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要らないと言われた人材だけを集めたら、親会社より売り上げが立ってしまった話

私は数年だけ「食品のECサイト運営の部門」の責任者をやっていた時期があります。

ただこの部署、すーごい嫌な言い方をすると、他の部門で「要らない」と言われてしまった人材だけを集めた、いわば“窓際部署”だったんです。

この部署は元々親会社メインで運営されていたため、子会社である私たちの会社側はあまり業務がなかったのですが、私が部署に入ったタイミングで「東日本は親会社・西日本は私たちの会社」という棲み分けが行われました。

で、そんな窓際族だけで頑張った結果どうなったかというと、親会社の精鋭部隊よりも売り上げが立ってしまい、その後親会社から部門そのものを受け取る形になりました。

今回はその時に、私やメンバーが何をやったのか?について面白可笑しく話たいと思います。


『毎日カーテンをポスポスと叩いている様な気分だった』

窓際族メンバーの一人が、以前いた部署を振り返って表現した言葉です(笑

スゴイ独特な表現なんですが「この業務にどんな意味があるんだろうと思いながら、とりあえず作業していた」とのこと。

というのもこの会社、マネジメントをまともに学んでない若いプレイヤーが役職についていたため「口動かすぐらいだったら、とにかく作業しろ!」という文化が定着していました。そのため、会社への不平と不満が文句として爆発していたワケです。

「(他部署を指して)あいつら頭おかしいんだよ!」
「親会社のヤツら使えなさ過ぎだろうが!」

私が入った当初、こんな言葉がデカい声で毎日飛び交っていました。


文句を言われる様な会社なので「文句を言うな」と言っても聞くわけない。ならばと逆にと、徹底的に文句を吐かせ、それを体制や業務運営に反映しました。

文句は「文句を言うこと」自体が目的なのでその先はありません。ただ、しっかり反映して“その先”を示してあげることで、次第に文句の質が変わっていったのです。


女性社員からの生理報告があがる

相手が嫌がらない範囲で、プライベートのことにも関心を示す様にしていました。これは2つの理由があり、

①離職防止
メンバーはいつ辞めてもいいぐらいの状態。だから『仕事』に関係なくみんなを支援し支えたい想いを知って貰う必要があった。

②パフォーマンスを高める
科学的にプライベートへの関心を示すことや物理的距離を近づける程、パフ
ォーマンスが高まることを知っていた。


ただ、非常に神経を使ったのはメンバーに『女性』が多かった点です。距離感を誤ると逆に信用を失います。あくまで「相談したいことがあれば、声をかけてね」という“積極的な受動態度”に徹する様にしていました。

で、時間が経つにつれ、彼氏についての相談や、子育ての悩み相談をしてくれるようになり、誕生日パーティーを開いてくれるぐらいの関係になったある日のこと。

「今日は生理なのでしんどいです」

「…(-.-)?」どう反応していいか分からないまま、「じゃぁ、無理そうだったら、シフトと業務組み替えるので声かけてね」と取敢えずスマイルを顔に張り付け対応。

そんなことが続き、良いのか悪いのか、皆平気で生理報告を行う様になってしまったのですが、これを言えるぐらいの関係を築けたことで『互いに困ったら頼り、助けるのが当たり前な文化』が根付いたのだと思います。


能力が高くないなら、徹底的に手作業を減らす

またスゴく嫌な言い方になりますが、決して個々の能力が高くなく非常にミスが多かった。そこで、とにもかくにも、メンバーから手動業務を徹底的に減らすことにしました(笑

また、ミスの大量生産に拍車をかけていたのは、お客様ごとに「受注から出荷までのオペレーション」を変えていたこと。これにより、手作業やイレギュラー対応、覚えないといけないことが多岐に渡っていました。

もちろん、柔軟に対応した方がお客様には喜ばれますし、営業活動もしやすい。でも、ミスが増えることで、結果信用を落とし、お客様の離脱率が高いという状況にも繋がっていたのです。

こういった『業務の最適化』はメンバーと同じようにプレイヤー業務に入ってしまうと、まず取り組めません。だって皆忙しいんです。21時回ってから業務の最適化の方法を考えるのは中々できません。

生産効率を高めたければ、先ずプレイングマネージャーを辞めることをお勧めします。


まとめ

今回は経験談を中心に展開しましたが、いかがだったでしょうか?ぜひ同じように悩んでいる人の助けになれば幸いです。

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