによって、何を調整すべきなのかが変わります。
わたしも不安がないわけではありません。ただ、その仕事がたくさん求人を見た中でいちばんやりたいことだったから。やりたい仕事をやるために、どう生活面の折り合いをつけるか。そちらに頭を切り替えました。
お迎えはどうするのか、どうすれば生活スケジュールが成り立つのか。どこまで家庭内調整が可能で、何を転職先と交渉しなければならないのか。
夫から「やりたい仕事があるならフルタイムでもいいじゃん。どう生活を回すかは一緒に考えたらいいからさ。」と言われ、ハッとしたのもあります。
小1の壁って、家族で乗り越えるものじゃん…当たり前のことなのに、わたしはついひとりで抱えこんでいたなと反省しました。そして、子どもにもわたしの転職について話をして、これからの生活の変化について相談をしました。
小1の壁は、親と子どもと家族全員に関わること。家族みんなでプロジェクトにして乗り越えよう!そう考えると、肩の荷がおりました。
働き方は積極交渉する
卒園までの生活と小学校入学後の生活は大きく異なるため、転職先とは何度もお話しさせていただきました。
詳細は省きますが、わたしが納得できるかたちで最終的にご提示いただき、本当に感謝しかありません。
粘り強く交渉したのは、やりたい仕事だったから。「御社に入社したいが、働き方が物理的に合わなくて悩んでいる。」と、素直に伝えました。
条件面の交渉が怖いと感じられる方もいるかもしれませんが、提示された内容が合わなとき、希望も伝えず辞退してしまう方が勿体無いです。
前例があるかどうかは関係なく、権限のある方と丁寧にお話しすることで、条件変更してもらえることも少なくありません。入社前に希望を言えないような会社との関係性では、入社後はさらに苦労すると思っています。
しっかり希望を伝えることで、対等な関係を望む人であるという印象を与えることもできます。会社と良い関係を築きたいなら、恐れず交渉することが大事です。
最後に
今回わたしは社員転職を選択しましたが、誰しもにとって"フリーランス転向より社員転職が良い"ということではありません。人によって「優先したいこと」は異なります。
大事なのは、「自分の性格」「やりたいこと」「キャリアの方向性」を明確にした上で、家族と会話を重ねながら、納得のいく道を選択することです。
「自分のことよくわかりません…迷子です…」という方は、わたしの古巣「ミートキャリア」にご相談してみてくださいね。