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ルールを知らないオーナメント(ショートショート)

サンタさんが、子どもたちに、オーナメントを1個ずつくれた。ぴかぴか光るオーナメントに子どもたちは大喜び。近くの木につるして眺めを楽しんだ。

サンタさんが、悩み苦しむ人々に、オーナメントを1個ずつくれた。もらった人はその輝きに癒しを感じ、オーナメントを抱いて眠った。

サンタさんが、クリスマスの夜遅くまで働く社畜たちに、オーナメントを1個ずつくれた。社畜たちはそのオーナメントの美味しそうなにおいにつられて、なめた。すると甘酸っぱくて美味しくてすぐ満腹になった。彼らはそれを、デスクの上に飾って眺めも楽しみつつ仕事を仕上げた。

サンタさんは、悪徳政治家たちにオーナメントを1個ずつくれた。純金製ですよというと、政治家は「政治献金だな」 と大喜びでオーナメントを撫でた。そのオーナメントは撫でられると急に大きく膨らんであっという間に政治家を吞み込んでしまった。サンタさんは彼らを大きな袋に入れてまとめて生ごみ捨て場に持って行った。


ありがとうございます。