覚醒the side消灯
亡霊の顔は無数の花に埋め尽くされていた。
薬物患者が視る幻覚世界にも似た極彩色豊かな花々が、亡霊の顔面を形成する各部位を奪い毒々しく咲いていた。
顔花亡霊は中央病院前の駐車場に停められた軽自動車内の運転席に居坐ったまま、そこから動こうとはしなかった。
ハンドルに手も掛けず(そもそも亡霊なのだから物質に触れられるかどうかもわからない)腿の上に置き、一ミリたりとも上体を折ることなく九十度に固まったシートに沿って姿勢正しく収まっている(物質には触れられるかどうかについて前述したばかりだがシートに腰を据えることはできるようだ。亡霊の性質というのは理解し難いものである)。
察するに、顔花亡霊は好き好んで其処に居坐っているわけでも、好き好んで顔に花を生やしているわけでもないようだった。
「神以さん。神以眞さん。お時間ですよ」
指の関節部でサイドガラスを叩く音といっしょに、事務的な口調をした女の声が車内に投げ込まれた。
神以眞〈カムイ マコト〉。顔花亡霊が有する名前だ。神以は生前、報道機関EWSに属する新聞記者として職務を全うしていた。
「神以さん。其処は貴方のいるべき場所ではありませんよ。速やかに退去してください。このままわたくしが役場の方へご案内致しますので、そうしましたらそちらでただちに冥府入門許可証発行手続きならびに府民登録証取得手続き等を済ませるよう願います。よろしいでしょうか、神以眞さん」
今まで顔花の蜜を吸っていた一匹の蟲が、ぷうんと羽撃いた。蟲はこの世のものとは思えぬ複雑怪奇な躯から複雑怪奇に伸びた複雑怪奇な翅を複雑怪奇にひらいて複雑怪奇に飛び廻り、やがてガラス一枚隔てた事務女の鼻先部分へ張り付いた。現世に息づく蟲は例外なく複雑怪奇な躯で生理的な嫌悪感をまとわりつかせているが、顔花亡霊の顔花に卵を産みつけていた、おそらく冥府に棲息しているこの蟲の躯もまた複雑怪奇であり、あまつさえ複雑怪奇であった。すなわち、複雑怪奇な躯にさらに複雑さと怪奇ぶりを重ね塗りしているのだ!一体何を言っているのか諸君には解らないであろう。これは幽幻物質概論を履修していれば構造の単純さに思わず膝を打つのだが。
「神以さん、あのね」事務女が息を吐く。「貴方がどんな思いで死に至ったのか、わたしは深くを知らない。けど粗方の概要は調査済みです。助けようとした誰かを、助けられなかったのでしょう。だからといって、貴方が滅入る必要は無いんじゃないでしょうか。貴方が悪いわけじゃない。貴方に罪は無いんです」
神以からの返答もその素振りも無い。事務女は挫けず手を替え品を替えていく。
「冥府は、こことはそれなりに環境は違うけど、慣れれば住み易いところですよ。しばらく静かに暮らしていれば、辛く悲しい気持ちは煙となって消えるはずです。貴方の生涯は真っ当だったから、きっといい暮らしが約束されていますよ」
「それほんとかよ」事務女の誘いの言葉に、思わぬ角度から瞬発的な反応が返ってきた。「いやあ、いいこと聞いたなあ。てっきり向こうはとんでもなく窮屈で殺伐とした糞溜まりみてえなとこかと思ってたぜ。つうかあの世に学校や試験ってあんのか?賭場はある?」
間の抜けた声色の主を、事務女は冷ややかな眼で見遣り、言い捨てる。「貴方は、対象外ですよ。式島淨さん」
「え」式島淨はさらに間抜けた声を漏らした。「なんでだよ」
「自覚がないのが恐ろしい。貴方がここ神宿で何と称ばれていたか。冥府でもきちんと認識されていますよ、"御札付きの不良〈ワル〉"、式島淨さん。人間離れした強さそして悪童さながらの暴虐さゆえに、どうにかその肉体を護符による神仏の力を以て封じ込み、人々を守るべきなのではないかという祈りや願いからその異名がつけられた」
「なんか響きがだせえよな」式島淨は、自身の鼻の穴から穿り取った大玉の鼻糞を指で跳ね飛ばす。
「貴方が冥府で幸せな生活を送る?冗談じゃない。例えば複数の問題を起こして左遷を受けた社員が別の職場でなら上手くやっていけることなどあり得ません。それと同じです。貴方はきっと、冥府でも疎外され、ひとり寂しく生きていくことになります。貴方とお近づきになりたいという府民はいません。実際わたしも貴方にはあまり関わりを持ちたくは無い。とっとと役場に引き渡してそれっきりにしたい気持ちで一杯です」
「あんたよく喋るなあ」鬱陶しそうに式島淨は次に耳の穴を穿っている。「にしても酷い言われようだぜ。俺は天涯孤独の嫌われ者だとでも思われてんのか」
小指の爪で掻き取られた耳垢の塊が、式島淨の息吹で散り散りになった。式島淨はだらしなく前の開いた学生服の胸ポケットやズボンの脇ポケット、尻ポケットを一頻りまさぐってから、ぼやく。「煙草が、ねえな」
依存の先を奪われた式島淨は、意識を閉ざし、項垂れた。肩先までぼさぼさに伸ばした金髪の襟足が、ローファーシューズすれすれまで垂れ下がる。不良が弱々しく萎んだことに、事務女が油断しかけた途端、淨は、やにわに立ち上がり、大股で軽自動車に迫った。神以の乗っている軽自動車だ。ひとこと断りを入れるも待ったなしに事務女を押し退けて、鍵の掛かっていた筈のドアを勢いよく開放し、自身の上体を運転席に滑り込ませた。顔花亡霊の顔花亡霊足らしめる自慢の顔を平手で軽く叩き、かわいらしく花々を揺らす。
「おい、神以。おまえ今煙草持ってるか?一本くれ。ライターも貸してくれ。なあ頼むよ」
生真面目な人間からすれば男女間の距離の取り方とは思えない、神以に対しての淨のやんちゃな振る舞いに事務女は唖然とするも、敢然と淨の淫行(と呼ぶには些か行き過ぎてはいるが、事務女が頬を赤らめて注意を告げる様はまさしく自身の息子あるいは娘が自室に籠り恋人と乳繰り合う場面に出くわし動揺を隠せず叱責する堅物な母親そのものだったのだ)に見えぬレッドカードを言い渡す。
「か弱い女性にそんな密接になるなんて貴方、立場を弁えなさい。やっぱりろくでもない不良〈ワル〉ね。目も当てられない。はやく離れなさい。減点しますよ」
「減点?そんなペナルティまであんのか」ダッシュボードを探しても見当たらない煙草に諦めをつけた淨が、無気力に上体を戻す。
「ありませんね。適当に言いました」
「つうかあんたさ、さっきからすべて御見通しみてえな威張り方しといて、俺とこいつの関係性は知らねえのか。神以は俺の幼馴染だぜ、十年来のな」
「そうですか」事務女は腕を組んだまま淡白に返した。
「ところで煙草ですが、どこを探したって無駄ですよ。すでに回収済みですので」
そう言って事務女は事務的かつ魔術的にどこからともなくふたつの煙草とライターを取り出し見せる。
「なんでだよ」
「煙草の煙は人体に害とされていますが、幽体にはさらなる害を与えます。煙に触れるだけで精気を削られるという毒物を、体内に吸い込むなど自滅行為です」
「精気が削られたらどうなんの」
「精気の数値がゼロに達した場合」煙草を掲げていた両手を下ろし、事務女が解えを明かす。「幽体が蒸発し消え失せます。冥府に行くことすら不可能となるのです」
「無になる、ってわけか」
「そう断言はできません。生き証人が居ませんから」
「生き証人、ね」
「煙草は諦めてください」
「わかった」筋張った人差し指を突き立て、淨は剣呑と云い放つ。「一本だけ」
「わかってませんね。馬鹿が」
事務女の極めて事務的で間髪入れない物言いに、淨はここで初めて事務女が自分の不得意とする厳格な人格者であると確信し、ふっと力が脱けて車体にもたれ掛かった。
しかし淨はひとつ不可解に思えることがあった。この手合いの人間は大概弱みを見せず、恐れを知らない。というのにこの女、この場所に現れてから絶えず手足を震わせている。
さては、この女も実は極度の愛煙家であり、新規の府民の手前、煙草を吸うわけにもいかず耐え忍び、それがゆえに発作させている禁断症状なのだろうか。いや、そうは見えない。淨は右手の親指を使って、同じく右手の薬指の関節を鳴らした。謎を推理するときの彼の癖だ。(因みに喧嘩をおっ始める前に鳴らすのは人差し指の関節だ)
淨はもうひとつの異変に目をつける。事務女の震えが、神以に呼びかけていた時よりも酷くなり始めている。
ならばその時と異なる条件或いはその後起きた事象がなにかをまとめて頭の中で箇条書きしていく。そこから解えを炙り出せるかもしれない。
一、行動。神居への呼びかけ作業を中断してしまった。二、接触。御札つきの不良と恐れている式島淨に押し退けられた。三、位置。二の接触により、車から距離を空けた場所へと追いやられた。
淨は三番の鍵を選んだ。位置関係の変。しかしその対象は車ではない。震えの悪化は、距離を空けたことにより生じたものではない。むしろその逆だ。距離を空けた、のではなく、距離を縮めてしまった、のだ。事務女の背後に聳える中央病院、に対して。
「ちぇ、ならしょうがねえや」淨は脇ポケットに両手を突っ込み、車体から腰を浮かせ、頭蓋の重みを利用して前傾姿勢を取り、歩を進め、事務女とのすれ違いざま、殺し文句を差し入れる。「病院の中になら、煙草あるかもな」
事務女は血相を変え叫んだ。「いくな!」
淨がほくそ笑む。選んだ鍵は外れちゃいなかった。徐ろに首だけを回して、事務女に問う。「そんなに、煙草を吸わせちゃマズイのか?いやそれとも」淨は声を低めた。「病院に、なにかヤバいもんでもあるってのか」
事務女はそれ以上の動揺を一切見せようとはしなかった。淨の洞察力を見抜いたのであろう。事務女もまた、駆け引きに応じた。
「あまり、長くこの地に留まっていてはいけない。お忘れじゃないでしょうが、今この国は戦禍の真っ只中に置かれている。ドーマン軍が直にここまで侵攻してくる。ドーマン帝国の人間が肉体に纏う魔力は我々幽体にとっても脅威です。いっぺん残さず精気を取り込まれるでしょう」
病院の敷地を囲う塀の向こうに、黒煙に覆われた空と燃え上がる炎と舞い散る灰が見える。敵軍の気配を帯びた戦争の残響が、もう直ぐそこまで迫ってきているのが理解る。
淨は、事務女の説得に、ふうん、と、含みを持たせて返した。
「だけどあんた言ったじゃねえか。俺は冥府に行ったところで幸せにはなれねえんだろ。だったらさあ、いっそこの幽体ってやつも捨て去って、無になっちまいてえよ。誰もがそれを望んでんじゃねえか。なんせ俺ぁ御札つきの不良だからよ」淨は物憂げな眼差しで、皺の寄った事務女の眉間を射抜いた。「ドーマンの糞野郎どもに特攻かまして、俺は真の最期へ辿り着く。そこが俺の楽園かもな」
事務女は眼を伏せた。こいつは正真正銘の阿呆だ。平然と禁忌を破れる阿呆だ。どれだけ危険な存在だろうと迷いなしに噛み付く阿呆だ。鎖で繋いでおかねばならない。この獸を繋げられる鎖はこれだけだ。事務女は、今じゃすっかり震えの意味が変わってしまった手の中で、わなわなと苛立ちに震える手の中で、握り潰しかけていた煙草とライターを淨に投げ渡し、云う。
「車に乗りなさい、式島淨」
大好物を取り戻し喜んでいる腦内に突然飛び込んできた事務女の命令が、淨を軽く混乱させた。
「はやく乗りなさい」
この命令には従うべきだと、淨は経験で培った鋭い勘を働かせた。車の元へと引き返し、助手席に乗り込み、次なる事務女の指示を待つ。
「キーを回してラジオをつけ、チューニングを4.04MHzに合わせなさい」
「なんだそりゃ」
「二人には、電波を使って冥府へとんでもらう。電波と幽体は相性が良い」
「あんたはどうすんだ。案内してくれるんじゃねえのか」
「向こうで話はつけている。わたしはここでもうひとつ片付けなくちゃならない仕事がある」事務女が中央病院を睨んだ。「生前、穢れた霊能者として愚行をはたらいていた三島という男が、悪しき幽体となり病院内に巣食っていると情報が入ってる。奴を冥府に行かせるわけにはいかない。わたしがここで処理をする」
「なるほど」淨は腑に落ちたかのように力を脱いて坐席に沈んだ。「どうしようもねえ兇悪ってのは、殺しても死なねえってわけか」
「そうね、ただ拠点が変わるだけの話」
「いつもそうやって亡者になった屑どもを処理してきたのか」
「冥府の安寧のためにね」いつまでたっても震えはおさまらないけれど、と事務女は胸中で嘲笑を漏らし、震える拳を握り締めた。
「いい暮らしが約束されてるってのはあながち嘘じゃないんだな」
「出来得る限りのことをしてきた。これまでも、そしてこれからも。わたしは府民の皆に静かに健やかに過ごしてほしいから」事務女は括っていた髪の毛をほどき、シャツの袖をまくり、臨戦体制を整えていく。「生きていれば辛くて苦しいことの方が多い。その疲れを、すこしずつほぐして欲しいんだ。冥府ではもう悲しい思いをしなくていいように。それに仇なす者をわたしは赦さない」
淨は、一般の女性よりもひとまわり逞しいであろう体格を、緩やかな衣服に隠し包んだ事務女のその背中を、黙って見据える。
事務女は、引き裂いたロングスカートから覗く、細く引き締まった脚を踏み出し前進する。幽体の重さは通常、ゼログラムとされている。しかし事務女の一歩には、現世に跡を残すほどの重みと、生命力が感ぜられた。
だがそれは二歩目で絶える。
事務女が歩みを止めた。正面玄関と駐車場とを区切る排水溝に虚しく影を落としたまま、その場から動けずにいる。知らぬ間に、運転席で坐り込んでいる神以と自身の姿を重ねていた。
死ねば楽になれるわけじゃない。
事務女は、下唇に歯を突き立てた。
戦って戦って戦い抜いて、漸く殉死を経て修羅の坩堝から脱することができたのだと、事務女は或る瞬間、冷え切った頬を、安堵の涙で濡らし、葬列に並んでいた連中を驚かせた。
冥府の門を下り亡者の利権を得た現在も尚、事務女は、怒りと憎しみの焔に胃を焼かれ、吐き気と苦痛を錠剤で抑え込んでまで、戦い続けている。
なんなんだ、これは。
事務女は事務的かつ魔術的にどこからともなく小瓶と水筒を取り出し、性急に小瓶の蓋を開け、性急にラムネ状の粒を二、三掌に転がし、性急に口に放り込み、性急に水で流し込んだ。遅効性の薬だ。吐き気と苦痛はすこしも鳴りを潜めようとはしない。
「そんなんじゃあ勝てねえよ」
疾うに冥府へとんだと思っていた不良の生意気な声に、事務女はキッと睨みつけた。が、車内には放置された神以の姿があるだけで、淨は居ない。
あの悪ガキ、とあくまでも胸中で悪態をつこうとした矢先、事務女の五臓六腑に轟音が響く。事務女は咄嗟に、夜の帳が開かれ白んだ天を仰いだ。
五芒星が刻まれた漆黒の戦闘機が、雲を破って滑空している。武装した八門の機関砲で忌々しき中央病院を滅多撃ちし、果ては特攻機が如く機体丸ごと病院へ衝突した。
事務女が身を投じるまでもなく、悪しき幽体の巣窟は煙を噴きあげ崩れ落ち、瓦礫の山と成り果てた。
爆風に髪を撫でられ眼をしばたかせる事務女の前に、残骸を掻き分け、ひとつの影がゆらりと浮かぶ。
火傷も負わず、衣服も乱さず、機体から飛び散った火花を火種に煙草を喫する不良學生が、余裕綽綽と事務女の方へ歩いてくる。
「ライターのガスが切れてやがったから、儲けたぜ」
低俗で高尚な毒をたっぷりと肺臓へ注ぎ入れ、淨は、地獄と化した景色を背後に、喧嘩終わりの一服を嗜んだ。
薬の効き目を見失う程に茫然自失としている事務女は、わけもわからず涙を流し、ぼやけた視界にうつる淨の姿に、必死にピントを合わせようとする。
「ドーマンの戦闘機を見て閃いてさ、チューニングを試しに弄ってみたらよ、無線が飛ばしてる電波に見事乗っかれてよ、戦闘機をジャックしてやったんだ。巧いもんだろ」灰を落として淨が笑う。「電波と幽体は相性が良いな」
事務女も、つられて笑った。馬鹿馬鹿しい。あまりに馬鹿馬鹿しい。腹の底から込み上げてくる。息ができない。頬の筋肉が引き攣りそうだ。嗚呼おかしい、おかしくて堪らない。
「あんた、名前なんて言うんだ」
「荒野すさ、だ。生前、ばさら党を創設した活動家だ」
「ばさら党か。どおりで強いわけだ」
「戦い振りを見せていないのに理解るのか」
「身体つきや足音で理解る。あんたは強い。だが冥府の防衛を一挙に引き受けようなんて馬鹿だぜ」
「わたしもそう思うよ」
「なんなら俺にも仕事を回せ。俺は現世じゃまだまだ暴れ足りてねえんだ」
「手を組むか、わたしと」
「悪くねえ」
身の毛のよだつ唸り声と共に、瓦礫の山から火柱が上がった。否、それは火柱ではなく、複雑怪奇な六つの翅と複雑怪奇な八つの尾を複雑怪奇に生やした超絶弩級で複雑怪奇なムカデの魔物であった。
「淨。幽体〈このカラダ〉での戦い方は理解るか」
「やりながら覚えるよ」
「不思議だ。君が隣にいると、心が落ち着く」
「なんだそりゃ」
「ところで、君の幼馴染はいずれ立ち直ってくれるのだろうか」
「神以か。気にするな。あいつは昔から少し時間のかかる奴だ。今回は余計にな」
「そうか」
「助けようとしたのは、あいつの大事な先輩の大事な家族だったらしい」
「そうか」
「そんでもって、俺の友達だった」
「…そうか」
「そいつはたぶん今も生きてて、今もこの現世のどっかで戦ってる。俺が教えた喧嘩殺法が今更役に立つとは思えねえが。まあだから俺も死人として、死人なりに戦うさ」
「それがいい。さて、あれはなかなか厄介だ。一気に片を付けるぞ」
「上等だ」不良が、煙草の灯を踏み消した。「人間舐めんじゃねえ」
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