あなたの、スピリット
「福祉現場で役立つ動機づけ面接入門」No6
こんにちは。三寒四温、よく言ったものです。
今日は、動機づけ面接のスピリットについて。何事にも“精神”が宿ります。動機づけ面接MIの精神・スピリットは、PACE(ペース)。見ていきましょう。いつでもそのPACEで。日本風に言えば、そういった態度とか姿勢でもいいかもしれません。
協働 Partnership
クライエントが自ら変化していくことを支援する、その変化の促進は、支援者が勝手に進めるのではなく、協働作業が必要。MIにおける支援では、「押しつけ」ではなく協働。レスリングではなく、ダンス。
受容 Acceptance
受容はカウンセリングを学ぶ上で必須の条件、と習います。これは単にクライエントに賛同することとは違う。動機づけ面接の開発者ウィリアム・R・ミラーとスラファン・ロルニックは、来談者中心療法創始者カール・ロジャースを引用。
相手に絶対的な価値を置き、クライエントの気持ちに正確に共感。相手の自律性を支援し、是認することが重要とされます。
思いやり Compassion
クライエントの利益を最優先に考えること、動機づけ面接の思いやりとされます。
これ、他の3つとちょっと毛色が違う。
車のセールスに例えられます。本書は、“福祉現場”でと銘打っており、それは、セールスと同じく、支援者側の意向をある程度反映する。しかし、思いやりだけは、クライエントの利益を最優先して行うこと。もちろん、協働、受容、喚起をないがしろには出来ない。だから、それらを踏まえて、思いやりを意識する。だから、スピリット。
引き出す(喚起) Evocation
すでにクライエントの中に変化のために必要なものは揃っている。その変化のための方法を、クライエントの中から引き出していく。
以上のスピリットを重視し、常に「その方向に進んでいくことが、本当にクライエントのためになっているか」と考える。そういった姿勢で臨むことが重要。これは、動機づけ面接だけでなく、全ての相談業務に必要なことかもしれません。