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私を二郎に連れってて、袋麺と直系中山店編。

「ラーメン二郎ってどんな味だろう?」
二郎系のラーメン豚山で食べたあと、改めて思った。

初心者には豚山が良い。それは納得。
良いタイミングで行けば混んでなくてマイペースで食べれるし、
麺の量も明記されてるしトッピングも分かりやすいし、店は綺麗だし店員さんは怖くない。

ただ、その利便性と引き換えになにかが足りない。
そんな気がして、次は直系のラーメン二郎に行こうと覚悟を決めたのだ。


コレはサッパリが信条の料理人が二郎に興味を持ち始めた記録である。


前回の記事はこちら。

唐突に(本当に唐突に!)二郎系のラーメンが気になって、自分でそれっぽい物を作ってみたり、初心者にオススメと噂の二郎系豚山へ行ったところまでが上記。

それからしばらく、このタイミングなら行ける!って日に限って定休日だったり、少し痩せたら行こうなんて考えたりしてて、気づけば一か月ほど経っていた。

いい加減に行かねばと思った矢先、
スーパーの袋麺コーナーで出会った。

・袋麺の二郎なんてのもいるのか。

流石はNISSIN
手広くやってはりますな~

40日間おいしいって凄い技術。

二郎では小盛りと言われる麺200gも、袋麵の中では大盛り。
つけ麺と二郎系はなぜあんなに麺が多いのだろうか。

お気に入りの小石原焼きの丼

でんっ!!

モヤシ7にキャベツ3、自家製の焼き豚をたっぷり、荒おろしニンニク、新生姜の刻み。

単純に生姜が好きなのもあるけど、たっぷりいれたの美味いな。合うな。

表示に従った茹で時間と湯の量。
はじめて食べる品はアレンジしないのがベター。

袋麺を作る時はたいてい感覚と味見でいい塩梅にできるのだけど、二郎系のは自分の思うラーメンスープの濃さとは別物なんで特にキッチリ計量すべし。

・完成!お味は?

なかなかサマになっているのでは?
モヤシ1袋使ったしヤサイマシって感じかな?

スープの味はけっこう丸い。
ただ、お湯を注いだ瞬間のニンニク香は袋麺では珍しい強烈さ。
塩気、甘味、どちらもほどほどでまろやか。
クリーミーな感じもある。

茹で時間は6分

麺は比較的細くストレート。
そりゃね、家庭用ですからね。

ごわごわではなく、つるりとしている。
つけ麺の太麺に近い。

背脂が別袋についてるので、ヤサイにかける。本格的。

生卵もあわせてみた。
コレ!気になってたのよ~~

最初はすき焼き的に食べる。
クリーミーまったりすぎる。美味いけど、きっとこれはもっと尖ったスープなら合うのだろう。

最後の方に卵を本体に投下して食べたら思い出した。
徳島ラーメンに近いんだな!!
仕事終わりに三茶で食べたなぁ~懐かしい味。

うむ!総じて美味かった!
そりゃ袋麺なりのアレコレはあるけど、それにしても家で食べれるのは利点が多い。

二郎系特有のロットとか、時間とか、ボリュームとか、ルールとか様々な物を関係なく食べれるのも、気分で追加トッピングできるのも家ラーメンの強みすぎる。
(家ラーメンって書くと家系みたいですね)

あの豚に近い物が手に入れば更にいいだろうなぁ~
それと、この1パックで2人前にしてってのもできると思うと二郎系の多様性が考えられますね。


・ついに!直系ラーメン次郎 中山

袋麵の二郎を食べた二日後、微妙な二日酔いで目覚める。
スナックで飲みすぎかな??

最近は飲みの〆に炭水化物を食べる機会が減ったので、朝は二日酔いと同時に空腹がくる。
これなら行けるかもな…‼

自転車にのって、自転車にのって、ちょいと二郎まで歩きたいのさ~
(高田渡を雑に引用)

土曜日、12時ちょいすぎ。
店は満席、前には二名の親子だけ。
意外と空いてて幸運。


店先で食券を買う前に店員さんに麺のサイズ、ラーメン/つけ麺、固さを聞かれる。
小、ラーメン、普通、と答える。

愛想のないぶっきらぼうな接客、これが直系二郎か!と実感。
現代日本であのスタイルの接客をしている飲食店はそう無いだろう。
接客も均一化されがちな昨今、あの独自の文化を維持できているのは店と客の距離感が良い塩梅だからかもしれない。


教訓Ⅰ 二郎に行くときは財布を確認してからいこう

食券を買おうと思い財布を覗くと万札か小銭しかない、焦った。マジで焦った。
もうサイズを伝えちまったし、両替は嫌がられるって聞いたことあるし、自販機も1000円札しか使えないし、、と一瞬で脳みそをフル回転し気づく。

あ!バッグに緊急用のお金あった気がする!!
で、千円札を見つけてなんとか食券を購入完了。
あ~~~一安心。気をつけようね。


呼ばれて着席。
端っこで、コールの最初の人になっちまったがなんとかこなせて安心。
ま、言ったのは「にんにく少なめ」だけなんでね。

お隣は店員さんと馴染みのラーメン屋さんっぽい人、ガチ勢が隣にいるのはペースの手本でありつつもプレッシャー。

有線では郷ひろみがA CHICHI A CHIと歌っていた。熱い食事が始まる予感。

!!キタ!!

いわゆる着丼ってやつだ。
”小ラーメン 豚二枚 にんにく少なめ”
意外に小盛りに見えるが、しっかりボリュームあるよ。
比喩じゃなくて、器が大きい。

まずはスープを一口。
ニンニクの味が出てなさそうな場所から。
麺のアルカリがスープに混ざると味の変化があるから。とその前の状態を味わう。

え??塩気濃すぎない!?!?
こういうもの!??

非乳化系ってホントに非乳化なんやね!
それでこの塩分濃度?強烈だわよ。。

で、ほじくると豚がでてくる。
前の記事で書いた豚山の豚が微妙な部位だったのか、二郎中山の質が高いのか、この日の肉が抜群だったのかは分からんがこれめっちゃウマかった!!
ムチムチでジューシー、上質なポルケッタみたい。
ただ、肉も塩が濃すぎる印象。肉汁がしょっぱいって経験あんま無い。
ヤサイを増したらちょうどいいのかなぁ~
うううむ。。

麺、美味かった~~
時間が経つにつれてワシワシからワシモチになる感じ。
ニョッキみたいだった。
麦特有の香りや甘さをここで感じるなんて。
スープの塩気との対比もあるかもしれんが、麺の美味しさが際立ってた。


豚、スープ、ヤサイ、麺、ニンニクが混ぜこぜになり、強烈な味わい。
時間の経過と共に野菜から水分がでて、麺がモチモチになり、ニンニクが溶けだして加熱されていく。
これらをガツガツと食べる。

有線では大黒摩季があなただけを見つめていると歌っていた。
愛のハイテンション‼


一種の酩酊状態なのかもしれない。
舌が脂をまとい、塩気にも慣れて強烈な旨味を感じる。

あの瞬間が癖になるのだろうと納得する。
気付けば食べきっていた。

約10分。
こんなに早くあの量を食べたのか。
お隣の三人衆は玄人っぽく、僕よりずいぶん早く出てたが、どうやったらあの量をあの速度で食べれるんだろう。

店を出る時にはポリリズムが流れていた。


直系の二郎。最初の一瞬だけ緊張したけど、注文さえちゃんとできたらOK
普通に食べきれた。
もっと噛んで味わいたい願望もあるが、ロット乱しといわれるのも怖いし、なによりゆっくりだと食べきれなくなりそうな怖さがある。

・返り味の逆バージョン?塩気について。

ただ、やっぱしスープが濃かった。
どう考えても濃かった。
この塩分濃度はスープじゃない、ソースか漬けダレだ。

江戸っ子が蕎麦を啜るように食べるのも試みたが、麺が太く噛み応えがあるのでスープは飲まないと美味しく食べれない。

豚山と比べて甘くないし、ほぼ乳化してないので、更に塩味をストレートに感じた。
豚の味が濃かったのも一因。
化調の濃さも、塩気も脂も旨味も爆発的で、これを食べ慣れたら昆布だしを楽しめなくなる予感がしたほどだ。


ラーメンの楽しみのひとつとして、水を飲んで舌を新しくして改めて味わう。
というのは定番だと思うが、
ここでそれをすると塩気に麻痺してやっと美味しさに辿り着いたのに、それをリセットするのか?となってしまう。

そう、美味しい!となるまでしばらく舌を濃さに慣れさせないといけないのだ。
それは日本料理の”返り味”の逆である。

吸い物は日本料理の中で、食べる人に季節感を教える重要なものですが、口をつけて吸った瞬間に味が分かるものではありません。
いったん胃袋に納まってから、ゆっくり脳に刺激が伝わり、再び口に戻ってきて「うまい」と感じるものなのです。
返り味とは、こういう味のことをいいます。

日本料理の真髄 24ページより引用


まぁ、現代の和食屋はそれなりに旨味がハッキリしているのだけど、それでもやっぱし飲み干したあとに美味しさがくるような設計になっている。
出汁、具、香り、どれも単体ではボンヤリしていても、合わさることで綺麗な調和をする。引き算と掛け算。

そして一般的なラーメンと言うのは一口目で美味いような設計になっているのが定番だ。
スープを一口でウマい!となり、麺や具と一緒に食べて足し算をしていく。
麺は別だが、具材は単体でも美味いことが多い。足し算と掛け算。
まぁ、一品料理だからその差はあるんだけどね。


だが、二郎に関してはまた別。
濃すぎて最初は美味しさを感じれない。なかった。
が、徐々に味覚が麻痺してきて、その塩気の先にある美味しさが分かるような感覚。うん。返り味の逆。

他に例えれる物がないか考えたが、梅干しは酸味だし、唐辛子は辛味だし、濃茶は苦味だし、、
強いて言うなら、そういうのの塩味バージョンに近い、かなぁ~


・どうやら他の店では?

どうやら中山店は塩気が濃いらしい。
それに非乳化の名店らしい。
それにそれに麺が少し細いらしい。

ので、きっと僕は乳化系の塩気薄めに行ったらもっと楽しめるだろう。

それと、生卵を合わせたりとか、ヤサイマシとか、薄めとか、自分なりの味わい方があるはずだ!!
ね!!

教訓Ⅱ 塩気に強くない人は対策をしていこう

しっかり調べて、行ってみよう。
あれ、まだ行くのか。もしかして俺ハマってる??
ふふふふふ、魔力あるねえ~

・食べ終えて。

相変わらず食べ終えたらリンゴジュースを飲む。
ミニストップでは300㎖弱のリンゴジュースが売っててちょうどいい。

にんにく類を食べた30分以内にリンゴジュースを飲むとリンゴポリフェノールが匂い成分とどうやらで、匂いを抑えてくれるそう。

これを飲み、ミントガムを噛み帰宅。
すぐに歯を徹底的に磨き、コーヒー牛乳で消臭。

多分、しっかり誤魔化せた。
けどいいじゃん、ニンニク臭いくらい気にすんなよ。と思う時もしばしば。
みんながみんな修行僧じゃねんだ。動物だもの。

・おまけ、最近のラーメン

前のnoteを書いてから謎にラーメンを食べる機会が増えた。
ので、備忘録として。

友人の誕生日を祝った帰り道。
豪雨に降られ二日酔いで深夜に友達と食べた久しぶりの家系ラーメン。
たまらん!!

小田原 風祭のラーメン屋 麺庵ちとせ

噂のラーメン屋にやっと行けた。
スッキリ淡麗。綺麗なラーメンだった。
豚の乳っぽさが癖になる。

菊の節句の次の日の家ラーメン。自由形。

ラーメンには茹で卵より、しっかり焼いた目玉焼きの方が良い場合もあるよね。

これは沖縄そば。
てびちと軟骨ソーキの茹で汁をベースにこさえたよ。
沖縄そば好きやけん、関東でも麺を買えるようにしてほしい。マジで。

懐かしいメンツで飲んだ後に後輩と二人で帰宅中に味噌ラーメンを。
三件目で食うラーメンたまらんのよね!!
美味かった~~

南こうせつラストサマーピクニックに行った帰り、なんだか店に振られ続けて、最終手段で地元も家系に。
5件ほど行けなくてストレスか疲れかなにかでごはんを山ほど食べてしまった。
家系のとこの豆板醤は独特で美味い。

二郎系に行ってから家系を軽く感じるようになってしまった。良いのか悪いのか。


・おわりに

なんだかラーメン好きみたいになっているな。
いや、好きには好きなのだが、僕はそこまで愛好家ってわけじゃない。
うどん、蕎麦、パスタ、の方が頻繁に食べるしなぁ~

ただ、次はしっかり乳化してる二郎に行きたいね。

関内に行くかな。オススメしてもらったけど凄い混むと聞いて怖くて行けんかったけど、二回目なら行けるはず!
レビューを読む限り味は濃すぎなそうだし、微乳化っぽいし、好きだろう。

あぁ、こうやってハマるのかなぁ。
なんてね。健康に、ほどほどに楽しもう。

つづく、かなぁ。かもね。


この夏はこればっか聴いてた、聴いてる。



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マツダミキヲ 料理人
最後まで読んでいただきありがとうございます。 どこまでも美味しい料理の為に使わせてもらいます。 リクエストあればぜひ!

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