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「校正ゲンバ回顧録④」【問:「等」は全て「など」に開くべきでしょうか?】

〈2022年10月26日記録〉

「等」は「人は〈ら〉でものは〈など〉」にひらくように書かれていますが、〈トウ〉と読む場合は〈等〉のケースもあるようです。

「まん延防止等重点措置」の「等」の読み方は「トウ」です。「公用文書」では「法令用語」については「等」は「トウ」と読むようです。

『共同通信記者ハンドブック』14版では、「トウ」「など」「ら」とそれぞれ使い分けています。「トウ」は常用漢字ですが、「など」「ら」は常用漢字表外訓なので、どちらかに開くケースがあります。しかし、「トウと読む場合は等」とあるように、何から何まで「など」「ら」にする必要はないといえます。

ちなみに、「ら」は人の場合で、「など」は物の場合で使い分けます。よく人のケースで「など」が使われますが、気を付けたいところです(文芸書などでは、「ら」は「やつら」「おまえら」のように敬意が表れていないと考えて「方々」「~の人たち」のように「ら」を避けることもありました)。


「法令用語」は「等」のまま、なおかつ学術用語や硬い文面では「等」は「など」に無理に開かず、そのままにして保留にし、先方の反応を見つつ柔軟に対応することもよいかもしれません。


※多少似たケースに「その他」「そのほか」がありましたが、2010年新常用漢字では「他」は常用漢字表内訓として「ほか」が採用されました。

それゆえに「そのた」「そのほか」はどちらでも読めるということから、新聞校閲などでは楽になりました。「そのほか」「そのた」と両方読めるものは上記の「等」同様に、無理に開かずに柔軟に対応することも選択肢に含めてもよいと思います。

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