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5/29 岡康道という人

広告業界にいれば、この人の名前を知らない人はいないと思う。(のだけれど、それは最近の若い世代にも通用するのだろうか?)

今日、岡康道氏が講演のパネラーになっていたので、これは必ず聴講せねばと思って席に着きました。

昨今の名だたるクリエーターが私を変えてくれた人として挙げる、そんなトップクリエーターです。

このCMも初めて見たとき、どうやったらこんなCM撮れるのよ、、、と戦慄を覚えたのと同時に、まだCMでここまで出来るのかと励まされた気がしました。

勝手に私が感じているだけかもしれませんが、やはり人を惹きつけるオーラのようなものを感じたし、それは過去に積み上げた実績に裏打ちされたものなんだろうと、ある意味感動した。

そんな岡さんが仰っていた内容で印象的だったものをいくつかご紹介します。

左脳に寄った話は誰もが理解できる。右脳に寄った話は理解できる人と理解できない人がいる。右脳で議論されない。誰もが納得できるものにすると、一切の右脳的要素がなくなってしまう。
しかしヒットするものは右脳でヒットする。そうは言い切れる。左脳的に話すのは、そうしなければ企画が通らないからに過ぎない。
主観的な意見だと思われることもある。ただ、長くやってきた、ある種の判断というものがある。嫌だと言われたら仕事にならない。負けても良いと思っている。
そうでなければ、右脳の警告ランプのスイッチを切り、左脳で平凡なものに仕上げてしまうだろう。

また、我々に馴染み深いオリエンとプレゼンについても仰っていた。

クライアントから渡されるオリエンシートは100ある仮説のうちの1つが書いてあるに過ぎない。それをなぞっても、それこそ的外れな予定調和のような提案しか生まれず、意表を突いた正解を生み出すには残り99の仮説を考え抜くしかない。

どの言葉も重い。

また、同時に登壇していた一橋大学大学院・鷲田祐一教授の言葉も印象深かった。

ひとつだけが正しいと思い込むと、サイエンティフィックな考え方からすると筋が通らないことがある。けれど、真実が突き止められるはずのものを、方法のせいで見逃している。
細い因果律だけが正しいと思い始めると、未来を当てる力は下がっていくだろう。

いずれもセッションの中の文脈の中で語られた内容であるので、これらの言葉単独で聴いても「???」と思われる方もいるでしょう。私は直接岡さんを知っている訳ではないので、全ては私というフィルターを通した主観でしかありませんが、それでも尚、何かが伝わる強さがあると思う。同じ業界にこういったスーパーな人がいる事を幸せに思う。

最後に広告会社で働く身として、この言葉は常に意識して仕事をしたい。

的外れな予定調和と意表を突いた正解

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