キャンプに行きたい理由by少数派
我が家は駆け出しキャンパーだ。
だからキャンプのことを、とやかく言う資格はない。
テントは今年買ったし、4年前からキャンプには6回ほど行っているが、今年に入るまでは、キャンプ場のテントを借りたり、バンガローに泊まっていた。
テント以外の道具も、少しづつ揃えていった。
キャンプ道具は乗用車に積めるだけ
ちなみにうちの車は、乗用車でコンパクトカーのマツダデミオだ。
ソロキャンパー以外で、なかなか小さな車がキャンプ場に駐車しているのを見かけない。
たまたまこの車を結婚前に買って、まだ乗れるから乗っているだけだが、ファミリーキャンパーでコンパクトカーは少数派だと思う。
コンパクトカーに入る荷物しか積めないので、購入したテントはなんとなくタープっぽい屋根が入口部分にあるものにしたが、今後もタープを買う予定はないし、これ以上車に物は積めない。
そんな最低限の道具と食料ですら、車内は「となりのトトロ」の冒頭のサツキ達の引越しのシーンのように、荷物の間からようやく顔を出せる状態で車は出発する。
そして、家族の誰一人座席のリクライニングも、足も伸ばせない状態で、キャンプ場へ向かう。
本当なら足が伸ばせるスペースや、動画やテレビが見れたら子どもも快適なのだろうと思うが、わざわざ付けようとも思わないので諦めてもらっている。
ひとりっ子キャンパー
我が家は一人っ子なので、子供にとって家族だけのキャンプは、親のテント設営、ごはん支度や後片付けの時間は、最高に暇なのだそうだ。
確かに自分の子供時代のキャンプは2人姉妹だったし、大抵が親戚や親の友人の子供が一緒で、子供一人のキャンプなんて経験がない。
親しか居ないキャンプなど、想像しただけで、つまらないことはよく理解できる。
それでもキャンプに行くのは、親が行きたいのと、子供がそこで遊び相手を見つける確率に賭けているからである。
実際娘の場合、キャンプに限らずどこか遊び場に出かけると、物心ついた時から、その場で遊び相手を見つけるタイプだった。
娘はとにかく遊び相手を欲しているので、相手の受け入れ態勢さえ整っていれば、何時間でも仲良く遊ぶことが多い。
しかも年齢が離れていても、気さえ合えば良いようで7歳になった今も、2歳の子が相手でも、それはそれで楽しそうに何時間も遊ぶ。
小学校でも、クラスの女子全員とは友達になった!と一方的に思いこむほど、人と仲良くなろうとする積極性があるように思う。
前回のキャンプでは、これといった遊び相手を見つけられなかったため、娘は今回のキャンプを少し嫌がったが、小川のあるキャンプ場だったので川で遊べるよと伝えると、今回も着いてきてくれた。
動物的な感覚で仲良くなる子供たち
その川遊びで、娘は何グループかの子供たちと、川の中で遊んだり、交流していた。
残念ながら、一人っ子は我が家だけで(これに関しても少数派だと思う)娘のように遊び相手を探している子はいなかった。
しかし、娘は一番に遊びたいと思うグループに対して、さりげなく川以外でも一緒に遊びたい雰囲気を出して、辛抱強く近くでその子達が遊ぶのを見ていた。
そして、こちらが気付いた時にはグループに加わっていた。
そのアプローチが実に自然で、無理やり入る感じもなく、相手のグループの受け入れ態勢を感じてから正式に加わり、その後は食事と眠る時間以外は、「あそぼー!」と、その子たちのテント周辺で遊んでいた。
さすがにそのグループの親御さんたちには、川で出会った時におしゃべりはしたものの、都度顔を出しては「すいません、随分仲間に入れてもらってますが、ご迷惑じゃないですか?」と何度も声をかけた。
娘は親御さん方とも上手に交流するようで、大人の話を聞いて、面白い冗談には大笑いしたり、食べ物は自分の家の物しか食べず、食べていいよとお菓子などをもらう時には、頂いていいのか逐一こっちまで聞きに来ていた。
それは、キャンプだからこそできる家の垣根を超えた交流。
親まではさすがに別グループにお邪魔はしないが、子供はそれが可能だし、それこそいろんな出会いがあって楽しい。
どの子ども達、どんな家族なら仲間に入れてもらえそうかも何となく判断しているようで、絶対入れないなと思うような家族には自然と入っていかない。
娘に今回のキャンプはどうだった?と聞くと案の定「最高に楽しかった」という返事だった。
不可抗力な出会い
一緒に遊んでくれた子たちは、娘より1歳上の学年の男の子たちだったが、魚やエビ、カエルの取り方を教えてくれた。
夜と早朝にカブトムシやクワガタも沢山見つけて、最後には1匹娘に譲ってくれた。
娘の周りの友達には、まだあまりいないタイプの昔からいるような川遊びが大好きな男の子達で、娘もすっかりカエルを手づかみし、100円ショップの小さなカゴでも魚やエビを器用に取れるようになった。
個人的に感じるキャンプの良さと言えば、やはり日常にはない出会いだと思う。
キャンプは自然とも、人とも出会いがある。
キャンプは準備も後片付けも大変だけど、だからまた行きたくなる。
友達親子と行く時は他の家族と交流することは稀だが、自分達だけで行くキャンプは娘にとっては本当に行ってみないとわからない場所で、いいなと思った子ども達と仲良くなるチャンスを逃さない野生さも磨かれている。
キャンプにはテーマパークとは違い、時に思いもよらぬ出会いがある。
アクシデントが起きることも、つまらない時もある。
でも行くまではどんなことがあるか決してわからない。
娘も遊び相手が見つからない時もあるし、幸運にも見つかる時もある。
そういうどうなるかわからない楽しさが、またキャンプに行きたい理由だと思う。
これからもそんな1日として同じ日のないキャンプを楽しめたらと思う。