『GO』小説と映画どっちもいいね
小説を読んでから映画を観ると、ザンネンって思うことないですか?
でも、この作品は、どっちもいいのですよ。
2000年に発刊された小説『GO』は、直木三十五賞、通称、直木賞を受賞。翌年には映画化され、映画賞を総ナメしていたそうです。
そんな有名な作品を今まで知りませんでした。こんな良い作品をスルーして生きてきたなんて…。でも、小説とDVDを続けて見ることができたのはラッキーとしか言いようがありません。多くの人に知ってほしいです。
実はこの本を読もうと思ったのは、音声配信のドングリFMの中で何度か話題に出てきたから。20年前に読んで観て、今も「良い!」となんども言ってるので、これは観るしかないでしょ。
映画はキャストが見事にはまっています。
僕 杉原 … 窪塚洋介
彼女 桜井 … 柴咲コウ
僕の父 … 山崎努
小説を書いた金城一紀さんは、映画を観る前は「小説の方がいいでしょ」と言いたかったみたいですが、「これを観せられたら…」と映画の良さを認めていたとか。
どっちも良いのですが、映画が良いのは元となった素晴らしい小説があったからこそのこと。何と言っても原作が良いに決まってます。が、映画も本当に良いんです。キャストがはまっているし、クドカンの脚本は小説の核や言葉を大切にしているなと伝わってきました。
名前って何?
バラと呼んでいる花を
別の名前にしてみても美しい香りはそのまま
ー『ロミオとジュリエット』シェイクスピア
このシェイクスピアの引用からはじまります。
僕(主人公)の恋愛の物語なのですが、
国籍による差別、偏見、諦めや小さな希望が表現されています。
私は、無知でした。
なんにも知らずにのほのんと暮らしてきました。
私は、日本では人種差別は無いと思っていました。
ホント、おめでたいですよね。
特に小説は、私のように、在日と言われる朝鮮や韓国のことを知らない人にも読んでほしいです。
小説の中には、映画や音楽や小説がたくさんでてきます。なのでついついネットで調べました。
例えば、ジャズの『Us Three(アス・スリー)』うんうん、カッコいい。
例えば、その2。「その詩を、ここには記さない」と書かれていて、逆に知りたくなったのがラングストン・ヒューズの詩集『助言』。あえて下記に書いておきます。
みんな、云っとくがな、
生まれるってな、つらいし
死ぬってな、みすぼらしいよ
だから、掴まえろよ
ちっとばかし 愛するってのを
その間にな。
この詩を、わざわざ小説の中には書いていないんです。調べた人だけ、元々知っている人だけ意味がわかるというところも面白い。
映画の中で、小説と違うけど、ここ良いな〜と思ったシーンは、柴咲コウ演じる桜井が、道路の白線を裸足で歩き続けるところ。自由奔放で可愛らしくてすごくよかった。男子は惚れちゃうよね。
もうとっくの昔に多くの人が読んで観ている作品とは思いますが、まだの人におすすめです。
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