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大分で物思いにふける
今度は大分に行くことになった。
ほんのり色付く山肌を車窓から眺めていると、その神秘さに圧倒される。四季折々の自然豊かな日本に自分が今存在している奇跡に感謝する。
思えば人間が作った風景は何れも同じ様で、無機質な秩序の繰り返しにすぎず。一方、自然が織り成す風景は独創的で魅力的だ。神の成せる技なのか。
列車は山あいを抜けていく。斜面から突き出た雑木林を掻き分け、緩やかにカーブしていく。
斜めに傾いて曲がりながらぐんぐん加速していく特急列車に身を委ね、車窓から日に照らされた山肌のキャンパスを眺める心地よさを満喫する。幸せな瞬間だ。
一方で山肌の隙間から剥き出した無秩序な岩の列が過去の災害の傷痕を残す。
大分駅に着いた。
きらびやかな駅前広場、複雑に交差する路地。つい先程訪れた無人駅との光景のギャップに驚きながら、雑踏を掻き分け一人さまよう。
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街にはこれと言って特徴はない。見慣れたチェーン店がその思いを増長させる。画一化されたアーケードでは近くの特産物料理を宣伝する居酒屋が軒を連ね、ここが大分なんだと再認識させるぐらいだ。
最近の都市再開発計画にありがちな無個性の街づくりには閉口してしまう。日本中どこを切っても金太郎飴の様な街並みが続くのは些かつまらない。
大分市は今まさにその分岐点にいるのか。観光地として辛うじて踏みとどまっている状態なのか。少し残念な気がした。次回は時間を作り細かく探索して少しでも大分独特の個性や隠れた街並みの良さを満喫してみたい。