読書ノート 「プロティノス全集 第三巻」 中央公論社
【エネアデス】
4-1
魂の本質について 第一篇
感性的な諸存在は一義的な意味で分割可能なものであり、知性は一義的な意味では分割不可能なものである。この両者とは別に、魂がある。魂は、「物体のあらゆる部分に内在してる」点では分割可能なものと考えることができるし、「物体のどの部分にも全体として内在している」点では分割不可能なものと考えることができる。つまり、どっちでもなくどっちでもある。厳密に言えば、分割はあくまで物体の受ける作用であり、魂の受ける作用ではない。
魂は一であり多である。万有の管理者としての魂は、自らの多としての一によってすべての部分的なものに生命を与え、不可分なる一であることによってそれらを導くのである。『ティマイオス』の真の意味。
→「神は不可分で常に同じ状態を保っている存在と諸物体の領域に生じる分割可能な存在との中間に、その両者から、第三の種類の存在を混ぜ合わせてお作りになった」
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