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こんな日曜日

朝早く体調不良を訴える妻。
「熱あるかも~ぅぅぅ」
あらら、確かに熱いわ。

幸いその日は彼女にとって連休初日。
特に予定もなかったはずなので、そのまま寝かせておくことに。

近くのスーパーは朝9時にオープン。
1000mlのポカリスエット、  500mlの甘くないスポーツドリンクを買う。デカすぎるポカリはぬるくなり、後々、飲むのが嫌になる。

元気な人たちの朝食はトースト。

アプリコットジャム、クリームチーズ、蜂蜜、黒胡椒、アイスコーヒーとオレンジジュース。あとはレタスとトマトくらい。具合の悪い妻が優先のため
今朝のオムレツは無しである。

次女を起こし、朝食を取らせる。

「むくり。」

寝起きの髪の毛が『博士!実験失敗です』の様相。これが遺伝か、私にそっくりだ。かわいそうにね。トーストに対する選択はクリームチーズ+蜂蜜+黒胡椒。独特のプレイスタイルでオーディエンスを魅了する彼女の伝説はまだ始まったばかりだ(?)


ぷしゅーッ!

電子ジャーを開ける「やぁ!」昨日の居残りのご飯がいた。最近の炊飯器は優秀すぎる。時間が経過しても美味しいままだ。だが無視してお粥にする。

ご飯を一度水で洗い、ショウガを粗みじんにする。鍋に水、ご飯を入れ火にかける。しばらくして浮いてくるとろっとした上澄みを何度か捨てる。ごま油を数滴、ショウガを投入し、塩、鶏がらスープを少々。ちなみにご飯はかなり少ない。水分過多。いやスープが沢山。

米が割れ、スープと一体化するまで焦げ付かないようにフツフツさせる。小皿に昨日の残りのビビンバの具、5種類のナムルは味付けが濃いめなので薄味のお粥に合う。これで上海徐家匯スタイルの中華粥の完成だ。正式なものかというともちろん違う。中華に真偽や正確性を求めているうちはまだまだヒヨっ子といえるだろう。


おかゆだけでよいのでは?

彼女は風邪でも美味しいものを食べたい(食べられる)ので、のどの調子が悪いとき以外は基本普通に食べる。あまりナメた病人食を出すと熱を帯びた弱々しい声でクレームをつけてくるぞ。
それはそれで可愛いのだけれど。


おかゆを出すのは

夫「今日は甘やかすからね」

という無言の表明であり、おかゆを受け入れることによって

妻「今日は寝てていいんだ」

という免罪符を得たようなもの。それが我が家の暗黙のルール。空気の入替をして、給水させ、朝食を置いておく。しばらく様子をみることにした。

昼過ぎになり、食器を下げに行くメイド役

冷蔵庫にリンゴが2つ。病人=フルーツは安直で素人の考えだ。切っただけのリンゴは女王に対する不敬罪とみなされてしまうので、例のリンゴを作ることにした。

フライパンにバター、切ったリンゴを並べてじっくり焼く。砂糖、シナモンを加え、リンゴが黄金色で透明度30%(当社比)になったら粗熱を取り、
冷蔵庫でひやしんす。

バニラアイスがないけど我慢してもらうことにしよう。

予期せぬリンゴや、大量のリンゴが発生したときに出番が来る調理法でメンバーによって呼び方が異なる。『焼きリンゴ』『しなもんりんご』『アップルパイの中身』など、口々にリクエストするスイーツである。作り方は簡単なのに誰も作ろうとしないのは何故か。

リンゴもペロリと食べてしまう彼女は、夕飯にはおかゆに加えて『鶏もも肉ほりにしスパイスソテー皮はパリパリです』を平らげてしまう。一口大に切ってあげていたとはいえ、熱があるとは思えない食欲。だけど、いつもよりちょっとだけ口数が少ない。

ちょっとだけね。

うん。

「うぅ…鶏肉が美味しかった。ついでにコンビニでアイスを買ってきて欲しい」というだけの余力は残しているようだ。一体、なんの「次いで」なのかよくわからなかったが、ついでにコンビニまで走った。


おわり

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