40歳にして裸一貫での〇〇を体験した
肩書も経験も、何もない状態で「こんな記事を書かせてください」と印刷した企画書と、ペラペラの名刺を片手に目標の店舗に飛び込んだ。
それが学生や若者なら、眩しく目を細めてくれる人もいるかもしれないが、私は40歳の普通の主婦だ。
店舗のサービスカウンターで店長さんをお願いする姿は、ただのクレーマーにしか見えず、眩しくもなんともない。
そんな飛び込み営業をした理由は、今企画している「となりのプロから」というプロの方への取材を元に、記事を書くためである。
その取材対象として考えていた店舗に、企業名などは伏せて掲載する予定ではあるが、万に一つでも企業名を公表して記事を書かせてもらればという提案をした。
本来の取材というのは、公式に店舗名や個人名を載せて記事にするのが基本だと思う。それができないのに取材と呼んでいいのか、わからなかったからだ。
そもそも記事にしたいと思った理由は2つある。
第一に対象店舗において、専門的な知識を持つ店員さんの存在があまり知られていないこと。
第二に幅広い商品の中からお客様のニーズを理解し、提案するという店のスタンスが世間にはあまり宣伝されておらず、その特徴も昔ながらの口コミだけを頼りにしている点だった。
大きなお世話な話だが、このままではネットショップとの価格競争で大きく負けてしまう気さえする。
そこでお店のためにも新たな顧客を呼びこむメリットがあり、お店の良さを知らない人たちに「あのお店はこんなサービス力があったんだ!」と知ってもらえるような記事にしたいと思ったのがきっかけだ。
しかし、当たり前だが店舗側からの答えは「個人ブログに好きに書いても結構ですが、名前の公表はしないでください」ということだった。
企画書や名刺を渡すような場面など、もちろんない(笑)
そりゃそうだろう。
企画書にいくら「貴社の強みをもっと宣伝しましょう!その力になれるかわかりませんが、記事を書かせてください」と訴えたところで、迷惑な飛び込みの広告営業のようなもの。店舗の店長さんには、得体のしれない客でしかない。
この提案はそれを必要としている人にしか響かないし、まして決定権のある人に伝わらなければ意味がない。
「いい大人が、常識もなく恥ずかしいことをしちゃったな」と思ったが、初めて企画書(提案書)のようなものを作り、名刺のようなものを印刷し、飛び込んだのは、人生初だった。
まさに裸一貫での営業とは、このことかと思った(笑)
それでも少し救われたことがある。
それは店長さんに話をする前に、取材したいと思っていた店員さんに、客として訪れたときに詳しい説明をしてもらったお礼と、今回お店に来た経緯を説明した時だった。
企画書にある内容を簡単に話で伝えたところ、その店員さんは「このお店が他の店舗とは違う点や、どこに力を入れているのか」を改めて語ってくれた。
そして「記事にしてもっと多くの人に知ってもらいたい」という私の話を「うんうん」と熱心に聞いてくれたことである。
店長さんにこそ、伝えることができなかった詳細を、その店員さんにだけは伝えられたことが嬉しかった。
私が商品購入時に店員さんから聞いた情報は、取材とは言えない情報だが、さらに必要な情報を集め、
「となりのプロから」シリーズとして「知られざるホームセンターのコンシェルジュ」というタイトルで書こうと思っている。
そして今回の経験は自分が何者でもないからこそ、できた経験だと思う。
恥ずかしい経験も、したことがあるかないかで度胸も変わる気がする。
フリーランスというのは、自分でぶつかっていかなきゃどうしたら成功するかもわからない。
まだ能力が足りないし、どう動くべきなのかもわからない、どこまでできるかもわからない。
でも、考えてばかりでは何も変わらないので、勉強しながら、これからも何かとっかかりを見つけたら行動を起こし続けようと思う。
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