0秒で動け
障害福祉サービス事業所で働いているかえると言います。
今回は先日読んだ本を「自分なりに」こう解釈したよと言う内容で紹介したいと思います。紹介する本は、伊藤羊一さんの「0秒で動け」です。
「0秒で動く」とはどう言うことか?
0秒で動くと言っても、「何も考えずに即動こう」と言うことを言っているのではありません。
「人は行動の積み重ねで、自分の大切にしている考え(価値観)や、それに基づいて形成される考え方の「軸」ができていく」と言うことです。
自分の考え方の「軸」ができると、様々なことを自分の頭で考え判断することができる。その結果、なかなか行動することができなかった人も行動できるようになると言うことが結論になっています(0秒で動ける・・・0秒というのは言い過ぎな面もあると思いますが 笑)。
そのためには
とりあえず頭出しの「結論」をだす
多くの人にとってハードルの高いことかもしれませんが、すぐ行動できるようにするためには、「とりあえず頭出しの結論を出せ」と書かれています。結論を出すというのは、例えば、会議の場で「自分の意見を伝える」ということです。
学校でも仕事場でも、自分の意見を伝えるということは勇気のいることです。なぜなら、「間違ったこと言ってるんじゃないか?」「こんなこと言ったら馬鹿にされるんじゃないか?」「何か提案しても誰もついてこないんじゃないか?」「反対意見が出たらどう対応していいかわからない…」などと思われてないだろうか…。と不安になるからです。
でもこれは、正解を見つけることが重視されてきた学校教育の弊害でもあります。社会人になると、何が正解かは行動してみないとわからないことがたくさん出てきます。つまり、最初から正解がわかっているなら、複数人で集まって会議をする必要はないんです。
会議の場は、正解をみんなで議論して探していく場であり、その後はみんなで協力して導き出した結論を正解にしていく協働が必要になってくるのです。行動している中で、「あれっ、やっぱりこうじゃないかも」って思った時は起動修正をかければいいのです。
スキルとマインド
ただ、根拠のないなかで闇雲に行動することは誰にとっても難しいものです。なので本書の中では、行動するための「思考のスキル」と「マインド」の磨き方を紹介されています。
スキル
本書でのスキルとは「なぜその行動をしようと決めたのか」根拠を考え「自分の言葉で」言語化する(他の人にわかりやすい言葉で説明できるようにする)ことの重要性を訴えています。プレゼンテーション力やコミュニケーション力がここに当てはまります。伊藤さんは「ピラミッドストラクチャー」と名付けて思考のスキルを紹介しておられます。
まずは、①頭出しの「結論」を出す
そして、②その「根拠」を3つあげる
詳しくは本書を読んでいただいた方が具体例もたくさん載っていてわかりやすいです。
マインド
マインドとは自分の「想い」や「自信」苦しいときに自分の「踏ん張り」になるような自分自身の心の持ちようです。伊藤さんはその人の「生きざま」とも表現しています。
どんなにプレゼンテーションスキルを上げても、どんなにコミュニケーションスキルを上げてもスキルだけでは相手に伝わらないものです。
逆に流暢に淀みなく話をする人よりも、緊張していて話もつっかえながら喋っていたとしてもその人の「生きざま」や自分の主張に対する「本気度」「想い」があれば、それは明らかに後者の方が聞き手に伝わります。
プレゼンからにじみ出るその人の「想い」や、「本気度」のようなものはスキルの土台となるマインドがしっかりしたもであって初めて伝わるものです。
マインドは自分自身の経験の積み重ねによって育つものです。つまり行動をし経験値を上げていかないと身につかないものです。
でも初めから経験値が豊富な人なんていませんし、自分は経験豊富だと自信を持って言える人も少ないと思います。僕も含めそう言った人たちはどうしたらいいのでしょうか?
これまで生きてきた自分の人生を振り返る
自分が生まれてから現在までを振り返り、時系列に、嬉しかったこと・楽しかったこと嫌だったこと・悲しかったこと・落ち込んだことなどを思い出せる限り書き出していきます。「その時になぜ自分はそう思ったのか(嬉しい・楽しい・落ち込んだなど)も考えてください。
これは頭の中でやるのではなく、ノートや紙に書いてやった方が効果があります。そうすることで、自分はどんなことに対して「楽しい・嬉しい・喜び」などを感じるのか、またどんなことに対して「悲しみ・嫌だと思い・落ち込むのか」などが可視化されます。
それを眺めていると、自分の価値観が少しずつ見えてきます。
価値観は「好きなこと・嫌いなこと」から始まり「譲れない想い」「大事にしている考え」「これだけは許せない」などいろんなものがあると思います。その価値観が自分の考え方の「軸」につながっていくものです。
本の中では「ライフラインチャート」という言葉で紹介されています。検索していただければイメージがわきやすいと思います。
自分の人生振り返ってみたけど、「価値観なんてあまり見つからない、自分の軸なんてよくわからない」という場合もあると思います。
そうだった場合はどうしたらいいのか?
他人の軸を借りる
伊藤さんの考えで面白いなぁと思ったのが、
「自分の軸がわからなかったら、とりあえず他人の考え方の軸を自分の中に”仮置き”すればいい」
と言っています。
どういうことかというと、自分が好きな、あるいは尊敬する”誰か”(〇〇さんなら)この場合どう思うだろうか?と考えて判断行動していけばいいと言っています。”誰か”は、近くにいる人でもいいし・著名人でも誰でもいいです。
考えてみると、案外自分のオリジナルで価値観を築き上げてきた人って多くはないんじゃないかなと思います。自分のこれまで生きてきた環境、出会い(人はもちろん、漫画を含む本や映画、その他芸術作品)によって自分が形成されているよなぁと思いました。
なので、何か行動しようとする時、行動したいと思うけど何からしたらいいのかわからない時、人に何か伝えないといけない場面に出会った時「私の尊敬する〇〇さんならどう判断するかな?そしてどう行動するのかな?」と考えてみるといいと思いました。そうやって動いているうちに〇〇さんの判断”軸”がいつの間にか自分”軸”になってることって結構あるんじゃないかなぁと。
そう考えると自分の”軸”を持てということに関して、もう少し肩の力を抜いて考えることができるのではないかなぁと思いました。
まとめ
僕の結論としては「0秒で動ける」ようになるためには、行動(経験)、スキル、マインドそれぞれが重要なのですが、どれかから順番にやっていくというより、とりあえずどれでもいいから取り掛かれそうなものからやってみることがいいのかなと思います。
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