左利きに息をするなって言ってるようなもんだよ

LGBTと左利きは同じくらいの割合らしい。
だから何という話なんだけど。

私は左利きです。
左利きは天才だとよく言われます。けれどそれは、単純に右利きよりは少なくて、多少の希少価値があるだけだと私は思っています。
実際この世界には、左利きにとってとても難しいことが多い。
ハサミもボールペンも習字の筆も彫刻刀も改札口も、右側に答えを書かなくてはいけない問題集も、全て右利きのために作られている。
だから私は、習字の時間は右手で一生懸命書いたし、左利き用のハサミが発売されるまで右手でハサミを使っていた。

けれどこれらを全て私たちのために変えることは不可能だと思うし、スポーツや習字の時間に、左利きであるという理由だけで参加できない訳ではないので、まだ私たちは右利きの人と平等に息をしていられる。

最近、ど偉い人が特定の人を生きづらくさせるような発言をした。

"種の保存に背く"だって。

それを聞いた私は、心なしか自分にも言われているような気がした。

なぜ私たち左利きは認められていて、LGBTQは認められないのだろう。

日本中の左利きに
"スポーツを行う上で平等が保たれないから参加するな"
というくらい理不尽すぎる言い分だと思う。

そんなの、私たちに息をするなって言ってるようなもんだよ。

誰にだって好きなスポーツをする権利があるように、誰にだって恋愛をする権利がある。
恋愛というのは、スポーツよりももっと我慢するのが難しい。
私は好きだという感情を殺してまで、好きでもない相手と結婚したいとも、セックスをしたいとも思えない。

人間ってそんな生産的なものだったのだろうか。
異性のことを好きになる人間は、皆種の保存のためだけに恋愛をしているのだろうか。

もしそうなったら、日本人はきっと絶滅してしまうだろうな。
より背が高く、より屈強で、より賢い人間の種に重きをおいた世の中になって、やっぱりいずれ日本人は絶滅してしまうだろうな。


生きやすい世の中に変える側が、人の息の根止めてどうするの。

日本人としてすごく悲しかった、私の最近の話。