未来の予測と先入観
みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事や学びをサポートしている工藤です。
変化の激しい時代と叫ばれて久しい昨今、将来の予測がますます難しくなっています。
2019年に出版されたこちらの書籍。
イラスト&図解でわかるDX(デジタル・トラスンスフォーメーション)/兼安暁、彩流社
副題は「デジタル技術で爆発的に成長する産業、破壊される産業」です。
デジタル・トランスフォーメーションの入門書としてもわかりやすい内容となっていますが、副題の通り未来予測についての本でもあります。
本書の中に、未来学者として知られる(私は知りませんでしたが…)レイ・カーツワイル氏の未来予測が掲載されています。
その内容をいくつか抜粋してみます。
【2020~2021年】
・5Gネットワークが世界中の携帯電話に10~100GBの通信スピードを解放する
・AIベースの医療診断とセラピーの助言が、米国の主要な医療機関で利用される
・空飛ぶクルマの運転が世界の中のいくつかの都市で離陸する
【2022~2023年】
・合法的に全米を自動運転車によって移動できるようになる
・子どものおもちゃは、すべて機械学習が組み込まれた”スマート”おもちゃになる
・ロボットは、中産階級の家庭に当たり前のように設置され、唇の動きや顔、口、手のジェスチャーをかなりの精度を持って理解できるようになる
・ロボットは、受付案内係や店舗アシスタント、事務員として十分に役立つくらいにヒトと交流できるくらいの会話の文脈を理解する
【2024~2025年】
・最初の有人火星探査機が火星の表面に打ち上げられる
・1日に1千万機のドローンが飛んでいる
・ドローンは、定期的に荷物を配達する
・電気自動車(EV)が、新車販売の半分を占める
・炭素排出量がはっきりとピークを越えたことが世界中で見えるようになる
…(中略)
【2034~2035年】
・多くの超困難な問題(例えば癌や貧困)は解決した
【2036~2037年】
・長寿治療は、ルーティン的に可能で生命保険約款によって保障される、人間の平均寿命を30~40年延長する
レイ・カーツワイル氏の未来予測的中率は、書籍の中では86%と記載されていました(根拠は分かりません)。
私は基本的に未来は予測できないと考えるスタンスなので、この予測も斜めに構えて見てしまいがちです。
例えば2020~2021年の「空飛ぶクルマの運転が世界の中のいくつかの都市で離陸する」。
いや、早々にこの予測は実現されていないのでは、と思い調べてみました。
すると…。
タイムリーに2021年7月1日に「空飛ぶクルマ飛行試験成功」というニュースが報道されていました。
それでも私は「もはやこれは飛行機なのでは…」と思ってしまいましたが(笑)、確かに予測が当たっていました。
これだけで予測全体の正当性が高まるわけではないにしても、何でもNOと先入観を持つ必要はないのかもしれません。
未来は予測できないとただ思考停止するのではなく、妄想に近いとしても、将来についてあれこれ思いを巡らせるのは悪いことではないのかな…と思うようになりました。
個人的には、2034~2035年の「多くの超困難な問題(例えば癌や貧困)は解決した」について、実現を期待しています。
それまでこの記憶が定かであれば…。