人手が足りない。でも人材は余る?そして人手も余る。
人手が足りない
この言葉を耳にするようになったのはコロナ以降だっただろうか。
特にアメリカの飲食店で店員が不足し、時給3000円、といったニュースを目にしてから円安が進み、日本では考えられないような人件費になっていったのは記憶に新しい。
日本でもアルバイトに人が集まらないといった問題が起こり、堀江貴文さんによれば、若い人たちの「儲け方」に変化があったのではないかとのこと。
SNS全盛期の今、時給1000円程度では費用対効果が悪いと考えるのはその通りだと思う。
このままの状況が続けば、時給1000円のような仕事にはAIやロボットが導入されていくのは間違いないだろう。
この状況が顕著になるのはまだ少し先だと予測している。
確かに韓国のスターバックスでは人手不足解消のためにロボットを導入したというニュースもある。
さらに無人店舗を拡大させようとする企業も増え始めている。2024年に行われた楽天カンファレンスでも、無人店舗についての展開情報が発信されていた。
しかし、まだ完全に人手が不足しているわけではないことや、AIの精度、ロボットへの初期投資費の問題などもあり、すぐに導入されるという動きではないと考えている。
その前に起こる現象として、人材余りがあるだろう。
人材が余る
この現象はすでに起こっているのはないだろうか。そして多くの人が何となくでも恐怖心として見て見ぬふりをしている問題かもしれない。
この状態が作り出される最大の要因は、人工知能、AIである。
ある方はXでこんなツイートをされていた。
知り合いのグラフィックデザイナーは、1年も前にこう言った。
「今まで外注していた背景画像は生成AIで作っている。」
これまで人間にしかできなかったし、時間も手間もかかる「スキル」がどんどん奪われ始めているのだ。
こんな情報もある。
人手不足、よりも人材余りの方が早く社会に大きな影響を与え始めていると感じている。
この影響は、個人個人の仕事にも影響するが、一番大きな影響を受けるのは、人材サービス(人材紹介・人材派遣)を主とする業態だろう。
人材が余るということは、転職が激減するはずだからだ。
さらにYouTubeやテレビ広告でも目にするようになったが、大手人材サービス会社は、人材紹介にAIを導入し、その会社自体の人材の必要性を失わそうと動いている。
今の転職市場はかなり活発化しているようだが、AIが進化すればするほど、人材の移動はなくなり、どこの企業も人材ではなく人手を募集するようになるだろう。
その時に、人材だった人たちが人手として働けるか、プライドや生き方を問われるのかもしれない。
そしてその後、すぐに人手も余り始める。
だからこそ、今から「人」だからこそ生み出せる価値について議論し、それを生み出すための挑戦や実験を続けていきたいと考えている。