社会人3年目PMMの振り返り
自己紹介:某SaaSスタートアップに勤務する社会人3年目のビジネスパーソン。社会人1年目は新規事業の立ち上げを行いつつ、全社(3000名強)の経営戦略であるSales forceを用いたシステム統合プロジェクトメンバーの一員として従事。2年目には携わる新規事業において、予算策定と予実モニタリングをメインに、PMMとしてパートナー戦略推進、BPOの立ち上げ等プロダクトの拡販に向けた施策を展開。以降、自身2つ目の新規事業の立ち上げ準備を行いつつ全社のDX推進も並行して行う。
PMMとは↓
2022年1~3月
➡ 自身初めてのプロダクトリリースから一年が経とうとしており、当初と比べると搭載された機能も増えているため価格戦略の一つとしてプライシングの変更を検討し始めた時期。先行プロダクトのプライシング変更時における論点を把握したうえで同じ轍は踏まないよう関係各所と細かく調整を行った時期。
■ やったこと、できごと
・ 新プラン販売&プライシング変更対応PJ
⇒ プライシング戦略についての知識が乏しかったため、各所のウェビナーに参加しつつ、いくつかの価格改定に関する本を読み漁りながらプライシングについてイメージを膨らませた。主に論点となった部分は既存ユーザーへの周知及び適用のタイミング。規約上に記載されている内容的にはいつでも適用できる内容になっているが、ユーザー側の心証も理解したうえで、適切なコミュニケーションを行うといった部分でかなり慎重に進めた。その他にも既存ユーザへ価格変更を適用するかどうかの議論だったり様々な論点が生じたがこれ以上は長くなってしまうので割愛、、、
・ 営業部のHigh&Lowパフォーマー分析PJ
⇒ プロダクトリリース一年目についてはプロダクトがまだ成熟していないかつ、営業人員もそこまでいなかった(異動や退社での変動が大きかった)ため注力してこなかった、営業人員の生産性の改善に本格的にメスを入れだしたのがこの時期。基本的にFSはISから供給されてくるアポに対して商談を行うが、アポの中でも決裁者かどうか、導入検討時期等で熱さが違うためアポランク(A~D)というものを活用して商談を行っている。営業部でなんとなく営業ができるとされているメンバーも単にアポランクが高い商談に偏っているだけなのではないか?だったり、逆に全然受注が取れていないメンバーはアポランクが低い案件に寄ってしまっているのでは?だったりの仮説を理論値という指標をベースに算出してHighパフォーマーを定義していった。
・ トライアルフローの刷新と構築PJ
⇒ 今までアナログのトライアル発行のフローだった部分を『フォーム入力~Sales forceへの登録~トライアルアカウント発行』までの流れを自動化した。
■ 感情の変化、感じたこと
・ 過去最大の失敗をしてしまった話
ー この時期からある程度仕事ができはじめたというのもあり、どこか気のゆるみもあったのだと思うが、自身ですべて背負い込んでしまい他のメンバーを頼ることができなかったという部分と、既定の範囲外のメンバーに意思決定をゆだねてしまったことが要因で、関係各所に大きく迷惑をかけてしまう出来事があった(社会人3年以内における一番のやらかしえぴーソードはたぶんこれになると思う、、)。ものごとをうまく進めるためには最低限のオーナーシップ(絶対に譲ってはいけないところ譲らない)は持ちつつ、稼働調整は適切に行っていくことが大切だということを身に染みて痛感した。
・ ゲストハウスにハマる
ー 上記の過去最大の失敗をしてしまったこともあり、自分自身を見つめなおす機会を作るため山奥に籠ることができる場所を探していたところ高尾山近くのゲストハウスを発見。低価格で泊まれる上に、人と人との距離が近く心安らぐ空間にすっかりハマってしまい、土日、関東エリアを中心にゲストハウスを転々とする生活が続く。おすすめは千葉県の山奥にある民宿わとや(下記リンク)。かやぶき屋根での改装された古民家で釜で炊いたご飯と鍋をいただいたが絶品だった。オーナーも気さくな方でぜひまた伺いたい。
2022年4~6月
➡ 1~3月に自身の稼働がひっ迫しすぎていたことが要因で迷惑をかけることが多かったため、4~6月は業務の『自動化・圧縮・削減・移譲』に注力。その結果、この一年の中で稼働的に最も落ち着いていた時期。
■ やったこと、できごと
・ 全社業務マニュアル整備PJ
⇒ どの組織でもあるあるだと思うが、過去マニュアルと最新マニュアルのVer管理ができていなかったり、そもそもマニュアル自体が点在しているため該当業務のマニュアルがあること自体にも気づけていなかったりと全社として様々な課題が露呈していたためこの部分のマニュアルの集約化をPJ化して推進した。どこまでの人に該当のマニュアルを公開するのか、どのマニュアルを誰が管理し、どのタイミングで更新するのか等検討すべき論点が多かったのがこのPJだった。また、推進するにあたってはまずは自分自身が社内のすべてのマニュアルに目を通し、上記の論点を解消していく必要があったため、最終アウトプットとは裏腹にかなり時間をかけた記憶がある。
・ 営業生産性ツールの導入PJ
⇒ 自部署のミッションの一つとして、『営業部への戦う武器の提供および使い方の共有』があるが、本当にその武器(ツール等)を使う必要があるのかも合わせて検討していく必要がある。このPJでは自社で使っているツールの見直しを主眼に置き推進した。特に架電や商談業務の効率化という観点では、現行14,000円/人のITツールを利用していたため最低限のクオリティを担保しつつ2,000円/人のITツールヘの移行に成功した(利用開始から半年間は無料となるおまけつき)。
・ 不動産業界に特化したプロダクト訴求PJ
⇒ 自社の提供するサービスの一つが法改正等の要因で不動産ニーズの高まりを受けていたのがこの時期。受動的なニーズを受け取るだけでなく、能動的に市場を開拓しに行くための施策を推進したのがこのPJ。具体的には国内1,2位を争う不動産協会の方々と提携し、その会員様向けの提案を行った。
■ 感情の変化、感じたこと
・ PMMは仕事を無くすと同時に作り続けなければいけない
ー 常日頃『(自分も含めた)属人化の排除』『仕組みは作るが、仕組みには入らない』という二点を強く意識して仕事をしているが、それを続けると結果として自分の手元の業務は徐々になくなってしまう。なので上記を常に意識し続けると同時に、新しい仕事を作りに行くというプロセスも重要になってくる。この時期は自身の行っている作業の後輩や営業部への引継ぎが多かったため、特に新しく仕事を作りに行くということを意識したタイミングだった。
好きな記事↓
2022年7~9月
➡ 不動産ブームが去りつつあり、事業としても正念場となった時期。改めてあらゆるチャネルでの可能性を模索し、業務提携や卸のスキームで事業を進める方法がないかを模索した。
■ やったこと、できごと
・ 従量課金スキームの卸提供
⇒ そもそもSaaSを卸すという考え方自体がどういう立て付けになるのか(何をもって納品とするのか、何が役務なのかetc…)が曖昧な中において、従量課金スキームのSaaSをどのように卸すのかはさらに難易度が高い取り組みとなった。このあたりでまともに収益の認識基準の勉強もし始め、従量課金スキームの計上タイミング等も財務経理の方にご相談させていただきつつ方向性を決めることができた。とは言いつつ、この取り組み自体世の中的に正解がまだなく、論点が山積みとなるため事業部としての優先度が一旦下がったため提供開始までにはまだ至っていないが、いつ取り組みを開始してもいいように論点の洗い出しまでは行うことができた。
・ 売上証憑管理PJ
⇒ 4月~6月の感じたこと部分でも書いたが、新しく仕事を作りに行ったのがこのPJ。自社内における証憑類の管理が未整備だったことや、来たる電子帳簿保存法への対応、原本管理周りの監査対応等重要性が高いにも関わらず、社として着手ができていなかったため発起人としてPJを推進。最終自社プロダクトでこの領域をカバーできるようにするためにも周囲に重要性を訴求した。
理想形↓
■ 感情の変化、感じたこと
・ キャリア支援をしていた時代の後輩に言われた一言
ー たまたまこの時期に学生時代の後輩とランチに行く機会があったが、その時後輩に言われた「○○さん、心が止まっているように感じます」という一言が今も忘れられない。自分の中では今まで通り接していたつもりだったが、もしかしたら結論ベースで淡々と話していたことが理由だったのかなーと考えてみたり。。。この日以降、少しプライベートで自分が生き生きとできるようなイベントを意図的に作ったりしてみてます。
2022年10~12月
➡ プロジェクトとしては緊急度も優先度も高いタスクが同時で3つ走ることになったが、自身で振り返っても今年一年の中で最も自分が成長したと言える時期でもあるし、社会人生活3年間の中で最も満足できるアウトプットが出せたと言える時期がこの時期。
■ やったこと、できごと
・ 契約統合PJ
⇒ プロダクトが無数に増えていく中で各プロダクトごとに契約を持つのか、はたまた会社の提供するプロダクトをひとまとめにして契約を持つのかについて会社として方向性を決断したのがこのPJ。営業部としてのやりやすさだったり、カスタマーサクセス的な観点、契約管理的な観点の様々な要素からメリデメを洗い出し最終経営サイドでの意思決定をもって方向性を決めることができた。
・ 新規事業の立ち上げ
⇒ かねてより準備を進めてきた自身2つ目の新規事業の立ち上げを行った。一度目の新規事業の立ち上げで躓いた部分や、後手での対応となってしまった部分については先回りで準備ができたことで、プロダクトのリリースまで遅滞なく進めることができた。このタイミングで、事業立ち上げまでのTodoリストも作成できたため汎用性を高くするという意味合いでも重要な機会となった。
・ 取次店スキームの取扱い開始
⇒ 一つ目のプロダクトで他社商材を担いだスキームを行うためのPJを推進した。基本的なオペレーションは先方側の規定ルートに乗っ取った形になるが、案件連携後の入金確認フロー含めて未整備な部分が多く、結果的にこちら側から管理スキームを提案する形でFixとなった。
■ 感情の変化、感じたこと
・ PMMとしての介在の限界
ー この三年を通して本当に事業活動における様々な経験をさせていただいた半面、プロダクト側はPdMが、営業側には事業責任者が存在するため、最終最後事業の責任を取るのは両者のどちらかという構造となってしまう。そのため、プロダクトの最終意思決定や、事業の最終意思決定は両者に委ねる形となる。企画としては、その意思決定が最良のものとなるための材料集めや提案を行うことが仕事だとは重々理解しているが、正直、ちゃんと最後まで責任を持ち切りたいという気持ちが強くなったのがこの期間になる。
・ 自社の管理基準について
ー 普段自社以外の業務オペレーションを詳しく知る機会がなかったが、今回の取次店の取扱い開始に伴い始めて細かく他社の業務オペレーションを知る機会をいただけた。リスクや統制の観点でどこまで強固なものにするのかというのは会社としてどこまでリスクを許容し、柔軟性を持たせるのかという意思に伴ってくる。今回の取り組みで分かったことは、間違いなく自社の管理基準は高いということで、これはメリットだけでなく、様々なデメリットも孕でいる。こうした他社の運用も知ったうえで、どこの統制を強固にするのか、どこの部分を緩和するのかといった議論も社内でしていけるような取り組みも今後はしていきたいなと感じた。
2022年振り返り
2022年も自分自身様々なミッションをもって、取り組むことができた一年でした。初めて自分の業務に自信がついた一年でもあるため、来年以降さらに飛躍するためさらに広い領域に手を広げていきたいと考えています。
2023年目標
■ 仕事
・ プロダクト側に稼働を寄せ、今以上に顧客価値を高めるためのプロダクト設計・開発を行っていけるようにする。
■ プライベート
・ 自身の将来の夢に一歩でも二歩でも進めるような種まきを行う。