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受賞報告をしたら妬まれて悩む人の話
私は小説やエッセイを書いていますが、別のジャンルでも首をつっこんだりする雑食性の人間です。さて過日顔見知り程度の人に愚痴を言われました。Bさんとします。Bさんは私より年長の女性で、某ジャンルの仲間と月に一度顔をあわせて、自作を発表したりしてわきあいあいと楽しんでいました。私のようにネット上でのみ交流するタイプではなく、同じ趣味仲間と実際に顔をあわせて活動する旧式創作愛好家タイプです。
さて、このBさん、とある賞を射止めました。しかも結構大きい賞です。他の仲間も応募していましたが、全員選外です。Bさんが受賞を告げたとたん、仲間の態度が豹変し、口をきいてくれなくなった。会合にも誘われなくなった。Bさんは、若くして結婚し以来ずっと専業主婦です。人間関係に悩んだ経験があまりなかったらしく、落ち込んでいます。私は話を端折りました。
「要は嫉妬されたのね」
Bさんが私に愚痴をいうのは、私も地方文学賞を射止めたことを知っているから。でも、一緒に怒ったり同情してくれると思ったなら間違いだ。
「別にいいじゃないですか。仲間とやらに無視されても」
「でもぉ」
「元々創作は共同作業じゃなくて一人でやるものですし」
「そうですね、そうですけど……」
Bさんは、受賞よりも仲間との合評会の方が大事なのか。受賞がきっかけで嫌われるのがそんなに嫌なのかと私は言いました。
「とにかくおめでとうございます。これからもがんばりましょうね」
「でもぉ」
「Bさん、仲間が出る杭を集団で打ちまくる人とわかってよかったじゃないの。それとも、そんな人たちと仲直りするために、賞を辞退しますか」
「それはイヤ」
「でしょ。今はSNSの時代ですし、創作したらネットで発信したらいい。私もやってますし」
「そうねぇ」
一度でも友情にヒビが入れば修復は難しい。仲間とやらが欲しいなら新しい仲間をさがせばいい。
覆水を盆に返したいなら病むしかないと思う ……Bさん見てるかな。
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