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テリーヌショコラの幸せ
久しぶりによく行くイタリアンのお店に行った。「久しぶりによく行く」とは形容矛盾な言い方だが、お店そのものには20年ぐらい足を運んでいるのに、今年は2月に行ったきりだったからだ。
まだ予約なしでも(少し時間をずらせば)ランチ時に入れた頃は、土曜日に制服のままお店に行っていた(通っていた高校のすぐ近くにある)。
この間、パスタとデザートの種類が増えたり、2号店ができたりしているのだが、いつ伺っても間違いなく美味しい。
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デザートも10種類ぐらいあるが、だいだいプリンかチョコレートケーキを選ぶ。アイスクリームやジェラートは冷たいし、ティラミスやパンナコッタは食べられない(間違いなく美味しいのだが、私に合わないというだけである)。
確か、前回は食べようと思っていたチョコレートケーキが出されていなくて(このご時世なので客足に合わせて、少し数を減らされていたようだ)プリンにした。
写真を撮る発想がないのであれだが、ここのプリンは長方形で固めである。とろけるようなタイプではなく、スプーンを入れてもしっかり、もったりしている。
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メニューのリニューアルの度に、チョコレートケーキにも変化がある。ごく普通の「チョコレートケーキ」と聞いて思い浮かべるタイプのものが出されていた時もあれば、ザッハトルテやガトーショコラ、クラシックショコラの時もあった。
今日、満を持して?メニューを見ると、”テリーヌショコラ”とあった。お初にお目にかかることもあり、即決だった。優柔不断な私にしては、とても珍しい。
こちらも写真がなくて分かりにくいが、お皿にナイフとフォークが添えられてきた。このお店のチョコレートケーキ(に分類されるもの)にナイフが添えられてきたのは、初めてだった(アップルパイやブルーベリータルトにはある)。
諸説あるようだが、テリーヌショコラとは小麦粉を使わずに、バウンド型で焼き上げたものを指すそうだ。食感は生チョコに近いものを言うようである。
お見せのテリーヌショコラも、なめらか且つどっしりしていて”ザ・チョコレート”というものだった。あっさりやヘルシーとは正反対の、これぞ混じりっけなしのチョコレートケーキ(生チョコ)だった。きっと、チョコレート好きには堪らない。
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甘いものは得意ではないが、幼少の頃からチョコレートはずっと好きだ。真夏でも、アイスクリームを食べるならチョコレートを選ぶ。人に渡すチョコレートにも気合が入る。習慣として父に渡すチョコレートよりも、よっぽど高級なものを2月に人に渡す。
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メニューの刷新で変わる日が来るかもしれないが、またこのお店のテリーヌショコラを食べたい。