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Posted Articles

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#認知

他人に教えると勉強がはかどる

他の人に教えるつもりで学習をするモチベーションが高く,効率的であるという趣旨の論文があったのでメモ(1)。 これまでの研究を見てみると,ちょっとした行動がテストの成績を変えてしまうことが分かっています。具体的な研究を挙げると以下のようなものがあります。 ・一夜漬けは記憶の定着が悪い(2) ・イメージを使うと記憶が増強します(3) ・記憶の検索は記憶の定着率を上げる(4) ・学習とテストの間隔を空けると記憶に定着する(分散学習,5) 今回紹介する論文は他の人に教えるつもり

情報を思い出すことで記憶に残る「検索練習」

小テストの回数を増やせば最終的なテストの点数が上がるとい趣旨の論文があったのでメモ(1)。 これまでの効率的な学習方法について検討した研究を見てみると,以下のような行動が記憶の定着率を上げ,テストの点数を上げることが分かっています。具体的な研究の例を挙げると以下の通りです。 ・学習と再学習,またはテストの間隔を設けることでよく記憶に定着する(分散学習,2) ・手を握ることで記憶力が高まる(3) ・絵を描くとよく覚えられる(4) ・他人に教えるつもりで学習すると頭に残る(5

眼鏡は頭が良い印象を与える

眼鏡をしている人の印象や魅力度について調べた論文があったのでメモ(1)。 読者の皆さんは眼鏡をかけていますでしょうか?縁がある・なしや色がさまざまで種類がたくさんあると思います。 私たちが周りから抱かれる印象や魅力度は髪型や服装,アクセサリーからも影響を受けることが分かっています(2)。具体的な例を挙げると以下のようなものがあります。 ・童顔の人は無垢で,頼りがいがないと思われる(3) ・ゆっくり歩く人は信頼できるという印象を抱く(4) ・相手の目を見て話すと,知的に見

手を握ると記憶力が増強する

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深い関与は援助行動を生み出す

深い関与はいざという時に人を動かすという趣旨の論文があったのでメモ(1)。 これまでの研究を見てみると,周りからの目線を感じるような場面ではt者に利益があるような利他的な行動を取る傾向があることが分かっています。具体的な例を挙げると以下のような研究があります。 ・神様の存在を意識すると利他的になる(2) ・学校にお化けがいることを知るとカンニングが減る(3) ・周りからの目線を感じるときちんと飲み物のお金を払う(4) しかし人間にはいざという時に,助けを求めている人を目

夜間の目撃証言は当てにならない

昼間と夜間の目撃証言の正確さについて調べた論文があったのでメモ(1)。 過去の研究を見ると犯人に関する目撃証言は現場の状況(e.g.犯人が凶器を持っていた)などで信頼性が大きく下がることが分かっています。具体的な例を挙げると以下のようなものがあります。 ・後から情報が追加されると,記憶が改ざんされる(事後情報効果,2) ・感情が強く喚起されると,感情の引き金となった対象の記憶は残るが,周辺の記憶の詳細は思い出しにくくなる(フラッシュバルブ記憶,3) ・犯行現場で犯人が凶器

驚いた顔は若く見える

表情によって同じ人物なのにもかかわらず年齢の推定が若く見えるという趣旨の論文があったのでメモ(1)。 これまでの研究を見てみると,笑顔は真顔の時よりも印象などの側面でプラスの効果が得られることが知られています。具体的例を出すと以下のようなものがあります。 ・笑っている顔は魅力度が高い(2) ・男性の笑顔は長期的な付き合いを想定した場合に魅力度が高くなる(3) ・笑っている顔は老けて見える(4) このように笑顔は主に人間関係において身体的な魅力度の向上などを引き起こす効果

凶器に注意が向くと他の記憶が曖昧になる「凶器注目効果」

ある特定の対象に注意が向くと,注意が向いていない他の対象の記憶が曖昧で,不正確になるという趣旨の論文を読んだのでメモ(1)。 記憶は写真のように不変のようなものではなく,時間の経過とともに変容し,後から提示された情報で作り替えられます(事後情報効果,2)。 記憶は時間経過だけでなく,喚起される感情の影響も強く受けます。過去の感情的な出来事の記憶について調べた研究では,感情を強く喚起される事柄は感情を抱かない中立な事柄より詳細で,明確な記憶が残ることを明らかにしています(フ