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「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」を見たアラサーが風間くんに伝えたいこと
写真は公式HPから拝借しています
観てきました、
「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」
幼いころから劇場で観ていた、
ドラえもん
クレヨンしんちゃん
ポケモン
名探偵コナン…
この4作はいまだに劇場で観てます。
こじらせアラサーです、こんにちわ。
これらの中でも、
特に学びがあるのがクレヨンしんちゃん。
今回の作品も観る前から
「アッパレ(戦国大合戦)
モーレツ(オトナ帝国)
に並ぶいい作品だから観たほうが良い!」
と周りのこじらせアラサー仲間から言われていて
期待膨らませてタピオカミルクティー片手に
1人午前の映画館まで歩いていきました。
ここから先は完全にネタバレになるので
これから見る予定の方は迂回願います!
▼ 舞台は「天カス学園」
映画の舞台はタイトルにもなっている
「私立天下統一カスカベ学園」(略して天カス学園)
小中一貫性の全寮制エリート養成学校です。
5歳(年長さん)のカスカベ防衛隊の5人が
1週間の体験入学に向かう、という場面から始まります。
「え?しんちゃん小学校お受験するの?」
と思って最初から認識の差にビビったんですが
募集要項に「5人1組が条件」という記載があって
応募する際に風間君がカスカベ防衛隊のメンバーの
お名前を書いた、と言うことでした。
…良かった。(笑)
本当に内容は次世代。
AIが学園の中にバンバンいるし、
授業も先生ではなくAIが進行します。
学校生活の中で目指すものはまさに「エリート」。
勉学だけではなくスポーツ、芸術、芸能
何でもよいんだけど
何かに長けている「エリート」を養成します。
日々の生活で良い行いをすればポイントが付与され、
一定のポイント数を超えたエリートたちは
「天組」と言われるクラスに配属されます。
一方、特に秀でたところがなかったり、
残念な行いをしてしまって
ポイントがマイナスに達した生徒たちは
「カス組」と言われるクラスに配属されます。
いや、これは本当社会の縮図…、
と大人の私は思いましたがそれは置いておこう。
もちろんギャグ要素も結構入ってるので(?)
完売で満席の劇場内から笑い声がでることも。
個人的には番長の顔面と、
オニギリのマサには笑わされました。(笑)
▼ 「エリート」とは何か考える
前述の通りで、
学校の方針は「エリートを育てること」。
私も「エリート」は好きです。
じゃあ「エリート」ってなんだ?って考えました。
作中で「エリートって何?」と聞くしんのすけに
ヒロシがこう言います。
「エリートとはえりすぐりの人間で、
給料ガッポガポでモッテモテだ!」
いや、そう。そうですよね。
そういう人のことをエリートって言います。
いい大学出て、いい会社に勤めて、
年収は1000万以上くらいあって、
そういう人はまぎれもなくエリートですよね。
そう、私もそういう人が好きだ。
低学歴とか、
年収400万の人は恋愛対象にすらならない。
そんな大人に育てるために、
一番手っ取り早いのはポイントだ、ということで
学校ではポイント制を導入しているわけです。
例えば、学内では
ケンカは一番非効率的なことだと考えられ、
大きな減点の1つです。
一方テストで良い点を取ったり、
授業中に正解を導き出せたり
大会で良い成績を出したりすると加点されます。
ポイントが低いと給食は出てこず、
購買部に行ってパン争奪戦に参加、
一方1位だとスペシャルランチ(カニとか)が食べれます。
生徒たちは自ずと、
「カス組に行きたくない」
「エリートで居たい」という気持ちから、
人との関わりをあまり持たなかったり、
AIの前では率先して良い行いをしたりします。
要するに、
「一般的に良い」と言われる行為ばかりをする子
が学内には増えていくわけですよね。
あぁぁぁぁ…って感じでした。
あぁぁぁぁぁ…って感じです。(2回目)
わかる。
自分だけ変なことをしたくない、
落ちこぼれになりたくない、
だからいい子でいる、わかる。
わかるんだけど。わかるんだけど‥。
▼ 塾の先生をしていた時大切にしていたこと
突然ですが
私は大学1年生から大学4年生まで
都内のとある個別指導塾で塾の講師をしていました。
はじめた理由はもともと教職を取ろうと思っていたから、
なんだけど教職は大1の途中でやめた。
働いていた塾は全国展開している個別指導塾で、
ある程度教育方針とかも決まっていたけど、
私はその枠から飛び出しまくりの異端児だった(と思う)
そんな私ですが、
毎月100時間以上を塾に投じていた。
1週間の5~7日出勤は当然で、
夏休み・冬休み・春休みは1日8コマ(0830~2120)
授業とかもざらだった。
社会人の今より、よっぽど四苦八苦して働いた。
自分の合否より子どもたちの合否のほうが
一喜一憂していたと思う。
下は小学4年生、上は高校3年生。
見ていた科目は理科以外のすべて。
めいはこのキャラクターなので(どんな)
「この先生なら楽しく喋れそう!」と
いう思考をする子どもたちから
たくさん指名をいただき、
常に20人くらいの担当生徒がいて、
首が回らねぇとはこういうことだと思いました。
子どもたちの偏差値もピンからキリまで。
(中学受験をするとある小学6年生)
👩「消費税って今何%かな?」
👧「うーん…えっとね、100%…かな…」
👩「詐欺にあってしまえ!!!!!」
(中学受験をするとある小学6年生)
👧「ママが受験しろって言うから
私はやりたくないのに
塾に来させられてて本当最悪」
👩「今すぐ辞めてしまえ!!!」
(高校受験をするとある中学3年生)
👧「近所の高校行って適当な大学行って
適当に働いて結婚出来ればいいや!」
👩「それなら塾くんな!!!!!!!
ここタダじゃねえぞ!!!」
こんなん日常茶飯事でした。
個別指導塾に来るっていうのは、
集団塾では置いていかれたり、
合わなかったりする子。
さらにその中でも、
学校でうまくいっていない子だったり、
夜遊びしまくりな子だったり、
なぜか問題児(と言われる子)ばかりが
私を指名してくれて(なぜ)
約20名の生徒ほぼ全員カオスでした。←
そんな私が当時大事にしていたこと。
「どんなに偏差値が低くてもいいから
挨拶とお礼と謝罪ができる子になってほしい」
「誰かにやれと言われたからやっている、
という考えをする子にはなってほしくない」
「みんなと一緒は必ずしも正解じゃない」
この3つでした。
当時はがむしゃらにこの3つを
子どもたちに唱えまくっていたよ、偉そうに。
特に高3生なんて数個しか歳違わないのにね。
でもみんな真剣に話を聞いてくれていたし、
真剣に受け止めてくれていた(と思う)。
時に1コマの授業すべてを人間論みたいな話をして、
親御さんとも死ぬほど面談したりもした。
「え?結局じゃあ〇〇はどうしたいの?」
これ毎日のように生徒たちに言ってたなと思う。
時に一緒に泣いたり、
時に一緒に考えたり、
時に一緒に学校見学に行ったり、
時に本気で怒ったり。
誰かに何かをしてもらって当たり前だと
思うような人間になってほしくなかったし、
「〇〇と同じでいいや」と
自分の人生を決めてほしくなかったし、
自分ってすげえ、って思える人間になってほしかった。
たぶん私は、
勉強だけを教えている、というよりかは、
マインドを伝え続けていた、気がする。
4年間で担当した生徒は50人くらい。
こんな講師だったにもかかわらず、
全国で3000人くらいいる講師の中から
「成績向上優秀講師」というのに選ばれた。
そのからくりは、
子どもたちのメンタルを整えたら、
勝手に成績が上がっていったというものなんだけど、
その上げ幅が尋常じゃなくて、
オール3マイナス3~5が
オール5マイナス3~5くらいに
なぎのぼりで正直ビビった。
私が現役の時より賢い子もめっちゃいた。
いや、普通に私の大学より
いいとこ行った子たくさんいた。←
これらは全部、
私の功績でも何でもないんだけど
でも子どもってすごいよね。
そして今回のしんちゃん、
これがほとんど全部描かれていた。
そしてあるシーンで気づいた、
私はあの子たち全員に
心エリートになってほしかったのだと。
風間くんが4人の友達を紹介するシーンがあるんですが、
そこでしんちゃんをこんな風に称します。
「しんのすけはおバカでふざけてばかりだけど、
心がエリートです」
えーーーーーーー!!
これ額縁に入れて飾りたい言葉だ。
5歳で心エリートのしんのすけ、
君は必ずエリートになれるし、
そんな風に友達を称せる風間くん、
君も必ずエリートになれる。
私はそう確信しました(?)
▼ 「みんな一緒」は悪手だと思う
日本人はみんな一緒が好き、と言われますよね。
日本の教育は横並び手法だと私は思っています。
1個前の見出しを読んだ方ならわかるかもですが、
「みんな一緒」「誰かと一緒」は、
悪手だと私は思っています。
時に良い面もあると思うけど、
みんな一緒というのは永遠に続かない。
中学生くらいの子どもたちがよく言うのは
「自分だけ違うことをしていると目立つ。
ハブかれたりするのが嫌だ」
こんなことだった。
だから、近所の都立高校に行きたいし、
私立もみんなが受験するところにする。
かつてこんなことがあった。
18時30分~の授業にいつまでたっても
中学2年生の生徒が来なかった。
彼女の携帯にメールを入れても返事はなかったし、
お家に電話をかけても留守電。
授業が始まって30分くらいたった時、
息を切らして彼女が私のブースに来た。
「部活の帰りマックに行こうって言われて、
誘いを断れなかった。
塾があるからごめんって言えなくて
ごめんなさい、先生」
彼女に私はこう言いました。
「先生も中学生だった時があるから、
そういう場面はよくわかる。
でも塾って無料じゃない、ボランティアじゃない。
お父さんとお母さんががんばって働いて
もらったお金で通わせてもらってる。
時間は無限じゃない、
塾のコマも無限じゃない。
友達か塾か、こんなの比較できないのは分かる。
でも落ち着いて考えて。
「塾だからごめん」って言って、
明日仲間外れにしてくる子は、
あなたの一生の友達なのかな?
「先生ごめん」って言えたあなたは
友達に正直な気持ち言えないのかな?」
話し終わる頃には彼女は泣いていて、
なんかわからんけど私も泣いていました。()
そんな彼女は、
小中高大一貫の名門校に通っていたけど、
自分でこの環境にいるのはよくない、と考え
「高校受験をしたい」と言って、
死に物狂いでお勉強をして、
行きたかった都立進学校に進学し、
特技も伸ばしつつ、
素敵な友人に囲まれ、
行きたかったR大学に進学し、
素敵な会社に就職し、
とってもキラキラな日々を過ごしています。
彼女と今でもつながりがあるけど、
「先生のおかげで自分で考えることができるようになったよ!」
と言われたときはまじで全めいが泣きました。(笑)
私のおかげではない。確実に。
なのにそういう風に思えるあなたは心エリート!
「みんな一緒」って幸せなこともあるけど、
猛烈に残酷なこともある。
例えばそういう風に生きていると、
仲間外れにされたとき1人で立てなくなる。
1人で立てないって本当に辛い。
だから自分軸を持ってほしかった。
大人になると、「みんな一緒」ってありえない。
無情にも受験というものには合否がつきものだし、
大学になると就活の面倒は誰も見てくれない。
会社に入っても教えてくれるのは最初だけだし、
自分で考えられない人間ほど使えない人はいない。
そんな風にならないための準備をするのが
小学校だったり中学校であるべきだと私は思った。
そうしたら必然と
真正面から子どもたちとぶつからなきゃいけなくて
それを例えば35人のクラスの担任の先生になったとき
「出来るわけないだろ!」と思いました。
だから私は教育者にはならなかった。
いや、なれなかったんだね。
教職大1の途中で投げ出しているしね。
ということを映画の帰り道歩きながら思いました。
(話が壮大すぎてwww)
▼ 風間くんに伝えたいこと
風間くんは小学校お受験する。
だから、双葉幼稚園のみんなと
別々の小学校に進学することになる。
だからだから、
天カス学園の体験入学で良いポイントを取って
特待生になって、
5人で天カス学園に入学したかった。
そういう思いがあるから、
自由奔放なしんちゃんとぶつかっちゃうんですが
尊いよね、この気持ち。
ずっと一緒が良いのに、
バラバラになっちゃう。
きっと新天地では、
お互い新しい友達ができて、
疎遠になっちゃう。
いやだ。
わっかるぅ‥。
私も人生で一番泣いたのは小学校の卒業式だった。
(幼稚園じゃなくてごめん、風間くん)
式中、1人嗚咽しながら泣いてて、
うちの両親は引いていた。
私の小学校は1学年50人くらいしかいなくて、
まじで死ぬほど全員仲良かった。
男女ほぼ全員下の名前で呼び合っていたし、
男女問わず遊んでいた。
でも中学に上がるってなって、
15/50は中学受験してバラバラ。
残りの35/50も、
区内の中学校どこに進学するかは
当時それぞれ自由に選択できたからバラバラ。
何と言うか本当に散り散りだった。
それが本当に縁の切れ目のように感じたから、
私は嗚咽するほど泣いた。
私の両親は引いていた。(2回目)
きっと風間くんもそう思っているんだろう。
そんな風間くんに
気付けば風間くんより25歳も年上になった私から
伝えたいことがある。
本当に大切な友達は
学校がばらばらでも、
違う仕事についても、
同じ国にいなくても、
三十路になっても、
ずっとそばにいてくれるよ、ということ。
今でも小学校の同期はめちゃくちゃ仲良いよ。
東大いって国家公務員やってる子も、
結婚して子供がいる子も、
離婚して出戻りした子も、
ひきこもりやってる子も、
50通り様々な過ごし方をしているけど
それでもみんな今でもつながってる。
だから風間くん、大丈夫。
▼ 甘酸っぱい青春が心エリートを育てる
映画観てすぐ書いてるので、
超とりとめのない記事になっていますが()
最後にまとめます。
・学歴は大事
・収入も大事
でも心のほうが大事よね。
未来、産むかわかりませんけど
万が一子どもを産んだら、
心エリートな子になってくれるといいな。
きっと心がエリートだったら、
周りに素晴らしい何かのエリートが集まると思うから。
ケンカも失敗もたくさんして、
勉強ももちろんたくさんして、
自分のこと、相手のことを
考えられる子に育ってほしいなぁ。
そういうのをきっと青春と呼ぶんだろうね。
作中でも
「子どもたちにとって無駄なことは一つもない」
というセリフがありますがその通りだと思う。
全部全部が学びなんじゃないかなって思う。
そしてそういう日々が甘酸っぱい青春で、
心エリートを育てるんじゃないかなって思う。
そうやって考えられる子供が増えたら、
この国はもっともっとよくなりそうだ!
(相変わらず話が壮大www)
ちなみに私が1番良いセリフ~と思ったのは、
しんちゃんがチシオちゃんに言うセリフ。
チ「はぁしんちゃんに弱音吐いちゃった」
し「いっぱい吐いたほうがいいぞ!」
チ「え?」
し「父ちゃんが弱音と二日酔いは
吐いたら楽になるって言ってたぞ!」
ヒロシ安定だわ…。
ヒロシとミサエはあんまり登場しないけど、
随時いいこと言って登場してくれる。
パパとママがあんなこと言ってくれたら、
子どもは胸張って生きれるよ。
詳細気になったら是非、映画館へ!!!
(途中から書くの疲れてきたのでは?
って探らないでください。←)
ちなみに最初に、
「モーレツやアッパレと並ぶ名作!と聞いた」
と書きましたが、実際に観て
「本作はモーレツやアッパレとは全く違う視点の作品だ!」
とめいは思いました。
子どもが大事にしているものを
大人が俯瞰してみているような感じかな?
そんなところも感じながら観てみても
楽しめるかなって思いました。
以上、6200文字にわたるレビューでした(長)
(作中の主題歌はまさかの知り合いのバンドです
もしよかったら聞いてみてね)