20180425社説から見る現代日本
おはようございます。
本日のオススメは毎日の「海賊版サイトの緊急遮断 それでも不透明感が残る」です。
法整備を経ない超法規的措置は、政府による恣意的な政策の実行を助長しかねないと思っています。
そのためにも、国会を空転させることなく、必要な法整備を迅速に行えるよう与野党は責任を果たすべきです。
以下、毎日社説からの引用です。
「この問題は、著作権を守ることと、「通信の秘密」の保護のどちらを優先するかが問われている。
対策の必要性を認めるとしても、政府の対応には不透明感が残る。
まず、今回の要請が法に基づいたものではないことだ。サイトの遮断は日本では児童ポルノに対してのみ認められ、2011年から実施されている。当時は、危難を避けるためのやむを得ない行為は罰しないという刑法の「緊急避難」規定を援用する解釈が採用された。人権侵害の大きさに配慮したものだ。
この議論の際、著作権についても検討されたが、財産権は被害回復の可能性があるとして、緊急避難の適用には至らなかった。政府が今回、緊急避難を適用し得ると解釈を変えたのは、当時の検討と整合しない。
さらに、専門家など第三者の議論を経ずに、政府内の判断だけで遮断対象を決めたのも問題だ。政府の恣意(しい)的な判断で不都合なサイトを遮断できてしまうという疑念が出る。これでは検閲に通じかねない。
議論が分かれる接続の遮断以外に方法はなかったのか。海賊版サイトはネット広告が収入源だ。たとえば、広告規制は重要な論点のはずだ。
欧州などの42カ国が著作権を侵害するサイトの遮断を行っているが、法律に基づいている。現状に見合った法整備を進めるべきだろう。」
<社説一覧>
日経:証券決済短縮を市場の魅力向上に生かせ/学校の部活は地域が受け皿に
http://www.nikkei.com/news/editorial/
読売:G7外相会合 対「北」圧力維持で結束示した/海賊版サイト 接続遮断はやむを得ぬ措置だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
産経:福田次官の辞任 うみ出し切る機会失った/徴用工像 韓国政府の責任で阻止を
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html
毎日:G7外相会合の共同声明 不安定要因に共同対処を/海賊版サイトの緊急遮断 それでも不透明感が残る
https://mainichi.jp/editorial/
朝日:福田次官辞任 「女性が輝く」の惨状/医師偏在対策 医療界は責任の自覚を
http://www.asahi.com/news/editorial.html