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RPG視点で自己PRしたら転職がうまくいった話-ジェネラリストのキャリア戦略-

こちらの記事は、小1の壁を4ヶ月前に控えた40歳の地方在住ワーママがフルリモート転職を1ヶ月で完了させた"裏側公開noteシリーズ" のひとつです。

ジェネラリストのわたしが実践した自己PRの方法を、具体例とともに紹介しています。企業が求める人材像を正しく読み解き、効果的に自分をアピールする方法、参考になったら嬉しいです。

3,000字程度ですので、6分前後でお読みいただけます。


ジェネラリストの課題と強み


ジェネラリストの強みは、適応力と幅広いスキルセットです。チームやプロジェクトの状況に応じて、必要な役割を柔軟に担えるのが魅力です。しかし、その汎用性が「何が得意なのか分からない」という評価につながることもあります。

さらに、ジェネラリストの持つ「たくさんの強み」が、逆に足枷になるケースもあります。なぜなら、自己PRの際に「どの強みを見せればいいのか」を迷ってしまうからです。場合によっては、面接官に「何でもやってくれそうだ」と誤解され、本来希望しない業務を期待されるリスクもあります。

こちらの記事では、ジェネラリストのわたしが実行した自己PRのつくり方を具体例とともにお伝えします。

Step1.求人ポジションのヒアリング


まずやるべきことは、求人ポジションを正しく捉えることです。なぜ採用活動をしているのか、背景やチームの現状を理解することで、効果的な自己PRが作りやすくなります。

面談や面接で次の2点を確認しましょう。

1.採用背景と課題
・このポジションを採用したい理由は?
・採用により解決したい具体的な課題は?

2.チーム構成
・各メンバーの役割やバックグラウンドは?
・面接官が感じる今のチームに足りないと感じるものは?

応募者の中で優位に立つには、持っているスキルをただアピールするのではなく、チームに欠けている「ピース」を自分なら埋められるとプレゼンすることです。

人を採用したい背景には、「今のチーム(メンバー)では不足している何か」があるということです。それを正しく知ることが自己PRの第一歩です。

Step2.RPGに当てはめてみる


次に、採用の背景や組織体制をRPG(ロールプレイングゲーム)に例えて捉えてみましょう。企業が求める人材の解像度を高めることができます。

採用背景と課題=「魔王」

採用課題を倒すべき「魔王」と仮定しましょう。例えば、企業が「新規市場開拓の遅れ」や「競争力の不足」に直面しているとき、この課題が「魔王」になります。その問題を解決するために求人ポジションが設けられます。

例)企業の狙い:新市場開拓に精通した人材を採用し、競争力を強化したい

組織体制=「パーティ」

パーティとは、ゲーム内で一緒に冒険するキャラクターのグループのことです。各メンバーが異なる役割を持ち、課題解消に向き合います。

パーティメンバー
例)既存メンバーは…マーケティング担当、営業担当、技術担当
欠けているキャラクター
例)新市場に精通したプロジェクトマネージャー、戦略的思考ができるリーダー

この視点を持つことで、採用課題を解決するためにどのようなキャラクターが必要なのかが見えてきます。

Step3.欠けているキャラを3要素で考える


企業側が探しているのは、「今のチームに欠けているキャラクター」です。そのキャラクターを3つの要素(ピース)に分解して考えてみましょう。

ピースとは「スキル」「能力」「特性」です。スキルとは職能のこと、能力とは職種が変わっても活かせる強み、特性とは先天的な性格的特徴のことを指します。

この3つを統合すれば企業側の欲しい人材像が具体的になります。なお、ピースは求人に書かれている人材像ではなく、面接官や上長になる方が自分の言葉で語った「採用課題とそれを解消するために必要なチームに欠けたキャラクター」です。

・スキル=職能
採用課題を解決するために必要な技能・知識
他のメンバーより高いと尚良い
例:〇〇市場の解像度が高い、Webマーケティングスキル

・能力=職種が変わっても活かせる強み
他のメンバーが持っていないまたは苦手とする能力
例:リーダーシップ、分析思考

・特性=人柄
チームがより良くなるために必要な性格的特徴
例:熱量が高い社交的、物怖じしない性格

Step4.自己PRをつくる


3要素で言語化できれば、あとは自分が持つ強みと重なるものを自己PRとして言葉にしていけば完成します。構成は次の通りです。

1.企業の課題理解
採用背景やチームの現状を把握し、企業が直面している課題を正確に理解していることを伝えます。この段階で自分がその課題解決にどう貢献できるかを示す土台を作ります。

2.チームの強みと不足の認識
現メンバーの強みや役割を理解し、どのようなスキルや知識が不足しているのかを明確にすることで、自分がその穴を埋められることを強調します。

3.自分の強みのアピール
求められるスキル、能力、特性に合わせて自分の経験や成果を具体的に示し、どのようにチームの課題解決に貢献できるのかをアピールします。

4.結果を重視
自分の強みがどのようにチームに価値を加えるか、成果をどのように出せるかに焦点を当て、採用側に自分が結果を出せる人物だと印象付けます。

5.チームにフィットする特性の強調
必要な特性(リーダーシップや社交性など)をアピールし、チームにどんな良い影響を与えられるかを具体的に伝えます。

自己PRの例:

「御社は現在、新規市場開拓の遅れという課題に直面しているとお伺いしました。また、現メンバーの強みとしては、優れた営業力と確立された顧客基盤がありますが、未開拓市場における戦略的な知識やプロジェクトマネジメントの経験が不足しているとのことでした。

私は、これまでのキャリアで新規市場開拓に関する実績を積んできました。特に、未開拓市場でのキャンペーンを担当し、半年で市場シェアを20%拡大した経験があります。この経験により、競争力強化のための戦略を練り、効果的な施策を実行するスキルを培いました。御社の課題解決において、このスキルを活かせると確信しています。

また、私の強みは単なる専門知識にとどまらず、チームを統率するリーダーシップ能力です。クロスファンクショナルなチームで協力し、目標を達成した経験を活かし、貴社のチームをさらに強化できる自信があります。加えて、私は社交的な性格で物怖じせず、周囲との連携を大切にしながら柔軟に課題に対応することができます。この特性は、チームの課題解決に必要な要素だと考えています。」

注意すべきこと「使いたくない強み」の把握


ジェネラリストは多くの「強み」を持っていますが、すべての強みを使いたいわけではありません。「何でもできる」ことと「何でもやりたい」ことは違います。

たとえば、過去に経験があるスキルでも「もう使いたくない」と思うものがあるかもしれません。わたし自身、過去の業務で身につけた特定のスキルを「次のキャリアで使いたくない」と感じることがありました。

「使いたくない強み」が求められる求人に応募すると、採用後にミスマッチを感じてしまう可能性が高まります。転職活動中は、次の点を意識すると良いでしょう。

自分の強みの棚卸しを行い、次のキャリアで「使いたくない強み」を明確にする。求人票や面接の情報から、相手が求めているピースを見極める。

「使いたくない強み」を求められる場合は、身を引く勇気も必要です。

ジェネラリストが輝くために


ジェネラリストは多面的なスキルを持ち、様々な役割を担える存在です。しかし、その汎用性ゆえに「なんでも屋」的に扱われてしまうリスクもあります。

そのため、自分の持つスキルや経験を棚卸しし、使いたいものと使いたくないものを明確にすることが重要です。さらに、応募先のチームや組織をマクロ視点で捉え、必要とされる役割を的確に見極めましょう。

転職活動は「自分を選んでもらう場」ではなく、「相手と自分の相性を確認する場」です。ジェネラリストだからこそ、多様な強みの中から適切なものを選び出し、相手に示すことで、最適なキャリアを築いていけると良いですね。


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つきさん
▼40代ワーママのフルリモ転職記はこちら 〜1ヶ月で転職成功させた7つの秘密〜 https://note.com/1starmoon/n/nf7923590c8c5

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