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ポケコロの世界でつかの間の夢を   301. ゲーム内トークについて


ポケコロゲーム内のトークについて

 私はポケコロというゲームをしています。ポケコロとは、ポケットコロニーの略ですが、知らない人向けに説明すると「電子版着せ替えゲーム」 です。戦う要素はほぼゼロで気に入っています。

 きっかけは子どものすすめです。今では子よりも私の方がはまって毎日ログインして隙間時間に遊んでいます。普段では着ることのできない可愛いお洋服をゲーム内の自分の姿=アバターに着せてあげるだけ。時には他のアバターのところにお邪魔して、ベッドやトイレ、お風呂を借りたりして遊ぶ。本当にバーチャル、架空の世界の中での話。日常にある隙間時間に黙々とする。単純といえば単純ですが、奥深いところもある。また各コロニーの世界観が人それぞれで違うので、遊びながら物語を作ったりもできる。無課金でもそこそこ遊べる気楽なゲームです。

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 私は欲しいものがあった時だけ課金しています。課金者でなく、微課金者になります。

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 さて、このゲームには、ゲームだけの友だちが作れます。どのゲームもゲーム仲間でコミュニティを作れるのでしょうが、私はあまりゲームをしないので比べられない。なのでポケコロに限った話前提だと思ってください。

 ポケコロの内での友だちのことを「ポケとも」 といいます。ここからが肝心、ラインのようにトーク機能があります。周囲の目にふれることなく、密室での会話が楽しめる機能ですが、直接の会話や画像を送信したりはできません。画像を送信できるのはポケコロ内で撮ったものだけです。昔は実際の画像などを送信できたようですが、ある事件がおきて以来、画像送信は不可になりました。これに関しては後述します。

 私は、ゲーム内に採れる果実を集めており、このためにポケ友を数十人作っています。果実を集めるにはポケともでないと採取できない仕組みです。トーク機能自体はほとんど使わないのですが、ポケ友になると、向こうから話しかけてきたりはあります。顔も名前も知らない。わかるのはその日の服装やゲーム内のレベル。ゲーム内の自己紹介。でもそれが真実かどうかもどうでもいい。気分によって、いつでもアバターの顔も名前も全部変えられるので、この人は誰と考えなくてなんでも流していく。そういう意味では人間関係が流動的なゲームです。ポケともになったとしても、それはそれで気楽でよいと感じていました。

 一方、子どもの方は小学校のクラスの友だちに聞いて始めたので、リアルにつながって宿題の相談などをトークでしていたようです。その娘もスマホを持つようになると、ポケコロをしない友人も多くできてラインに切り替えています。

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 もちろんポケともには、最初から個人情報を流していませんが、たまにトークで個人情報を全部開示して話しかけてくる子がいます。その子は、八歳。どうしてわかったかというと、今日が誕生日です。プレゼントに何か送ってくださいと書いてきたから。トーク以外にも掲示板機能もあるので、それこそ、ひっきりなしに何か書いてくる。呼びかけに反応することを、からむ ⇨ 「絡む」 といいますが、「絡んでほしくて」 不特定多数の人々に話しかけるわけです。こういう子は「掲示板がうるさい子」 と言われます。が、私は気にしないです。これで不快感をかんじたことありません。逆に、今どきの子は、不特定多数の人から絡まれることがうれしいのかと感じ入る。昔は子どもが大勢に呼びかけることなど一切ありませんので、これも時代です。トークや掲示板を見て「ああもう学校から帰ってくる時間か」「部活がつらいのか、なるほど」 という感じ。断片的な状況で、この子はさみしがりだな、と感じたりはありますが、こちらからアクションを起こすことはありません。

 ただあまりにも無防備な子を見ると、ヘンな人との接触を危惧してしまう。というのは、私も最初やり始めの時に、トークで変な人に話しかけられたから。つまり、どう見ても成人男性の呼びかけだったからです。絵文字を多用して、アバターもかわいい女の子になっています。見た目ではわかりません。呼びかけの言葉は以下の通りでした。

「お兄さん欲しくない?」

「なんでも話を聞くよ? なにかない」

「いつでもはなしを聞くよ、待ってるよ」

「さみしくないかな?」 

「小学生かな? かわいいね。本物もかわいいだろうね」

 子どもはリアルの友だちとトークで繋がって、そういうことは一切ないという。だから、私に絡んでくるのは、どうしてか不思議でした。私は普段できない服装をアバターにさせます。始めたばかりのころは、幼稚園児のような幼い服装をさせていましたので、それでかも。幼い子どもが遊んでいると思われたのかも。それにしても、「お兄さん欲しくない?」 は危ない。気軽に話しかけられて、うれしがったり、本当になんでも話せるお兄ちゃんが欲しいと思って応じてしまう子もいるでしょう。

 それから、親し気に呼びかける相手は間違いなくこちらのレベルを見てやっている。私のレベルがあがると、そういう問いかけは一切なくなりました。加えて自己紹介欄に「大人」「基本無言です」と書けば完璧です。変なヤツは絶対に近寄りません。

 下心を持つ男性が、ポケコロに来るのは、ポケコロが小学生でも十分楽しめるゲームでしかも個人情報が不要だからです。話を戻しますが、ポケコロのトークで現実の画像を送信できなくなったのは、以下の事件があったからです。ちょっと読んでみてください。その後に今回私が言いたいことをエッセイにしています。下記は2018年の新聞からの抜粋です。容疑者名は削除して、某としています。

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 児童らに人気のゲームアプリで女児になりすまして小学生の女児に接触して裸の写真を送らせたとして、警視庁は、某県内の市立小学校講師、某容疑者を強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕し、15日発表した。容疑を認め、「うまくだまして裸の写真を手に入れることに優越感を抱いていた」などと供述しているという。

 少年育成課によると、某容疑者は9月、「ポケコロ」というスマートフォンのゲームアプリの掲示板機能を通じて知り合った東京都内の小学4年生の女児(9)が13歳未満であることを知りながら、裸の写真を撮影させて自分のスマホに送信させ、児童ポルノを製造した疑いがある。

 掲示板に小学6年生の女児を装って「トークを重視したい」と書き込んで被害女児と友達になり、無料通話アプリに誘導して「胸が少しふくらんできた」などと発育の悩みがあるように装い、裸の画像を送らせたという。

↑ ↑ ↑ ↑(以上引用終わり)

 読むだけで気持ち悪い。頭にきます。何も知らない純真な子供に向かって、裸の写真を騙して送信させるとは卑怯。しかも容疑者の職業が公立小学校教師。立派な性犯罪でしょう。被害女児の心情を思うと心底腹がたつ。また後日談として犯人の祖母が記者のインタヴューに応じて謝罪するのもあって胸が痛みました。容疑者はこんなに孫思いの祖母に育てられたのに何を考えていたのかと問い詰めたくなります。

 そういうこともあって、子どもにはネットで見知らぬ人に話しかけられても個人情報は一切書くなと言って聞かせています。上の子どもがラインにからんだいじめも経験しまして、その辺は私は敏感です。

 ただポケコロをしていると、あまりにも無防備な利用者が多く、運営側も定期的に知らない人に名前など教えないようにと注意勧告はしている。男女や年齢にこだわらず、皆で楽しく遊んでいるところを狩場にしている人間も近寄ってきます。

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 実は以前から私に何度も話しかけてくる子がいて、こんにちは、おやすみなさい、ぐらいの返事はしていました。そのうちにトークのグループに勝手に組み込まれて本格的に話しかけてくる。で、一人が本名と年齢とどこにすんでいるのかを書いてきた子がいて、私は見かねてさすがに注意しました。そのためこちらが大人だとわかり、その子はタメクチから急に丁寧語を使い始めました。そういうところはかわいいですよ。ゲーム内はタメクチの方が気楽でいいですけど。でもこの危機感のなさは危なっかしい。だからこそ、注意する。私はその子に重ねてポケコロ日記にも、個人が特定されるようなことを書いていたので、消した方が良いと言いました。その通りにしてくれました。こんな可愛い子を、変な男の餌食にさせてたまるものか。ただし、その子が逆に事件の犯人のように小学生に扮して、騙せる仲間をつっている可能性もある。だから私は文面と行間で判断しています。

 それにしても今どきの子は世間の怖さを知らないままに、自由に操作して楽しむ。裏の面も知っておくべきだろう。幸い今どきの小学校はネットリテラシーの授業がある。私はその授業に参観日で参加したので知っていますが、現況では効果はあると信じたい。例の事件で裸の写真を送信してしまった子どもは、いずれ大きくなって知恵がつく。だまされたと知ったときの子どもの心情や家族の想いなぞ、どうでもいいから容疑者は平気で嘘がつける。

 それとポケコロには「なぐさめの星」 という場面もあって、そこでも悩み相談でも匿名でもできるが「女の子だけ」 と、称して、多量の絵文字を使用して相談内容を書き込むが、文字の選択が大人なのでわかります。たいてい人前では話せないような内容です。定番は以下の通り。

「胸のふくらんできたが、大丈夫でしょうか」

「十一歳でまだ生理が来ないが、大丈夫ですか」

「生理ってどんな感じですか、教えてください」

「ブラジャーってどんなものがいいですか」

「胸が揺れてこまっているけど、みんなはどうですか」

「好きな下着は何色ですか」

「おりものが出て来て困っています」

 話題としては、普遍的で思春期の女の子がもつ悩みです。しかし言葉の選択や語彙、流れから見て成人です。この網にひっかかった子供たちが真剣に私の時はこうでしたと書き込む。

 賛同者らしきユーザーが子どもに扮して「あそこをさわりました」 と書いてくる。逆に同士らしきユーザーが面白がって「乳首が大きくなってどうのこうの」 と書いていたこともある。小さい子ども同志のやり取りでなく、行間からして気持ち悪い雰囲気でした。おそらく同一人物が幼い子の真剣かつ同情をもった反応を喜んでいる。まあ、直接危害を加える気がないだけマシですが、単純に不愉快です。これがあったため、私はなぐさめの星に近寄らなくなりました。

 もちろん注意喚起は運営側もしているが、身分証明が不要なゲームだからこそ下心持つユーザーの駆除は困難です。これはもう子ども自身が危機感を持つように家庭や学校で教育するしかない。

 なお、ポケコロもまた無料でできるゲームだから、当然広告も入ります。クリックしないと強制的に広告が入らない仕掛けがある。だから、他のゲームより良心的に感じるが、その広告を見ていると子供向きではないものも混じっている。例えばかわいい女の子を育成できるゲーム、じっと見ていると、女の子を異性目線で、どういうのがかわいいとされるかがわかる。もちろんユーザーの好みで選べるようにはなっているが、不特定多数の異性の好みがどういうものかを刷り込まれる危険性がある。幼い子どもに対して見せたくないと感じます。

 子どものプライバシーと自立を尊重しつつ、ネットの危なさも教え込むべきです。私はこの風潮に危機感を抱いています。運営が悪いわけでもないし一部の男性だけが悪いのではない。異性からの誘いや問いかけに素直に応じる子どもは、その家庭環境の影響もあるでしょう。でも子どもが大人になって、何も知らないことをいいことに騙されたと悟り悲しむようなことがあってはなりません。私は他のゲームの様子は知らないので今回ポケコロだけを題材にあげましたが、こういったゲームはいくらでもあるでしょう。運営側には、今後万一大きな事件が起きたときは企業責任も問われることを踏まえたうえで、営業してほしい。そして周囲は子どもの楽しみを尊重しつつも、ネットの危険性を教えるべきです。

 身体的にも精神的にも子どもにもわかりやすく、そしてしっかりとプライベートゾーンを教え込むしかない。

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※※参考文献※※

(朝日新聞デジタル、2018年11月15日)

https://www.asahi.com/articles/ASLCH329XLCHUTIL004.html

(関連記事:週刊女性プライム、2018年11月28日)


他にもいろいろあるようですね。ドナ詐欺も。アイテム欲しさに悪巧み…かわいい女の子たち、こういうかわいくないことをしてはいけません…楽しく遊びましょうね。

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ありがとうございます。