野村ノート
▼本書のまとめ
主に、野球を通じた組織や個人のマネジメント方法・教育・監督の考え方を説いている。
野球論というより、人間論。
第一章:意識改革で組織は変わる
・教育こそ監督に求められている第一の使命
原理原則を見据えて実践指導していく事(野村監督の基本理念)
・心が変われば人生が変わる
心が変われば態度が変わる。
態度が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
運命が変われば人生が変わる。
・野球選手は野球博士であるべき
正しい知識、誰よりも学び続けるという事
第二章:管理、指導は経験がベースとなる
・指導者に求められるのは実践力
自分の場合は過去こう乗り越えた、等の指導をするにはプレイヤー時代から考え悩み苦しんでおかなければならない。
そこから見つけた答えが指導者になった時に必ず活きる。
そして適性や適材適所を考える。
第三章:指揮官の最初の仕事は戦力分析にある
・正しい理念が正しい応用力を導く
何事も基本の応用。理にかなった基本知識を把握し、正しい答えを導く。
・決断と判断
決断:何に賭けるかの根拠、覚悟に勝る決断無し。
判断:判断できる基準・根拠があるかどうか(知識量や修羅場の経験)
・弱者の戦法
戦力分析と具体的な攻略法、コンディショニング、出場選手の決定、どの試合を重視するか、無形の力を重視した戦い
戦前にどれだけ詳細なデータが収集・解析できているか、情報に正確性があるかどうか、データの確認作業ができているか。
・どれだけデータ収集と懐石ができているか
ID野球の原点。データで根拠を示せるか、分析して解決策が導き出せているか。
第四章:才能は学から生まれる
・小事が大事を生む
小さな努力の積み重ね、天才は一つの要素。
どれだけ才能があっても学ぶ事をしない場合、チームの勝利を呼ぶ事は無い
第五章:中心なき組織は機能しない
・はき違えたチーム優先主義
他人のためにという考えもあるが、自分が最後まで投げきる事でチームを勝利に導くというチーム優先主義もある。一番の勝ち筋は何か、それを見誤っていないか。
・エースは鑑でなくてはならない
中心選手の行動にチーム全体が正しい方向に進めるかどうかがかかっている。だからこそ、中心選手と呼ばれる選手には厳しく、うるさく言う。
また、中心となる選手がいるからチームは機能する。
・個人主義が結集してチーム優先となる
負け試合などでチームの士気が下がっている時は、個人の目標でやらせる。それがかえって大きな結果となる事がある。
・未来創造能力
仕事をする上で必要な3つの能力
問題分析能力、人間関係能力、未来創造能力
日々変化していくチームの未来をどうやってつくりあげていくか。
チームづくりにかかわる者の意識と未来をどう示すかが重要。
第六章:組織はリーダーの力量以上に伸びない
・リーダーとは?
本当のリーダーはオーナー。一番上の人。
その人の考えを変えられない限り、組織は変わる事は無い。
穫りたい選手ではなく、勝つために必要な選手を獲る事。そのために今満たしていない条件をうめようとする事。
第七章:指揮官の重要な仕事は人づくりである
・監督は「気付かせ屋」でなくてはならない
いくら能力が高くても、人間形成がされず社会通念が無ければ組織はリーダーとして認めてくれない。
チームづくり=一人の選手づくり
ヤンキースの例:人間的な節度や心構え、見た目や服装も律している
気付かせ屋:無知である事を自覚させ、無知は恥なのだと気付かせ正していく事。判断基準を教えて、そのレベルアップさせる事。
技術的な教育でも気付かせる事がポイントになる。
・後継者づくりがチームの伝統を築いていく
不平不満を口にするかしないかが良い組織と悪い組織の境界線になる。
不満とは:理想と現実が重ならないからでるもの。裏を返せば理想はある
理想とは:自分の思うようにするために努力し、その先にあるのが理想
・将来のリーダー候補には
可能性があると感じた選手には将来の人生設計をもって勉強をはじめさせ、育成する必要がある。
・野球会は社会を反映している
根性野球→管理野球→情報野球
・チーム作りの終着は「まとまり」
組織はチーム全体の意識の方向性(まとまり)がもっとも大切。
まとまりとは目的意識、達成意欲が持ち続けられているかという事。
・指揮官、リーダーについて常に念頭に置いている事
①リーダーいかんによって組織全体はどうにでも変わる。
②リーダーはその職場の気流にならなくてはならない。
③リーダーの職務とは「壊す・創る・守る」
・潜在意識と顕在意識
野村野球とは意識付け
無意識(潜在意識)と有意識(顕在意識)は9対1。
考えて対応しなければいけない自称は有意識で対応している。
実践において意識付けを中心に、準備の充実なくして良い結果は得られない。
準備重視(プロセス重視)は野村野球。
第八章:人間学のない者に指導者の資格なし
・士は己を知る者のために死す
監督がチーム優先で考えているのに対し、選手はあくまでも個人主義。
ところが自分の存在価値を知ってくれる人がいればこのひとのために死んでも構わないと思える。
リーダーのためにという思いから「チーム優先」に変わる事ができる。
・人間教育ができて初めて育成といえる
野球だけを指導していてもそれだけでは選手は育たない。
人間教育の必要性。正しい事を説き、正しい方向に導く。
・人間学のないリーダーに資格なし
能力の高さだけではなく、一流の人間である事が求められる。
まとめ終わり
▼自社の場合
・ID野球という部分ではとても当てはまる。ID営業?最近ではデータ活用している会社も多いけど、「細分化して分析して改善する」あたりは野村監督の基本理念と一致していると思う。
更に監督の場合、他社がやるよりももっと細かく細分化して誰よりもデータ分析と確認を行っている点が違う。
・マネジメント方法に関しては、自分が感じている事にとても近い事を感じた。自分は考えて課題を解決した経験と自負があると思っているけど、部下にそれを話したところで通じない部分がある。それはその経験をしているかしていないかと、考えることで課題を乗り越えた事があるか、の差かなと思う。
これを念頭に置いておかないと、自分の経験を話したところで昔話を語るおっさんになっちゃうかなと思った。
自分の時には体験できなかった、手厚いサポートと成功までのサポートをしてあげる事が自分でできないとだめだなと感じた。
・本書でキーとなっている、人間教育の部分はまさに痛感した。
所属するチームで「指導」を優先して「教育」をセットにしていないチームが軽く崩壊しかけている。これは本書で言うとこの、野球の話しだけして人間としてどう生きるかを説いていない状態だと思った。
人間として、社会人としてどうあるべきか、目標は何か、どう成長していくのか、ここを指導と一緒に説いていく事ができないと信頼関係もできなければ良いチームづくりはできないと思った。
▼感想・総括
・野球に関する部分はあまりわからないので省いた。
野村監督は本書通して、野球(仕事)を通じて人間形成日からを注いだ人なんだと感じた。
仕事は人と人でするものという基本的な考えの元だと思う。
能力だけではなく、いかに心(マインド)が成長するか、人間として成長するかをとても重要視している方だと思う。
・心が変われば人生が変わる、の一連の言葉はとても良い概念だと思った。一般的な類似後よりも、人間の成長の流れに沿った言葉になっている。
・テレビで見ている、いわゆるぼやいているイメージとは少し違い、「人間として」という部分を強く重視している印象だった。
リーダーではなくても、「人間として」「人として」という部分を考え続ける事が重要だと思った。
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