「わたし」を降りる
幸せになる勇気 No48 “弱いわたし”支配
「重大な発見」、そう哲人が言うのは、
われわれが持つ、独裁者にも似た圧倒的な“力”について、アドラーが到達した結論についてでした。それは、
「弱さ」
です。「弱さとは、対人関係において恐ろしく強力な武器になる」、これがアドラーが発見した重大事態。
暗がりでいつも泣いてしまう少年に、母親が言った言葉が、例として紹介されています。
自分が来てから泣き止んだ息子にその母親は、「それで、お母さんがきてから少しでも明るくなった?」
生理的早産で誕生する人間の宿命、それは、弱くあることで、最大限他者を支配し、生を保つこと。
「ほしいものすべてを与えられる黄金時代」
とまで、アドラーは、言っているそうです。
そして、それは、子どもだけではない…
さて、耳を塞ぐ準備を…
「多くの大人たちもまた、自分の弱さや不幸、傷、不遇なる環境、そしてトラウマを“武器”として、他者をコントロールしようと目論みます」
そう、哲人は、言います。
耳が痛い…。塞げば良かった…
ただ、過剰なほどの“自己中心性”から出発したわれわれ人間は、ずっと弱くはいられない…
「いつまでも“世界の中心”に君臨することはできない」
「世界と和解し、自分は世界の一部なのだと了解しなければならない」
自立という言葉に込められた意味、
「教えてください」と青年。
わたしにも、教えてください!
哲人は、言います。
「自立とは、
自己中心性からの脱却
なのです。」
わたし、という、自己中心性からの脱却。
それが、自立であり、愛が、「わたし」からの解放、である所以。
では、また。