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あんまり音楽と共に歩まなかった人生と、それでも好きな音楽――年末音楽特番から思い返す――
もう2025年の幕開けから1ヶ月程度経ちましたね。
そんな時流の中、大変今更ではあるのですが……年末の風物詩から思い立ったことについて書いていきます。
私にとって年末の色を濃くまとっているように感じる文化。
それは『大型特番歌番組』です。
紅白歌合戦。
日本レコード大賞。
その前に各局で包装される音楽特番。
年越しの瞬間もその先も、テレビでは年越し音楽特番が続く。
この記事では『私にとっての音楽』そして『2024年、良いな! という感情を抱いたミュージシャン』について語っていきます。
この世の中、音楽が好きな方はとてもとても多いですよね。
私も好きではあります。でも正直、私の人生において音楽の重要性はそこまで大きくありません。
音楽愛を語ったブログ記事やSNS投稿はたくさん、本当にたくさんあります。
では、そこまででもない奴の語りはどうでしょうか?
決して音楽そのものや音楽愛好者の方々を腐す意図はありません。
一つの生態観察のつもりで目を通していただけると幸いです。
前半と後半で大きくテーマが変わるので、目次を利用して読みたいところだけ目を通すのも良いと思います!
NO MUSIC NO LIFE……ではあんまりなかった人生
さて、まずは大前提から。
先に挙げた通り、私の人生にとって音楽の存在感は薄いです。
好きか嫌いかの二択で言うなら迷うことなく『好き』だし、この世から、人生から一切の音楽がなくなるのは困る。
でも存在感は薄いんです。
音楽のない生活
具体例を挙げましょう。
私の日常生活に音楽は流れていません。
一切聞かない、ではないんです。ただ聴くときは『音楽を聴く』というコマンドをいちいち選択している感じになる。
日常のBGMとして音楽を使用しない、とでも言いましょうか。
この曲が聴きたい! と思い至った時だけ音楽を流す。それ以外は無音の空間に居ます。
耳障りが悪くないテレビ番組を放送している時間ならばそれを聞き流していることもある。
あるいは、映像の重要性が低いインターネット上の動画を流していることもある。解説動画やテーマトーク動画。内容によってはそちらに意識が引っ張られていくので、作業のお供として採用できるシチュエーションには乏しいですが。
なぜこうなるのか。
あくまで私の場合ですが……。
大きく分けて二つの理由が絡み合うことによって、音楽を流す優先順位が低くなっているのだと思います。
音楽ではなく歌を聴いている?
まず一つ。私は音楽を聴くとき、主に歌詞に思いを馳せます。
メロディアスな……うっとりする、あるいはアツいメロディーに、趣深い歌詞。
これらが揃ったときに音楽、というか歌謡曲に心を惹かれる。
私はノリやリズムに任せて音楽を聴く習慣がありません。そちらが優位、ウリの楽曲に興味が湧きにくいとでも言い換えられますか。
音楽を聴くときは同時に歌詞を耳で読んでいる。
私が音楽を聴きたくなるとき、そこにはなかなかの割合で歌詞を味わいたい欲求が含まれています。
音楽というより歌謡曲が好きなんですね。それも昭和後期~平成中期のJ-POP。あるいはアニソン。特に近年の、作品解釈がふんだんに織り込まれ、その作品のためだけに捧げられた楽曲たち。
なのでインストゥルメンタルやオーケストラ音楽などを自発的に流すことは皆無に近い(この曲心地良いなぁ、などと感じること自体は結構ある)し、洋楽もさっぱり。
音楽ではなく、詩を聴いていると言えそうです。
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この画像の本『青春歌年鑑』は20年以上前に入手したものです。ヒット曲の歌詞集(ギターコードも記されている)ですね。
私はこの本を詩集として楽しみました。
知っている曲も一部載っていたので、そういう曲は歌詞を頼りに脳内再生をすることもありました。
ですが、掲載されている歌詞を読み、歌詞の世界を脳裏に広げるだけで満足できた。
その曲を聴きたい、という気持ちは基本的に湧きませんでした。
根本的に『音』に興味が薄いんでしょうね。
とはいえ。
音楽の好みの方向性は、日常であまり音楽を聴かない理由には結び付きません。
こういった音楽の楽しみ方の癖に、私が好んでいる余暇の過ごし方が重なり合うことで初めて一つの理由が見えてきます。
歌と思考、言語領域の競合
特に自分で何かを作り出す趣味において、私は主に脳の言語領域を使います。
言語野……と書くと脳科学的に正しくなくなるかもしれないので、ここでは『言葉に触れる時に働かせる意識の領域』程度にゆるく捉えていただけるとありがたいです。
小説を書いたり。
脳内ワールドの設定文をまとめたり。
まさしく、このようにブログ――noteを書いたり。
これらは共通して、脳の中で言葉を織り上げ、組み立てていく行為です。
そして私は音楽を聴くとき、そこに描かれた言葉を拾っている。
言語領域を使うという点で競合してしまうんです。
音楽、というより私が聴きたいほど好きな歌謡曲を聴くと、意識が歌詞に持っていかれてしまう。自分の言葉を紡ぐ作業領域がふさがれてしまう。
私の脳の気質では、どうしてもそうなってしまいます。
それこそ歌詞のない『作業用BGM』として推奨されるような曲ならばどうか、というと……それでも気持ちが引っ張られて、無音状態に比べるといくらかはかどらなくなっていきます。その音楽が気に入れば気に入るほど。これは音楽がある状態に慣れていないがための現象かもしれない。もちろん好みから外れる系統の作業用BGMは論外です。
余談ですが、作業用BGMがフィットするのは、絵とか手芸とか、言語領域があまり励起せずビジュアルイメージ領域を働かせることになる作業・身体や手先を動かす作業なのかなぁと私は感じています。
いや、作業用BGMを流しながら字書き行為ができる、それにより作文がはかどる・良い刺激を受ける方も世の中にはたくさんいらっしゃるのでしょうが……。
音楽が入れる隙間がない……
自分で書かないにしても、私の趣味には文字を追うものが多いです。
本やインターネット上の文章、SNSの書き込み……このnoteに敷き詰められた他の利用者さんの文章。
音楽を流すとそちらに気を取られるのか、というとちょっと違う気がします。
文章と私の世界に入ってしまうので、プラスアルファで聴覚を刺激する必要性を感じなくなってしまう、という感覚に近いかな?
映像作品――アニメや解説動画、トーク動画などを視聴すると、鑑賞物により『聴覚スロット』が埋まってしまいますし。これはコンピューターゲームでも、ですね。
弱点属性:振動
では外出時は?
イヤホンを装着し、音楽に身を浸しながら歩いている方、大勢いらっしゃいますよね。
実はここに私特有の弱点があるのです。
基本的に私は全ての五感が鈍いと自負しています。
しかし、ごく一部、変に過敏なところがありまして。
耳や背後からの振動にとても弱いのです。
合唱に参加すると、背中から浴びせられる音圧で背中がぞくぞくします。
幼少時は美容室でシャンプーした時の『背中部分に設置されていると思われる排水管』へと水が流れていく振動もむずむずし、身悶えを押し殺していた。
思いがけず背中から声を掛けられるだけでも過剰にびくっとします。特に大声などでない、常識的な声掛けであっても……です。
そして、イヤホンで音楽を聴くと、耳から振動が首へ、背中へと伝わり、くすぐったさに似た逃げたくなるような感覚を覚えるのです……!
幼少時よりは鈍くなっていますし、イヤホンの質・音量・音の種類次第ではそこまで不快感を覚えることはないのかもしれません。
ですが、どうしてもイヤホンに苦手意識があって……。わざわざ外でイヤホンを用いて音楽を聴こうとは思わないのです。
ちなみになぜだか、左耳の方がよりぞくぞくします。
スピーカー経由で音を流す分にはこの『ぞくぞく』は発生しません。
耳から新情報を入れたい
思い当たる理由はまだあります。
これを言うと音楽を愛する方、音楽と共に生きる方を不快にさせるかもしれませんが……。
音楽は『私が欲するタイプの情報』を運んでこないのです。
音楽はもちろん情報の塊です。情緒だってたっぷり乗っています。
あくまで私が欲しい情報、というのがポイント。
即ち、具体的な知識やエピソード、耳寄りトピックなどです。
その時実行している作業の性質にもよりますが、完全なる無音にこだわるのではなく、たまにテレビの流し聞きをしていることならあるのはこれが理由です。
毒気のないグルメレポとか旅レポとかお役立ち情報とか……それらは『具体的な知識』です。
外出中ならば、道行く他人が交わす会話がふと耳に入ったりとか。そこから何かの情報を得られる場合があります。
聴覚を使うなら、音楽の気持ち良さに浸るよりも新情報をキャッチした方が『お得』。
私はどうもそのように感じている節があります。
で、お得情報を耳に入れるよりも音楽にときめきたい……そんな気分になった時だけ音楽を再生する、と。
好きな音楽、あります!!!
ここまで『音楽なんて……』とネガティブに捉えられかねない自分語りをしてきましたが、音楽自体は好きなんですよ。
好きな音楽がある、と言った方が正しいか。
先のパートで既に語りましたが、旋律がはっきりした、抒情的だったり、あるいはむしろ激しかったりする『メロディアスな歌謡曲』が好きです。
歌詞を味わいたい欲求が強いので、それに応えてくれるJ-POP、作品解釈の姿勢がうかがえるアニソンが好き。
といってもこだわりは薄く『好き!』と感じるハードルも低い。ヒットチャートを辿るだけで好きが見つかる。
とはいえ、だいぶ時代に取り残されています。
14歳のレパートリー百まで
既に書きましたが、だいたい1980年代~2000年代に好きなテイストの曲が多いです。
『14歳のときに聴いていた音楽により音楽の好みが形成される』
この格言が私にとってはドンピシャであてはまります。中学校時までに聴いていた音楽が私の中にインストールされており、それにより好みか否かを判断している。
いや、もう少し早いかな。10歳~12歳くらいの時期の曲の焼き付き具合が強いかも。
どれも浅い『好き』ではありますが……当時輝いたグループだと、SPEED、globe、ポケットビスケッツ/ブラックビスケッツあたりに好みの楽曲が多かったです。
今でもず~っと好きで、大人になってからライブにも参加したのがポルノグラフィティとT.M.Revolution!
情熱的な曲調に心が掻き立てられるのと、岡野昭仁さん・西川貴教さんの声や歌い方が好きだというのも大きい。
そもそも、この時期にJ-POPのくくりで活躍した方々の楽曲にはどれも『これ好き!』というのがある。
安室奈美恵さん、浜崎あゆみさん、宇多田ヒカルさんといった『歌姫タイプ』の方々。
SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kidsといった『ジャニーズ(当時)勢』の方々。
GLAY、B´z、L´Arc~en~Cielなどの『ロック系』の方々。
もちろんそれ以外も含めて……。
『あの頃のJ-POP全体』が好き、という感じです。
ちょっと時代が下るけどいきものがかりなども好き。
親の車の中で布教された曲
あと結構大きいのが親からの刷り込み。
両親はそこそこに好きなアーティストがいる、一般的レベルの音楽好きでした。
なので、私が生まれる前~幼児期の曲も、親の車の中で流れていたCDや同行したカラオケなどを通して結構刷り込まれている。
母は高橋真梨子さんや松任谷由実さんあたりの曲をカセットテープに詰め込んで車の中で流していました。
車社会の田舎民にとって、親の車はほぼ唯一の生活圏外への道標です。なので聴く機会も多く、刷り込み効果は抜群!
父は母に比べると少し好みが尖っていたかも。音楽がメイン趣味というわけではありませんが、かつてギターもやっていたようですし。漢のバラード、というテイストの曲が好きそうでした。父の影響で覚えた曲は『氷雨』。
親からの刷り込み、あるいは懐かし音楽番組で勝手に覚えた、誕生以前~幼少期の好きな曲は『いい日旅立ち』『異邦人』『ルビーの指環』『桃色吐息』『フレンズ』『Runner』など。
ニコニコ動画とアニメによる新規開拓
で、その14歳までの刷り込み期が終わった後も好きな曲は増え続けました。
大きかったのはボーカロイドの影響です。
あまり熱心にボカロシーンを追っているわけではないのですが、ニコニコ動画開闢から約4~5年くらいはニコニコ内で評判になったボカロ曲をある程度聴き「良い……」となっていました。
幻想世界を感じさせたり、サイケデリックな世界を幻視できそうな曲だったり……。
これまで知っていたJ-POPの世界にはない曲が、ここにならある! と魅了されました。
あまり深掘りしていたわけではないので知っているボカロ曲のほとんどはニコニコ動画内で大ヒットした曲です。
好きな曲の一部を挙げると『炉心融解』『ワールズエンド・ダンスホール』『六兆年と一夜物語』とか……。
しかし、ボーカロイドの曲ジャンル別タグ(VOCALOID民族調曲、など)を辿るとランキングには上がってこない、あるいは見逃していた好みの曲に出会えて嬉しいものです。
検索における曖昧性のなさ、指定した検索条件への忠実さがニコニコ動画の良い所の一つだと思っています。
ここで少し、心に刺さった曲を紹介しておきますね。
そしてアニソン。
少し時間が戻りますが、私は小学4~5年生の頃『新潟県内で放送されていないアニメ』『深夜アニメ』の存在を知りました。
それからというもの、そういったアニメをレンタルビデオで観たり、関東住まいの親戚に録画していただいたり……と新たな作品を開拓していきました。
アニメには主題歌がつきものです。テレビ東京系でしか放映されていなかったアニメ、深夜アニメ……そういった作品の主題歌は『新潟でも夕方~ゴールデンタイムに観られるアニメ』のものとは異なるテイストを持っているように感じました。それで『大人びた(当時の私基準)』アニソンに興味が向いていきました。
特に衝撃を受け、今でも高確率でカラオケで歌うのが『残酷な天使のテーゼ』。地元では見られないアニメとしては、『スレイヤーズ』など林原めぐみさんが担当する主題歌はどれも格好いいと思ったものです。あと『サイレントメビウス』という作品のオープニング『禁断のパンセ』がとてもツボだったんですが、ご存じの方いますかね?
ニコニコ動画登場後。権利的によろしくないのですが、ニコニコ動画にアップされている曲・MAD動画に使われている曲を通じて『見たことのないアニメの主題歌』までも脳内レパートリーに加わっていきました。
アーティスト単位で一組挙げるならALI PROJECTですね。ダークで、耽美で、深遠で(※そうでない雰囲気の曲もあります)……私の幻想にふける琴線、中二病の患部にばしばし刺さりました。もっとたくさんの曲を聴きたくてベストアルバムも買った。
先日の旅行記事でも言及した、昨年2回もライブに行ったSound Horizonを知ったのもアリプロと同時期です。
サンホラとの初接触は友人とのカラオケだったと記憶しています。
『恋人を撃ち堕とした日』の、曲を通して短編小説を追うかのような確固たるストーリー性、きらびやかで繊細な言葉選び、透き通った旋律……一目惚れでした。
そこから『澪音の世界』『Ark』あたりの楽曲を知り、何これ!? 全部ときめくんだけど!!! となり……今に至ります。
強火ローラン(サンホラファンの愛称)の皆様方と比べるととろ火もいいところですが、活動を続ける限り応援し続けたい。ずっとそう思い続けられているアーティストです。
そうそう、アニメではないけれど『作品解釈』と『J-POP性』のバランスが私好みの楽曲群があります。
それは『平成・令和ライダー』の主題歌!
もちろん戦隊のテーマ曲もストレートに作風を表現している率が高くて、なおかつ曲としてもお洒落で良きものなんですけどね。
ライダー主題歌の匂わせ具合がかゆい所に手が届く塩梅なんです!
……あれ?
14歳まで、と言っていたのにこの辺までで約20歳になってしまいましたね。
まぁ、成人前(当時基準)までに音楽の嗜好が固められてしまった、ということで……。
大人になってから好きになった曲、好きになれない曲
それ以降も好きだな、と思う曲やアーティストさんは増えて行っています。
近年活躍する方々だと、米津玄師さん(彼はそもそもボカロ界隈にいらっしゃった方ですが……)、星野源さん、YOASOBI、緑黄色社会、あいみょんさん、LiSAさんあたりにいくつか好きな曲を見出している感じです。ヒットした曲しか知らない身ではありますが……。
ただ……ごめんなさい。
年を経るごとに「この曲、好きじゃないな」と感じてしまう曲がヒットチャートに昇ることが増えています。
完全に時代に置いて行かれている!
好きじゃないのは曲単位であり、アーティストさんご自身でも、その実力に疑問を持っているのでもない。
知らないだけで私好みの曲も作っているかもしれないし、これから作られるかもしれない。あくまで楽曲単位の好き嫌いです。
どんな曲が好きでないのかは、書いても誰も笑顔にならないので具体的には挙げませんが……。
「あなたたちは美しい! ダンスも格好良くキマっている! あなたたちの努力と実力に敬意を表する!! でも……曲が個人的に好みじゃないんだ! すまない! 存分にファンから愛されておくれ……ご武運を!」
という気持ちになることが着実に多くなってきています。感性が老けたねぇ。
2024年の年末音楽特番ほかで感じた『いいね!』
さて、冒頭に挙げた年末の風物詩の話に戻っていきますよ。
主に今年の紅白やレコード大賞を観ていてグッときた、あるいは2024年になってから個人的に興味を持ったミュージシャンについて少し語ります。
Creepy Nuts
『Bling-Bang-Bang-Born』『オトノケ』に感服しました。
結局アニソンじゃねぇか!!
そう、アニソン作りにおける理解度と盛り込み力に感服しました。
……その前に、懺悔しておきます。
『マッシュル』『ダンダダン』共に未読・未視聴なんです……。
元来ジャンプ作品に育ててもらった私。今もジャンプ漫画的なる味わいは変わらず好きなままですが、私に備え付けられた作品アンテナの劣化、並びに時間やお金の使い方におけるこのごろの優先順位の問題で(趣味にしか使ってないけどな!)、これ絶対好きなやつ! と思いつつ未視聴のままです。
なので『ミリしらではないけれど、輪郭部分の数センチ分しか知らない』不届き者の感想として読んでください。
『Bling-Bang-Bang-Born』の歌詞、マッシュくんともR-指定さんとも捉えられる絶妙なライン。作品の要素を的確に匂わせるワードが小気味よく繋がっている。
『教科書にない 問題集にない 超BADな呪い』←魔法学校的
『俺のままでいるだけで 誰も口を挟めない/挟ませない』←マッシュくんの生き様
観てないのに評論するな、と言われたら返す言葉もありませんが……。
それでも、ここにズキュンときた! と強く思ったので例示させていただきました。歌詞引用に問題がありましたら消去します。
『オトノケ』も都市伝説存在や歴代ジャンプ作品の要素を上手く、贅沢にはめ込んでいて気持ちいいですね~。
こっちのけんとさん
『はいよろこんで』が頭にこびりつきました。
曲単体というより公式MVのアニメ映像込みでこびりついている感じです。
ニコニコ動画の『ボカロ曲MV』をひたすら観ていたあの頃と同じような感覚で……。
しかし、やはり胸に来るのは歌詞と歌声。
まさしく『ギリギリ』を生きてきたから見出すことができたのだろうなぁ……と感じる切実な歌詞を、溢れるように訴えかけ歌う声。
アニメ映像には可愛い中毒性もありますが切なさや痛々しさもしっかり伝わりますし、ポップな曲の奥には生乾きの傷がある……そのように幻視しました。
僕は救われた、などではなく『救われたのは僕のうちの一人で』となるセンスに滋味を感じます。
Mrs.GREEN APPLE
存じ上げてはいました、が……どんな曲を歌ってらっしゃるのか、正直2024年に至っても曖昧でした。
それなのに注目するようになったのは、職場にミセスの大ファンの方がおられるからです。
最初期の記事に『職場で浮いている』と書いたのですが、今現在はその職場から異動しまして、仕事時間を和気藹々と過ごすことができています。
その新たな職場で、快く会話してくださる同僚さんのことですね。
同僚さんのミセスへの愛を知ったので「次音楽番組で見かけたら注目してみるか……」と思ったのです。
そうしたら……私の好きなタイプの抒情的な曲を歌ってらっしゃるじゃないですか!
時節柄、聞いたのは『ケセラセラ』『ライラック』あたりなのですが、こう……闇を知っている、傷の上に立つからこその光というか……数曲しか知らないですが、そんな印象です。
2025年、ウォッチしていきたいと思います。
THE ALFEE
私の生まれる前の楽曲知識は親の観測範囲に大いに影響されています。
アルフィーはそこから外れていて(もちろん現在も精力的に活動中なわけですが)、この年になるまで触れる機会がそんなになかったんですよね。
わずかな触れる機会は『SNSで流れてくる、ファンの方の投稿』です。
個性が爆発している『画風』の違う三名が、その画風のまま50年間(50年!? 70歳!?!?)仲良く楽しく活動を続けている。
全くの無知である私も、その点はとても微笑ましく、輝いて見えていました。
さて、そんなアルフィーのミュージシャンとしてのパフォーマンスに触れることができたのが昨年の紅白歌合戦です。
無知なので誰がボーカルかも知りませんでした。
真ん中の坂崎さんが歌うかな? と思っていたら……口を開いたのはこちらから見て左、ベースの桜井さん!
その、艶と渋みのある、それでいて力強くのびやかな声に圧倒されました。
後で調べたところ、『星空のディスタンス』は桜井さんがメイン……というだけで、他二名もメインボーカルを勤めることがあるんですね。
非常に失礼ながら、仲良しエレガント紳士チーム(なだけ)ではなくミュージシャンなんだ……とものすごく今更ながら刻み込まれました。
氷川きよしさん
元々とても魅力的な歌声をお持ちの方だなぁとは思っていました。有無を言わさず迫力があり美しい声。
しかし、私は演歌が得意ではなく(しかし近年味わいが分かってきた気がします)、氷川さんの曲で一番好きなのは『限界突破×サバイバー』だなぁと思っていました。
しばらくのお休みからのカムバックを果たした昨年の紅白、王道ど真ん中の凛々しい袴スタイルでの『白雲の城』。その絞り出し、響かせ切るような絶唱。
脳裏に浮かんだのは、ネットで見聞きした氷川さんに関する噂。――周囲から求められる、これまでの活動から期待される姿と、本当の己の心の形が異なっている、と。
それが本当なら、何を思い巡らせ、どんな覚悟を持ってこのスタイルでの出場を選んだのか。
外野がおいそれと代弁できない、凄絶で強固な気迫を感じました。
ご自身が本当に納得いける形で、今後もキャリアを積んでいけますように。
Vtuberと音楽に関する個人的な出会い
最後に少しVtuberの方々と音楽について、2024年の自分の体験を語ります。
Vtuberの動画は見ます。しかしだいぶ偏っている上にチェックしている総数も少なく、主に『得意分野に特化した活動をしている』『動画勢』の投稿を観ます。
ゲーム実況配信とか、歌配信とかはあんまり観ません。
なので、観ているVtuberはいるものの、Vtuberシーンを追っているとはとても言えない状況です。
そんな私がVtuberを知った当時から観ている特化タイプVtuberのお一人がこちら。
今酒ハクノさん
何に特化してらっしゃるかというと『酒』です。
お酒や尖った構成の料理の食レポ動画を中心に投稿されています。
食レポの的確で豊かな言語化能力、テンポよく挟まれるサブカル等笑いのネタの小気味良さ、それを裏打ちする聡明さ……などから惹かれてきました。
ハクノさんはオリジナル曲も作成されています。動画のエンディングに流されるからそれは当初から存じていました。
しかし動画には食レポを観に行っていたので「活動を広げていけるのは良いことだなぁ」程度にしか思っていませんでした。
それが2024年のある日、何となくオリジナル曲のMVを再生してみる気になったのです。
こちらの『暗銀の盾』ですね。
彼女の魂がここに焼き付いていました。
這いずり、這い上がり、全て自力で、進み続けてきたという凄まじい自負。流した血(比喩)からしか生まれない強さと誇り。
それらをまとめて肚の底から叩きつける声にしびれました。
あと、私は正直ラップに苦手意識があったのですが、ハクノさんの曲や前述のCreepy Nutsの曲を聴くに「そんなに苦手でもないな?(あるいは、苦手ではなくなった)」と認識を改めました。この方々が特別に私にフィットしただけという可能性もありますが……。
むしろ歌詞に噛みしめられるエモみ、熱、文脈があるならラップのリズムとの相乗効果で中毒性が増す。
星街すいせいさん
YouTube中毒でVtuberも楽しく観ている割に、あんまり観てこなかったのがホロライブの方々です。
決して他意はなく、単に私が『長時間ライブ配信されるトーク』を観ようと思い立つことが少ないことに理由があります。
もちろんそれだけではないでしょうが、ホロライブの方々はそういった長時間リアルタイム配信を中心としている印象があります。
なので、何か新しい動画を観たいなぁとなった時にホロライブの方々の配信(あるいはアーカイブ)は選択肢に入りにくいんです。
切り抜きはたまに観ることがあります。
ホロライブ卒業生に湊あくあさんという方がおられます。
あくあさんの卒業の報を目にし、Vtuber界の大物なのだし、これまであまり観ていなかったけれど卒業ライブは観てみようかな……という気持ちが湧き起こりました。
卒業ライブはあくあさんのみならず、ホロライブの仲間たちも次々にゲスト参加します。
その中で特に耳を惹いたのがこの星街すいせいさんです。
……歌、上手すぎないか……!?
もちろん他の参加メンバーの方々も上手なのですが、すいせいさんの放つ音圧は一線を画していたように思えました。
力強く艶のある深い声。非常に好みの女性ボーカルでした。
これも調べて初めて知ったのですが、すいせいさんは元々音楽活動を見込まれてホロライブ入りした方であるようですね。どおりで。
ていうかなんでこの時まで知らなかったんだ???
また一万字を超えてしまった。読んでくださった方、お疲れ様でした。
こうして自分の感想を俯瞰すると、音楽と言っても『人間の声』しか聴いていませんね。
全ての音が合わさってこそ気持ちいい音楽になることは承知しているのですが……好き! という気持ちが湧くポイントはどうしても歌詞や歌声、あるいは旋律になってしまうのでこうなります。
有識者のフリをしても無意味なので、今後も永遠のにわか精神で、聴きたい時に聴きたい音楽に触れていきますね!
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